司馬台長城ふもとの水の街で癒される~北京・古北水鎮~
北京の司馬台長城ふもとの、古北水鎮。
ほとんどの日本人には聞いたことのない観光地でしょう。
日本人どころか中国人にもあまり知られていない、知る人ぞ知る名所、それが古北水鎮です。
私は無類の中国旅マニアなので、司馬台長城は高校の頃からの憧れでした。
上海で働いていた2021年、ついに司馬台長城を訪れることができました。
私は中国人も驚くほど長城が好きなのですが、普通の人は長城と聞いても、惹かれる人はそれほど多くはないと思います。
それでも、司馬台長城のふもとの古北水鎮(グーベイシュイジェン)は、中国や長城に特に興味のない人でもキュンとする要素のつまったスポットだと思います。
古北水鎮は、北京市内からバスで2~3時間の山奥にあります。
街は石造りや木造の建物でできていて、200~300年前にタイムスリップした感覚になります。
水路があり、水の流れる音に癒されます。
街の中には昔ながらの造りの民宿が多くあり、女子がときめくような可愛らしいお部屋になっています。
私が宿泊した「鏢局客桟」も素敵なたたずまいで、お部屋のバルコニーからは司馬台長城を見ることができました。
民宿の前には水路が流れ、散策もしやすい場所でした。
受付は年配の女性で、とてもアットホームな雰囲気です。
鏢局跡地がある。
鏢局(ひょうきょく)とは、昔物資や金銀などの運送を担っていた組織です。
昔は盗賊も多かったので、鏢局から派遣される鏢師たちは皆、武芸達者でなければいけません。
跡地には、彼らが日々鍛錬に励んでいた鍛錬場も再現されていました。
昔風の衣装を着て撮影してもらえる
漢服のコスプレは、中国の若者の間で流行っています。
古代ドラマで美男美女が漢服を着て華やかに戦う姿はカッコいい。
私も初めて漢服に挑戦しました。
カメラマンはけっこう厳しくて、
「なんか朝ご飯食べてないような顔してるよ!」
「ビシッとして!!あなたは今女侠(女戦士)なのよ!!」
などと容赦なく言ってきます。
私、一応客なんですけど…。
でも厳しい指導のおかげで、素敵な写真が撮れました。
司馬台長城は圧巻のスケール
古北水鎮の端に司馬台長城の登り口があります。
上りは1時間半くらいで、急な道を上ります。
長城の階段は想像以上に急で、高いところが好きな私でも足がすくむほどでした。
上っていった先には息をのむ絶景が。
遠くの山々まで、延々と続く長城。
中国という国の広大さと歴史の深淵を感じさせられます。
自分の日ごろの悩みなんてなんてちっぽけなんだろう、と思うようなスケールです。
ロープウェイがあるので、自分の体力に合わせて選べます。
私は帰りはロープウェイで下りました。
歩き疲れたら温泉でゆっくり
古北水鎮には温泉施設が多くあります。
中国の温泉では通常、水着を着用して入りますが、ここには日本式の温泉「いこいの湯」もあり、日本のように何もつけず入れました。
日本人にはとってもありがたいです。
温泉の後にマッサージを受けて、長城に上って疲れた足をほぐしてもらいました。
長城は日没後も登ることができます。
ライトアップされ、とても幻想的な雰囲気。カップルには特におすすめです。
古北水鎮は昔ながらの街がそのまま保存されてきたわけではなく、観光区として整備された街ではありますが、昔の街を基礎にして再建されていてとても雰囲気があります。
私は中国のさまざまな古鎮(伝統的な造りの街)を旅してきましたが、この古北水鎮はそれまでにない感動を与えてくれました。