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坂東玉三郎 初春特別舞踊公演

劇場に来られた時だけは楽しい時間を過ごして欲しいと言う玉三郎さんの心遣い溢れた舞踊公演。中でも最初の口上にお客を楽しませるのだと言う気持ちが溢れている。
八月から再開した歌舞伎座でも一人で工夫した口上を述べ客席を楽しませた玉三郎さん。松竹座では何をお見せしようと考えて、玉三郎さんが誂えた豪華な打掛を見せながらの口上を思いついたと言う。
久しぶりに行った松竹座の客席は一つ空けて千鳥になる観やすい席で今回は花道がない。松竹座で花道がないのは初めて見た。
こんなに静かな松竹座も初めて。開幕前はシーンと静まりかえり身の引き締まる思い。

幕が開き玉三郎さんは高音で華やぎと元気を届ける様なご挨拶からスタート。
今回の口上を思いついた経過など説明の後、舞台は一瞬暗くなり明るくなると下手衣文掛けに背中に伊勢海老が目立つ正月の揚巻の豪華な打掛が飾られ、あの打掛の成り立ちなど説明。
2枚目の打掛からは玉三郎さん自身がはおり二張の琴の音色に合わせ、まず上手で背を見せながらのポージング。次は下手で、再婚は正面にてしっかりと打掛の背をしっかりとみせる。さながら打掛ファッションショー、生きる美術品となる玉三郎さん。

 順序は別にして揚巻二枚、吉田屋一枚、天守物語二枚と豪華、ゴージャス、芸術品としかおもえぬ打掛を惜しげもなく舞台で羽織る歌舞伎って凄い。一年かけて刺繍を施した吉田屋の打掛はもう2度とあつらえることは出来ないだろう。これらを誂えた玉三郎さんの女形としての姿勢に魂を揺さぶられる思い。当代きっての立女形坂東玉三郎しか為し得ない口上に圧倒された。
今日から東京やその近県は緊急事態宣言。松竹座での舞踊公演を決行してくれた玉三郎さんの心意気に感謝
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