岩本尚也 | Naoya Iwamoto

メーカーでキャラクタに関する研究開発をしてます。アニメーションやデジタルヒューマンに興味があります。 https://iwanao731.github.io/

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最近の記事

新しいモノを追い求める自分と、古いモノが大好きな自分。矛盾との共存。

コンピュータグラフィックスのエンジニアであったり、研究者(?)という職業柄、常日頃新しい技術や論文を追わねばならない立場なのだけど、実は?大学で研究を始める前からずっと"古いモノ"が好きだった。 高校生の頃から古着屋を巡ったり、大学の頃はよく目黒通りでアンティーク家具巡りをしていた。なぜ古いものが好きなのか、当時あまり深く考えていなかったのだけれど、値段が安かったのはもちろん、それが誰とも被らない一点物であったり、その"出会い"によって自身の価値観が更新されるからなんだろう

    • 十年経っても愛されるタートルトーク! "心が動く"対話の仕組みを紐解く(後編)

      前編の記事では、タートル・トークを支える技術について考察してきました。後編では、タートル・トークを支える設計、最後にAIで"心が動く"対話を作るために必要な要素について考えていきます。 タートル・トークを支える設計タートル・トークには素晴らしい体験設計がなされています。クラッシュの世界観やアドリブ力、対話の演出、体験の構成。その一つ一つが見事に調和し、足を運びたくなる体験価値を生み出しています。以下では、クラッシュ役だった方の発言に基づいて設計を紐解いていこうと思います。

      • 十年経っても愛されるタートルトーク! "心が動く"対話の仕組みを紐解く(前編)

        皆さん、東京ディズニーシーの人気アトラクション「タートル・トーク」はご存じですか? 「タートル・トーク」は、2013年に東京ディズニーシーにできたアトラクションで、来場者がスクリーンに映し出されたウミガメのクラッシュとお話ができます。なぜ今頃と思うかもしれませんが、なんと今タートル・トークがSNS上で話題なんです。 昨今はChatGPTを始めとした大規模言語モデルの登場により、キャラクタの対話自動生成に関する取り組みが急激に増えてきていますが、そのいずれも人の心を動かすよ

        • タイムマシンについて考えてたら、AIアシスタントも悪くない気がしてきた。

          新作ドラマ『時をかけるな、恋人たち』が始まった。 このドラマは映画『サマータイムマシーンブルース』を手掛けた劇団ヨーロッパ企画の上田誠さんが脚本を手掛けている。ちなみに『サマータイムマシーンブルース』は"タイムマシーンに乗って壊れる前の(クーラーの)リモコンを取りに行く"という超脱力系のSFコメディなのだが、過去を変えたことで未来のつじつまが合わなくなる奇想天外な展開が魅力の作品で、私の大好きな映画の一つでもある。新作ドラマも"上田誠の手がけたタイムマシンもの"として期待大

          春到来!仮想試着システム、事始め。

          次第に暖かくなってきてそろそろ衣替えの季節ですね。外に出て服を買うのもいいですが、お家で仮装試着はいかがでしょう? 昨今のメタバースやNFTの流れもあり、バーチャルファッションに注目が集まりつつありますね。そんな背景もあり、ある商業施設に入っている各ブランドの商品を3D上で自由にコーディネートをしたいと相談を受け、最近までその案件をやっていました。通常各社ブランドは自身の世界観を崩さぬよう他のアイテムを取り入れたくないと思うので、ブランドの枠にとらわれずにコーディネートがで

          春到来!仮想試着システム、事始め。

          ダンスxテクノロジーのイベント「SIGDance」を振り返る

          先日、SIGDance Cyper Session vol.2というイベントが開催されました。SIGDanceというのはダンスとテクノロジーに関わる方々の交流の場として作られたコミュニティで、今回からそのコミュニティのイベント運営に関わっています。そのイベントがダンスとテクノロジーを考える上でヒントになりそうなことが多かったので、今回まとめてみようと思い、筆を執っています。 ちなみにSIGDanceのイベントは今回が2回目で、第1回は2018/12/11、第1.5回が201

          ダンスxテクノロジーのイベント「SIGDance」を振り返る

          ゲーム会社の未来が"いい意味で"恐ろしい

          先日、Unreal Engine5の動画が公開され、大きな話題となりました。以前の記事でも書いたのですが、ゲーム会社が他の業界に参加し始めたら恐いな、というのがより顕著になってきました。今回のnoteでは、なぜ恐いのか、これから何がどう変わるのかについて思考を巡らせてみようと思います。 なぜゲーム会社が恐いのかなぜ僕が恐いという表現をしたのかと言うと、(i) 物理的制約にとらわれない新たな体験価値を作り得ること、(ii) 今まで当たり前だった身体性を伴う移動やコミュニケーシ

          ゲーム会社の未来が"いい意味で"恐ろしい

          自作をすると、自信がつく。

          この前、Mステを観ていたら、小沢健二さんが自作の詩?を朗読していて、そうだよなぁ、と思ったのでシェアしたい。 僕も自作は結構好きで、自分のやっているコンピュータグラフィックスの研究分野の論文を追実装したり、それ以外にもベッドやテーブルなんかも自作しています。どんなのがいいかなぁ〜なんてショッピング感覚でPinterestで好きなデザインを探しては、それをどう作るか考えるわけです。自分の使い勝手に応じてサイズを変えたり、コストを抑えるために材料を変えたりしていくプロセスはとて

          自作をすると、自信がつく。

          「メイカーとしての心がけ」から考える。

          Maker Faireの時期がやってきましたね。今年は京都開催と思いきや、COVID-19の影響でオンライン開催になっている模様です。僕が昔お世話になったFablab仙台スタッフの大網さんが今回のMaker Faire Kyotoに関わってるようで、彼のイベント登壇情報を知り、そのYouTubeを観ていました。 余談ですが、僕は2014年から2015年にかけてデジタルファブリケーション関連のプロジェクトを個人的にやっていました。大学で研究していたコンピュータグラフィックスの

          「メイカーとしての心がけ」から考える。

          最近Volumetric Videoが気になる。

          昨年(2019)の11月くらいにARIZEというARイベントに参加して、Holotch(ホロッチ)の小池さんの講演を聞いてからVolumetric Video(VV)面白そうだな〜と思ってずっと調べてきた内容をまとめたりしました。まさかのWithコロナというタイミングも相まって、VVの機運は高まりつつあります。 その時は、複数台のKinectで対象物を囲んでキャプチャすれば360度のメッシュが取得できてホログラムっぽい事ができるくらいにしか思ってなかったのですが、その後8i

          最近Volumetric Videoが気になる。

          新しいライブ体験を目撃した。

          先週の日曜日(2020.04.26)の朝、起きてTwitterに目をやるとすごい映像が飛び込んできて、これからのライブエンターテイメント変わっていくな、と核心に変わった瞬間があったので、思考の整理も含めてシェアしたいと思う。 Travis ScottがForniteと呼ばれるオンラインゲーム上でライブパフォーマンスを行った時のユーザー動画。 参加したいと思わせる映像体験映像を見て分かる通り、ユーザーは中央に写るキャラクタを操作しながら、自由にバーチャル空間を移動し、巨大化

          新しいライブ体験を目撃した。

          Voxel meets colors

          Voxel meets colors. The world became bright. However we never stop longing a scenery made of atoms. --------- Can you see my screen? Can you hear me? 最近増えた常套句です。 モノを作る過程で心躍る結果に出会うことがあります。「道端に咲く一輪の花」とでも言いましょうか。そんな一輪の花も束ねれば艶やかな花束になり、誰か

          写真と共に振り返る、緩み始めた体を3ヶ月で絞った話。(-7.7 Kg減)

          今まで身近な人にしか言ってこなかったのですが、今年に入ってパーソナルジムに通い始めて、昨日までのおよそ三ヶ月で目標の体重68Kg(開始当初は75.7Kg)を達成したので、その歩みをnoteに書くことにしました! (なお、ここ一ヶ月はジムをお休みして自宅トレーニングに切り替えていて、その内容も後半に少し書いてます。) ※恥ずかしいのでbefore、afterみたいな写真は掲載していません笑 思い立った背景 20代後半以降じわじわと体重が増え始め、昨年末遂にピークに達しました。

          写真と共に振り返る、緩み始めた体を3ヶ月で絞った話。(-7.7 Kg減)

          2020年の抱負。

          はじめに遅くなりましたが、2020年あけましておめでとうございます。一年に一度くらいのペースでnoteを書いています。新年になるとなんだか色んなことをやりたくなるし、そういった気持ちは頻繁には来ないので、積極的に色んなことをやっていきたい気持ちになる。 昨年の振り返り2018年から2019年にかけてはデジハリで毎日忙しなく、その反動か、卒業後は何もする気が起きなくなってしまった。少しだけ健康に目覚め、平日の朝や休日にプールへ行ったりしながら毎日を過ごしたりしていた。(その頃

          いろんな「はじめまして」がある話

          けっこう前にスクールで知り合ったジャニオタ女子大生から聞いた,いろんな「はじめまして」がある話が個人的に気に入っていて,みんなにも聞いてほしいなぁと思って久々にnoteに書いています. ちなみにスクールというのは,2018年4月から通っているデジタルハリウッド(通称デジハリ)のことで,そこで僕は本科CG/VFXとUI/UXDという2つのコースをとっています.今回聞いた話はCG/VFXに通う同じクラスの女子大生の話です. 遡ること2018年7月,入学してから三ヶ月が経ち,三

          いろんな「はじめまして」がある話

          初めての国際映画祭で気付いた豊かさについて (ベルリン)

          2015年2月、ちょうど一年前、僕はベルリンにいた。三週間ほどの滞在は一種の仕事のようなものであったけれど、会社に属していない僕に与えられた自由はとても多く、要は自分のやりたいことを思う存分やってこい、といったようなものだった。 僕はそこで過ごしたベルリンの街並み、空気、生活がどうしても忘れられず、今ここに当時の思い出を記している。 書き始めたら長くなりそうだったので、今回はベルリン国際映画祭について触れてみようと思う。 僕がベルリンに滞在していた時期は、ちょうどベルリ

          初めての国際映画祭で気付いた豊かさについて (ベルリン)