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誕生日の奇跡?!そんなわけなかった②

 休み明け仕事に行き、昼休み、仲の良い同僚にも検査薬の件を伝えた。
その同僚は二人の子供がいるので、自身も妊娠初期に貧血で倒れそうになったことがあると体験談を話してくれた。

ふわふわした気持ちで仕事をこなし帰宅した。
最寄駅のスーパーでは、いろんな種類のノンアルコール酎ハイを購入した。
一年間禁酒か〜と思いながらもどこか誇らしい気分だった。

異変が起こったのは翌日の朝だった。生理予定日から5日目。
寝起きから違和感があった。ズーンと重い。トイレに行くとポタポタと血が数滴水面に落ちた。妊娠してからも軽い出血をする人もいると聞いたのでそれかなと思った。妊娠検査薬をしてみると真っ白になっていた。
その後は夕方にかけて出血は増えていき、通常の生理になったようだった。

 私はその時必死で情報を探して初めて「化学流産」という言葉を知った。
受精卵はできてhcgはではじめたものの、多くは受精卵の染色体の異常で着床しなかった現象をいうらしい。
早すぎる妊娠検査薬のチェックのせいで本来気付かなかった「化学流産」に気付いてしまうとのことだ。
若く健康な夫婦でも30%から40%の頻度で化学流産は起こるらしい。
そんなの保健体育で教えといてほしかった。子供持つ友人からは化学流産や流産に関する話は聞いたことがなかったが、そういえばいつもみんなが報告するのは安定期とやらに入ってからだったなぁと思った。
勢いで通常の流産の確率なども一気に調べて、妊娠して出産までたどり着くことがどれほど難しいことか知り、気が遠くなった。
あくまでも私の意見だが高校の保健体育の必須項目に妊娠の可能性や流産確率等を入れるべきだと私は強く思う。知識として知っておくのは本当に大事だと思う。

ベッドに横になって泣いた。
天国から地獄に落ちた気分だった。妊娠検査薬が陽性になりさえすれば子供を必ず産むことができると思い込んでいた自分を恨んだ。
夫には仕事から帰ってきたタイミングで報告した。いくつか質問をされた気がするが覚えていない。今は放っておいておいて欲しいと伝えて喪失感の中に落ちていった。母にはLINEでダメだったとだけ報告した。
すぐに電話があり、何かの間違いじゃないか、一度病院に行ってみたらどうかなどと焦っていたが私は「化学流産だってば!インターネットで調べて!」と逆ギレして電話を切った。

家族と友人二名に報告した自分が滑稽に感じられた。

もし次妊娠することがあれば絶対に安定期まで周りに言わないと固く心に決めた。



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