中学受験の文章問題は、思い描く力と考える力を磨く
こんにちは、学びスタジオ®︎東大阪瓢箪山教室の奧川えつひろです。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
今日は、中学受験の文章問題について書きます。
中学受験の算数の文章問題は、
難問であり、
良問です。
❤︎算数の長文問題を”図” で表すことで、考える力が身につく
そして、
算数の文章問題に関連した図を
丁寧に描けるようになると、
問題もきちんと考えることが
できるようになります。
問題を3問見ていきたいと思います。
❤︎問題❶平均の問題
A町からB町まで時速6㎞の速さで歩き、同じ道を通ってA町まで時速4㎞の速さで歩いて帰りました。
往復の平均時速は、何㎞になりますか?
この問題を、(6+4)÷2と式を書いて、
平均時速は5㎞ではありません。
❤︎問題❶を考える
①時速と平均時速の違いは?
②A町からB町までの距離を仮に決めてもいいのかな?
③距離を何に決めても同じ答えが出てくるのは、なぜ?
❤︎問題❷速さの問題
歩く速さの違う人が、同じ場所から、時間を変えて出発する問題があります。
例えばAさんは1分間に50m進み、Bさんが70m進むとしましょう。
そしてAさんが出発してから2分後に、Bさんが追いかけたとします。
これは図を正しく描くことができれば解けます。
❤︎問題❷の考える
①BさんはAさんに、1分間に何mずつ近づいているのか?
②では、1分間に20mずつ近づいていくのはなぜか?
③100÷20=5、この式はどういう意味があるのかな?
❤︎問題❸川の流れを考える問題
7.5㎞はなれた川下のA町と川上のB町の間を、船が行き来しています。
今、両町から、2せきの船が同時に出発しました。
2せきの船の静水での速さはいずれも分速250mで、この川の流れの速さは分速50mとします。
B町からA町へむかっていた下りの船が、B町を出発してから20分後浮き輪を落としたことに気づき、その浮き輪を拾いに戻ったため2せきの船は同時に両町に着きました。
下りの船が浮き輪を落としたのは、B町から何㎞地点でしたか。
これは長文です。
一文ずつを図に描いていきます。
❤︎問題❸の考え方
①浮き輪を落とした地点をC、それに気づいた地点をD、浮き輪を拾った地点をEとする。
7500m÷200m/分=37.5分(上りの船がAB間にかかった時間)
7500m÷300m/分=25分(下りの船がAB間にかかる時間)
37.5分-25分=12.5分(下りの船がDE間の往復に要した時間)
②DE間の上りと下りにかかる時間の比は、上りと下りの速さの比の逆比になるので、DE間:ED間=3:2
12.5分÷5×3=7.5分(下りの船がDE間を上るのにかかった時間)
③下りの船が、浮き輪を落としたことに気づかずCからDまで下り続けた時間と、気づいてから浮き輪の所まで戻るのにかかる時間は等しいので、下りの船がCD間の下りにかかった時間は、7.5分である。
20分-7.5分=12.5分(下りの船がBC間にかかった時間)
よって、BC=300m/分×12.5分=3.75km
❤︎問題❸を考える
.
①同じ距離にかかる時間の比と速さの比が、逆比になるのはなぜ?
②CD間の下りとDE間の上りにかかった時間が等しくなるのはなぜ?
長文問題でも、一文ずつ、その内容を図に表していくことが考えるスタートになります。描いていくうちに、この問題なら浮き輪を取りに戻るところを、どのように表せばよいかを考えるはず、考える訓練になるのです。
❤︎正解を導くまでの“過程”そのものが大切
長文の文章問題ほど、
考える訓練には適していることになります。
ややこしい問題文を読んで、
まずどういう状況になっているのかを図に示します。
状況が理解できれば、
次は何が問われているのかに注目します。
最初に描いた図で良いのかどうかを考えます。
このプロセスそのものが考える訓練になります。
その時、
正確に図を描くことだけは徹底します。
緻密に考えるためには、
細部をゆるがせにしないことが必要です。
❤︎まとめ。中学受験の文章問題は、思い描く力と考える力を磨く
中学受験の算数の問題は、
問題を図に正確にイメージし、
自分の持っている算数の知識をフル活用しながら考える力を育て、
深い思考力を身につけることができるようになります。
そして、
この深い思考力は、
中学受験の対策だけでなく、
中学・高校の学習の深い理解につながり、
大学受験にも大きな力を発揮していきます!
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