アラ古希ジイさんの人生、みんな夢の中 アオハル編⑤ 水泳大会ルール違反事件
小学5年になった少年Eは、新たに入ることになったクラブ活動に、体育クラブと飼育部を選び、授業の体育の延長のような活動や、小鳥やニワトリ、ウサギのエサやりや小屋の掃除を、交代で担当した。違うクラスの生徒との交流で、やがて好きな女の子が出来たが、その話は別の機会に詳しくお話する。
最上級生(6年)になると、小学校代表として色々なスポーツ大会が始まり、春はポートボール大会があった。ポートボールは、バスケットボールのリング(ネット)の代わりに、ゴール係がボールを取ることが得点となり、相手(ガード)がその前に立ってブロックするのであった。少年Eは長身とジャンプ力を生かして、ガードをやり、チームの市内大会優勝に貢献した。新任の体育の先生は、緊張する小学生に、「お前ら、キンタマ、コチコチなっているだろ?」と言って、笑わせた。少年らは皆、股間に手をやり、揉みほぐした。
夏には、水泳大会に備え、選手に選ばれた者たちが、毎日放課後、屋外プールで練習した。ほどよく冷たい水が気持ち良かった。少年Eは50m平泳ぎに出場した。見事1着でゴールしたが、25mのターンの時、両手でなく片手でターンしたことで、失格となった。今まで、1回もそのように指導されたことがなかったということで、関係者が話し合ってくれ、特別に地区大会出場出来ることになった。少年Eは、失意のち喜んだが、地区大会の前日に風邪をひき熱を出して、出場できなかった。
秋には、住んでいる地区(通学斑)対抗の、ソフトボール大会が行われた。少年Eに住む地区は、駅前の「西通りチーム」だった。勿論、みんなユニフォームなどなく、学校の体操服でもなく、普段着で出ていた。少年Eは4番レフト、他のメンバーも好守好打、チームワークも良く、見事小学校内の大会で優勝した。
どれも県大会まで勝ち残りとかなく、せいぜい地区大会どまりだったが、いろんなスポーツが出来、それで十分だった。
また、小学校には、健康優良児といって、体格や運動能力等に優れた児童の表彰があり、少年Eは小学校代表だった。保健室の先生は、今も昔も、子供に人気があったが、健康優良児のパンツ1丁の写真を、保健室の榊原先生が皆に見せたたため、パンツ姿をみんな笑った。
そんなのどかな、いい時代だった。
今回の一首
泳ぎ来てプールサイドをつかまへたる 輝く腕に思想などいらぬ
松平 盟子
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