日本は女性にとって発展途上国なのか。
144カ国中、114位。
これは世界の中でのある日本の順位です!いったい何だと思いますかー??
などと小学校の授業で聞いてくれる先生、誰かいないかな。
この記事を読む皆さまはお分かりだろうか。
これは2017年の世界経済フォーラムが発表した日本のジェンダーギャップ指数の順位である。ジェンダーギャップとはざっくり性別間の不平等の差(gap)であり、イコール女性差別度指数という訳ではない。
(しかし主に是正されるべき不平等を被る側として議論されているのは女性の側である。今回この記事では日本で女性が被る不平等の問題にフォーカスしようと思う。)
(ジェンダーギャップ114位の理由を考察した記事はこちら↑)
#1 :日本を114位にしているもの。
さて話は戻る。
ジェンダーギャップ指数114位の日本。
それにしても我が祖国、低い....異様に低すぎる。
女児を含む女性への深刻なレイプ事件でNews◯eekに毎週のようにすっぱ抜かれているインドの順位と間違えられている...とかではもちろんない(というかそのインドは108位だ。...え?インド以下!?マジで??)。
では具体的に何の要素がそんなに深刻な性差を出しているというのか。
ハフィントンポストによると経済参画、政治参画の面で女性の達成度が著しく低いということだった。要素で見たらつまりこれなのだ(小学校で社会のテスト用に何度も漢字を練習して覚えた”男女雇用機会均等法&男女参画社会基本法”は機能していないのか?)。
だが上の2つはジェンダーギャップの問題を一般化して考えたうちの氷山の一角にすぎないだろう。アイスバーグモデルという問題考察の考え方があるが、言いたいのは経済参画&政治参画の低さは表面化されている数パーセントで、その根源は日本人1人1人に刷り込まれた男女の捉え方であり意識の部分で根深いということだ。
#2 :そもそも男女差別に関して意識の低い日本人
海外在住者として日本を客観視すると、日本にはこうあるべきという理想の男女像が空気のように浸透していると思う。子供の頃から親や周囲の価値観を通じてその空気を吸っている。私も中学生まではそうだった(このような空気は海外にもあるがジェンダー問題が積極的に議論されている分、日本よりはユルい)。
これの何が問題かというと、こうした空気感の日本で数年生活することで、子供から大人まで”何が男女差別なのか”について鈍くなってくる点だ。
大学の仲のいい知人で北京育ちの日中ミックスの女の子がいるが、彼女曰く
「日本の女性は”それ性差別じゃない?”っていう場面があっても女性自身がそれに気づかないくらいにぶい」らしい。
そんなはたから見たら男女差別センサーのにぶい日本人女性が「生きづらい」なんて言ったとしたら、それってもう末期に近いんじゃないだろうか。
ちょっと遠回しな例えだが、獣医学部の友達曰く鳥類は動物の中でも痛みを表現しない部類なので、もし鳥が痛がってるように見えたら死ぬ可能性を考えていいレベルだそうな。(←文脈をそのままに言い換えると:日本の女性は男女差別を認識&主張しない部類なので、もし日本人女性が”性差別で生きづらい”って言ったらそれはまじでヤバイレベル。トリアージ赤。)
Twitterでは性別からくる生きづらさを語り、発信する女性が何人もいるだろう。
しかしそれはいぜん小さな声の集まりであり、社会には無視されている(いや、日本死ねのツイートは育児のサポートが整わない中でキャリアを諦めなければならないという怒りが衆議院をビンタするくらいにはパワフルだったか。だがそれくらいじゃないだろうか。#MeTooはちょっとしたムーブメントだったが、セクハラやレイプといった犯罪でカテゴリーが少し違う。)
#3 :男女の”こうあるべき”圧が強い国、ニッポン。
上に述べたように男女差別についての意識の低さに一石投じるものとして、去年出てきた声の1つがこの記事の冒頭にリンクされるポーラのcmに込められていると思う。「この国は女性にとって発展途上国だ、かつての常識がしがらみになっている(cm内一部引用)」という言葉だ。
(↑2つ目のCM。「この国には幻の女性が住んでいる(cm内一部引用)」というフレーズが耳に残る。)
この国は”女性にとって発展途上国だ”とか、”この国には幻の女性が住んでいる”といった刺激的なフレーズは、例えば日々心の中でうっすらそう感じていたが我慢して生きていた女性社会人 & そんな人の気持ちなど微塵も想像したことなく平和に生きいた若手男性社会人〜おじさん達の一部を大いに揺さぶった。
案の定、賛否両論の意見が巻き起こったようだ。
このような反響と制作に関わった方々の思いを Business Insider が取材し、まとめているものがある。
第1弾CMは「ハッとした」「これが現実」という共感から、「じゃあ海外行けば」という反発まで、ネットを中心に盛り上がった(Business Insider記事一部引用)。
ポーラCMが描いた日本女性のしがらみとはなんだろうか。
(この前の東京医大の女子減点に代表される)限られた機会。
女性に重い妊娠出産の負担。
セクハラ、年齢ハラスメント(24歳の女性をクリスマスケーキと呼ぶなど)。
全部ではないが、これらを連想させるシーンが盛り込まれている。
では何がそういった視点を産むのか。1つは、日本人の大人から子供へ綿々と刷り込まれてきた過去の社会の慣習であり、男性を優遇してきた時代の名残だと思う。
ネットではこうしたことを語り出すと、欧米の男女平等思想を環境の違う日本に当てはめるな。やら、別に今の社会それでもなんとか回ってるんだから余計な水差さないで。みたいな論調のバチバチした空気を感じる(※あくまで個人の感想です。)
けれどこのCMにこれほど賛否両論が湧き多くの人が反応したということはみんなうっすら感じ取っているのだ。(ここからは少し広く“性差別”の視点になる)
日本人の心には幻の女性が住んでいる(もちろん幻の男性も住んでいる)。
男に都合よくなければ(女には奢らなければ)、
若くなければ(学歴・収入がなければ)、
スタイルがよくなければ(身長が高くなければ)
子供を自分より優先させなければ(家族のために稼がなければ)、
「「周りから認めてもらえないかも。」」
#おわりに :日本の何が幻の女性を生んだのか。
最後にポーラCMで描かれた女性を縛るものの出どころについて、考えて終わろうと思う。いろいろ頭をひねってはみたが、それより先にBiz-journalで納得感のある意見を見つけたので下に載せる。
ここで重要なのは、「日本社会は積極的に女性を差別しようとしているのではない。あまり考えずに慣習として男性を優遇していたところ、男女平等度で後進国となった」という点です。男性は女性を滅多打ちにしたい悪魔ではありません。また、女性も「女がそんなにがんばったって」と言って差別を助長することはままあります。
(ニュースサイトで読む: https://biz-journal.jp/2018/01/post_22161_2.html
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「あまり考えずに慣習として男性を優遇していたところ、男女平等度で後進国となった」という点です。
.............。
「あまり考えずに慣習として男性を優遇していたところ、男女平等度で後進国となった」という点です。(※大事なラインなので2回貼りました。)
うん...もしかしたらこれかな。
てか、これじゃね?
少し前でも述べたが、日本は客観的に見て男女差別に関する意識が低い。
だから積極的に女性を差別しようというインセンティブはなく、あったのは
「正直男女どっちでもいいけど、うーんなんかのために優先して無難なのは男性かなぁ。」
といった、あまり考えのない男性優遇の意識だろう。
そしてその積み重ねが優遇される側、差別される側にプレッシャーを生んできた。そして世代を経て幻の女性・男性になった。
あくまで仮説にすぎないが、皆さまはどう感じるだろうか。
自分の場合、上のような見方もあるかもしれないと感じた今
もはや自分の中に幻の女性・男性を飼い続けるのはバカらしいし、それらを気にするのもバカらしい。(もちろんこんなくだらない意識の積み重ねがジェンダーギャップ指数114位という形で仮に表れているとしたら残念だ。)
最後にこの記事のタイトル、「日本は女性にとって発展途上国なのか」について。途上国かそうでないかというと、途上国だと思う。
ただしそれは周りの意見に左右され、プレッシャーを感じるかで変わってくるだろう。
.........いかがでしたでしょうか。
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ぜひご意見をコメント欄で教えてください。
では!
(追記↓男女平等の意識について、より詳細を知りたい方はこちら。)
(↓男性視点の記事のおすすめはこちら。)