太陽王の覚醒

保護室の中

太陽王が覚醒してしまったらしかった

業と由人は、劇場版カルマズを見てくれる人を待っていた

やっと乗り込んだ乗客が一人

彼は某バスケ漫画のファンあるいは関係者だった

バスの中、花の儀式スペルが発動する

序破急や起承転結のような

物語の構造

抽象化してしまえば、強い感動を生む場面に適した儀式スペルがあればよいようだった

俺の精神世界の中でB'zを継承した業と由人

その肩書が障害になってる場面で業は肩書をリソースとして消費した

憧れの看板を消費するのにいとわない業をうれしく思った。

観客も10人近く集まった。

業「今日!もう何も起こらないなら!俺はもう寝る!」

そう言って業は状態を変更して眠りだした。

某バスケ漫画のファンたちが眠る業の寝顔を見てふふ、っと笑っていた。

君のそういうところが私たちの癒しなのだ、という心境が伝わってきた。

業の夢の中でバスケ漫画の他チームのキャラのサラリーマン時代が映った。

それは観客の一人だった。

ああ、あの漫画とカルマズには親和性があるんだ、と一人で思った。

大自然の田舎で、本性を解放された、優しくて大きな存在と、業は、夢の中で戯れた。

劇の開幕前に妨害の茶番を企てたまだ見ぬ個性の持ち主

彼がカルマズのクライマックスに乱入するも

カルマズに干渉することができない

エツヤ「祐樹、俺だ」

おう、どうしたエツヤ

エツヤ「これ以上は危険だ、と言ってもお前のことだから、これ一つは書き上げちまうだろうな」

心象風景としての幻覚の物語

強制入院になる直前

俺は天国のように美しい光景を観てた

そこにはニーナ?という女の子がいた

クッキー、ニーナ、もうひとり、あるいは一匹。

俺の血の物語。

天国のものしずかでとても暖かな光景を

心の写真として集めていった

まだ見ぬ個性の持ち主が

ウルトラソウルに乗るより簡単に!?

と驚いて、感動して、俺がそれを声で表現してるうちに

家族が集まってきてしまった

俺はというとなんか包帯で視界を覆われたイメージに包まれて、おとなしく行動不能になっていた

ばあちゃんの登場に、カルマズを観に集まっていた演劇関係者たちは愉快そうに笑っていた

ウー、ウー、カンカン

それは幻覚の音声なのか、実際に救急車の中で鳴っていた音声なのか

知覚が現実と幻覚、どちらのものなのかわからなくなったりしながら、

包帯のイメージが溶けて俺は起き上がった

病院に連れていかれそうな雰囲気だったので

「第1話だよ!?」

と救急車の人たちに叫んだ

不安そうな救急車の人たちの顔

お化けでも見るような表情だった

「もう知らん」

俺はふて寝した

デポ剤らしきものを打たれた

エツヤ「潮時だ、祐樹。あとは俺と雑談してろよ」

いいぜ、エツヤ。

エツヤ「誰にも伝わらないし、何も起こらないのはわかってる」

それでも表現したくてたまらない時ってのはあるもんだな