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新しいライブ体験を目撃した。

先週の日曜日(2020.04.26)の朝、起きてTwitterに目をやるとすごい映像が飛び込んできて、これからのライブエンターテイメント変わっていくな、と核心に変わった瞬間があったので、思考の整理も含めてシェアしたいと思う。

Travis ScottがForniteと呼ばれるオンラインゲーム上でライブパフォーマンスを行った時のユーザー動画。

参加したいと思わせる映像体験

映像を見て分かる通り、ユーザーは中央に写るキャラクタを操作しながら、自由にバーチャル空間を移動し、巨大化したTravis Scottのライブパフォーマンスをまるでフェスに参加するように楽しむことができる。そのオーディオビジュアルも非常に凝っていて、日常では演出が困難なエフェクトが盛りだくさん。音楽体験として非常に豊かで自分も参加したかった!と強く思い知らされた動画だった。

これを観た瞬間に思い出されたのは水口哲也さんの「Rez Infinte」というゲーム。僕自身体験したことはないのだが、去年のCEDECの基調講演で話されていた音楽体験設計はとても印象的だった。

ソーシャル性はイベントに必要かも

このイベントに関して「友人とバーチャル空間で待ち合わせして〜」といったようなつぶやきを発見し、もはやフェスじゃん!と驚いた。ちょうど去年人生初の大型フェスとして、いきなりCochellaデビューを飾ったのだけど、その時の高揚感に似たものをこの映像からも感じることができた。やはり人が集まってこそフェスなんだと思うし、それがバーチャルに変わっても案外同じなんだなと学んだ。世代間格差を感じてしまいそうなのだけど、Second Lifeっぽいなと思う。僕が中学生くらいの時に少しやっていたので2002年くらい。20年前とか驚き。

こういった状況に合わせてライゾマティクスもソーシャル性のあるサービスを作り始めているようだけど、まだ万端じゃない感じですね。やはりEpic Gamesがこれまでに積み上げてきたものに追いつくのは難しい。

以前からゲーム会社が他の業界に参加し始めたら恐いな、と思ってて。実際フィジカルなイベントがNGな昨今、オンライン上で体験やストーリーを作れる会社はかなり強い。これからビジュアルクオリティも上がって映画制作会社と張り合うレベルまで来ると体験価値がまた一段あがりそうで恐ろしい。

バーチャルな身体性の音楽体験

そう、ライゾマのプラットフォームで使用されていた画像が自分が前にやっていた研究プロジェクトと同じ素材を使ってて運命感じました。

僕が2017年頃にやっていたDanceDJというプロジェクト。実時間でキャラクタのダンスを制御するツールがあるとしたらどんなものだろう、という疑問から提案したシステム研究です。研究を始める以前に衝撃だったのが、初音ミクのライブが基本レンダリング済みの映像を流すだけという事実。口パク以上の衝撃でして、ライブやグルーブ感って一体どこからくるんだろうと考え出したのもこの頃でした。

当時は、DJが自分で楽器を演奏できなくても音楽を組み合わせてフロアを盛り上げられるように、ダンスが苦手な人でもキャラクタを使ってダンスを踊れるようなツールって作れるんじゃないか、ということで始めたプロジェクトだけど、結局根本にあったのはフィジカルからの脱却でした。今、こうしてWithコロナ社会に生きる中でいかに物理的な身体性をバーチャル上で体現できるか、拡張できるかが鍵になってくるかもしれないですね。

まとめる

音楽にシンクロする圧倒的なビジュアル体験とソーシャルイベント性、そこに自身の身体性が加わる、今回の作品は今後できうる技術の方向性にとても近いものを感じています。今回紹介したのは完全バーチャルな内容でしたが、そのうち、もう少しフィジカルとバーチャルをつなぎ合わせたようなトピック(いま興味があること)を紹介できたらいいな〜と思ってます。

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