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『GIファザーをお探しですか?』活動記録 case01-02(全文無料)
これまでのcase01の活動記録はこちら。
>> case01-01
5月に依頼を受けてから、7月までの進捗を記す。
まずは、わかり易くするために登場人物を挙げておく。
Aさん:依頼者。米国在住の米国人女性。異母兄たちを探している。
Bさん:Aさんの友人である米国在住日本人。Aさんの思いを知り、わたしのサイト『GIファザーをお探しですか?』に行き着いて、連絡をくださった。
Hさん:Aさんの父親。故人。元米軍人。第二次大戦後の占領期に日本に駐留し、日本人女性Y子さんと同棲、二人の男児をもうけるもY子さんが子供たちと共に失踪(理由は不明)。探したが見つからず、軍の転勤命令により日本を離れてそれきりに。後に結婚し、Aさんをもうける。晩年まで、日本に残してきたY子さんや子供たちを思っていた。
Y子さん:Hさんと同棲していた日本人女性。フルネームの読みはわかっているが、漢字は不明。
HさんとY子さんの息子二人:GIベビーとして日本で生まれるも、母Y子さんと共に行方不明。名前は不明。
Hさんは生前、娘のAさんにY子さんと息子たちの存在については明かしていたが、それ以外の詳細な情報は何も話していなかったらしい。遺品の中にあった当時のHさんの生命保険証書に、Y子さんの氏名が英語表記で書かれていた。他に、日本の銀行名と東京都荒川区の住所が記載されていた。
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2024年5月
荒川区の図書館に問い合わせ
当時の住宅地図がないか電話で尋ねるも、そこまで古いものはないとの回答。
郷土史家に問い合わせ
区役所のサイトに掲載されていた郷土史研究グループの、代表者へ電話してみた。
米兵と日本人女性と子供2人という家は、基地の街でもない荒川区では目立ったのではないかと考え、そういう家族がいた記憶を持つ人がいないかと、一か八かの問い合わせだった。
電話口に出られたのは、終戦時に荒川区の小学生だった女性。答えは、
「当時は銀座に米兵相手のお店がたくさんあり、そこで働く女性が荒川区にも大勢住んでいて、米兵と暮らしている人も少なくなかった。子供がいたカップルも珍しくなかったから、それだけで探すのは無理でしょう」
というものだった。
2024年6月
児童養護施設へ問い合わせ
Y子さんが息子たちを連れてHさんの元を去ったあと、どこへ行き、どう暮らしたのかは、想像するしかない。
当時女性が一人で子供二人を育てるのは難しかったであろう。
米兵との子供を連れたまま、実家へ戻ることは困難だったであろう。
以上の想像から、子供たちは施設に預けられたのではないかと予想した。もし預けられていれば、名字と二人兄弟であることから、特定できる可能性は高い。
Bさんも同じ考えで、わたしに問い合わせる以前にエリザベス・サンダース・ホームへ問い合わせていた。しかし、回答は得られず。
わたしも、拙著『母をさがす——GIベビー、ベルさんの戦後』の執筆時にお世話になった、聖母愛児園に問い合わせてみた。名簿を調べていただいたが、残念ながら該当者はいなかった。
上記2つは日本でも突出して多くのGIベビーを預かっていた施設だが、他にも日本全国に無数の混血児を含む孤児収容施設があった。すでに閉じたものもあるだろう。それをしらみつぶしに当たっていくのは途方もないことのような気がするので、施設への問い合わせはこれでいったんやめることに。
区役所へ問い合わせ
電話にて、状況を説明してY子さんの戸籍謄本や住民票を当たる方法はないか尋ねる。
そうした証明書類が親族でなければ取り寄せられないものであることはわかっているし、AさんがGIベビー兄弟の肉親であることを証明する術がないことも承知の上で、何か手立てがないか知恵を借りたかったのだが、徒労に終わった。
無理を言っているのはこちらなので、しかたない。ベルさんの調査のときに関わった市役所や区役所の方たちが、皆人情深く対応してくださったものだから、つい甘い考えを持ってしまった。
2024年7月
荒川区の図書館へ
5月の電話問い合わせで「ない」と言われたが、一番古い地図だけでも見れればと、図書館へ行く。
「戦時中、米軍からの空爆に利用され兼ねないという理由で、住宅地図は破棄されてしまったらしいんです」
そう言って出してくださった住宅地図は、戦後だいぶたってからのものだった。把握している住所の近くに、Hさんの生命保険の証書にあった銀行の駐車場があった。銀行も少し離れたところにある。証書に書かれた住所はY子さんの住まいではなく、単に銀行の住所なのか? 証書を確認できないので、よくわからない。
わたしはBさんとやりとりをしており、Aさんとは接触していない。Aさんが調査を大っぴらにすることを望んでいないこともあり、そのお気持ちはよくわかるので、こちらからあれこれ要求することもしていない。出してくださった材料だけで、調査を進める方針だ。
老舗店へ問い合わせ
図書館で出してもらった古い住宅地図と、現在のグーグルマップを突き合わせてみると、Y子さんが住んでいたと思われる住所の近辺に今でも営業しているお店が数軒あった。ネットで調べてみると、そのうち少なくとも2軒は、戦前から続く老舗だった。もしかしたら、当時の近所のことを覚えている方がいるかもしれない。
その2店舗へ、手紙を書いた。いまだ返信はない。
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