【ミクロ経済学】長期では生産者の利潤はゼロ?
なぜ長期均衡では利潤はゼロに?
おはようございます(絶起)、爆死まるです。偏頭痛がすごい。
今日はミクロ経済学・企業行動理論の「長期におけるゼロ利潤」について考えていきましょう。
「長期均衡では生産者の利潤はゼロとなる」。この文言は多くミクロ経済学初学者の頭に?を浮かばせたでしょう。現実の企業は利潤をしっかりと得ていますし、なんなら現代日本では長い間、企業の貯蓄過剰が問題視されてていたりもします。利潤がゼロならなぜ企業は労働者にお給料を払えたり、生産のための設備や機械を維持・整備できたりするのでしょうか?
利潤と機会費用
この「ミクロ経済学の利潤」と「現実の(会計上の)利潤」の違いには、「機会費用」の有無が関わっています。
では機会費用とは何でしょうか?
アメリカの経済学者Gregory Mankiwが提唱した「経済学の10大原則」の2つ目に次のようなものがあります。
・あるものの費用はそれを得るために放棄したものの価値である
これこそ機会費用です。機会費用とは、意志決定において、あるものを得るために手放した行動の最大価値のことなのです。
ミクロ経済学の利潤は、
ミクロ経済学の利潤=会計での利潤-機会費用
となります。
これを踏まえたうえで「長期均衡のゼロ利潤」について考えてみましょう。この「ゼロ利潤」はもちろん「ミクロ経済学の利潤」です。すると、ゼロ利潤では上の式は、
会計での利潤=機会費用
となります。企業は長期において、機会費用分の利潤を現実に計上しているということを示します。企業は様々な意思決定を繰り返し、機会費用分の利潤、つまり別の選択をしていたら得ていたであろう最大の利潤を手にしているということです。長期でのゼロ利潤は企業が合理的行動に基づいて利潤を追求した好ましい結果といえるでしょう。
せっかくMankiw先生が登場されたので先生のブログのとある面白い記事を貼っておきます。どうやら先生のファンの方が「経済学の10大原則」をECONOMICSの文字であいうえお作文風にしたようです。
http://gregmankiw.blogspot.com/2010/01/economics.html
マンキューミクロ経済学です。古いのなら大学図書館においてあるかもです。ボクも試験対策のために借りてました。
ちょこっと脱線…
さて、長期均衡の利潤がゼロとなることを説明するために必要な仮定に、「各企業は(コストをかけずに)市場への参加・退出の自由を有する」というものがあったはず。ミクロ経済学において、正の利潤が発生している市場には、新規参入が起こり、やがて利潤ゼロになります。逆に利潤が負である場合には市場退出が起こり、こちらもやがて利潤ゼロになると考えられています。均衡の利潤が正であるときは、市場内の企業は機会費用以上の利潤を、現実で得ているということになりますから、別の企業がそのドデカい利潤を狙って市場に新規参入するインセンティブは大いにあるんじゃないかな?
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あ、見出し画像のマルクスはこの分野関係ないです…。
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