
くり返し読み返す本など
ここ数年、購入したものの、読み終わらない本が増えています。kindle版は紙以上に読めてない‥‥。積読本が増えているのは、読書時間を生活の中に組み込めなくなっているからなのに、読みたい欲はあるので買ってしまう。それに加えて、読み返したい本もある。中でも児童文学は時短で読み終わるので読み返し率が高めです。
さて、今読み返したい気分になっているのがE・L・カニグズバーグ。手持ちの中で読み返し率が高いのは、カニグズバーグ作品集4「誇り高き王妃」「ジョコンダ婦人の肖像」です。カニグズバーグ作品の中で珍しい歴史もの。
「誇り高き王妃」はフランス王7世とイングランド王ヘンリ−2世の間に挟まる妃エレノアールが主人公。カペーvsプランタジネットの時代のお話です。入り組んだ時代を、どう描くかが腕のみせどころ。「ジョコンダ婦人の肖像」はレオナルド・ダ・ヴィンチの物語です。どちらの話も児童文学として見事な仕立てになっております。こういうところが、さすがカニグズバーグ!と思います。カニグズバーグのシリーズはハズレに出会ったことがない。子どもさま(小学生くらいから)にオススメです。
おもしろい歴史もの児童文学はもっと増えて欲しい。歴史物は定期で読みたい気分になるのです。持ってないけど図書館で繰り返し借りる本もあります(買わなくてゴメン)。それが「薔薇の名前」と「チューダー王朝弁護士シャードレイク」のシリーズ。どちらも面白い歴史ミステリーです。
そういえば、初めて買った歴史小説は塩見七生さんの「レパントの海戦」でした。その他のヴェネチアものも気に入って読んでおりましたが、このあたりは読み終わったら「うん、がんばった!完走!」な気分になってそれっきり。読み返したことがありません。
繰り返し読み返す本は読み返せる何かがありそうです。テンポの良さとか?なんでしょか??。昔の友と「たまには遊ぼう!」的な同窓会感覚もあるように思います。「読み返したこと?ない!」という方もいたので趣味嗜好なのかもしれません。が、年齢重ねると読み手の受け取り方も変わります。10代20代の頃と受け取る印象劇変する作品もありました。自分の変化に気が付くこともできる読み返し。ぜひお試しください。
2月のヒトリゴトでした。
余談:
”読書時間を生活の中に組み込めなくなっているから”の理由の中のひとつにSNSの影響というのもあります。SNS上で発信されるコピーや文面の多くが、キャッチーで、辛辣で、見る人を惹きつけるための作為に溢れています。こういうのって人を焦らす。読み手をせき立てる効果があるから効果的なわけですが、始終「ほら、現実を見ろよ、今やらないと、我を見ろ、これくらいは知っておけ」的なものに触れていると、のんびり読書する気分になりずらい。逆に実用書は「読まなきゃ!」となりがち。今売れている書籍ジャンルが実用書というのもそれかな?と、景気のせいばかりではない気がします。読書は基本娯楽です。物語に時間を使うのも大事な休養であり、脳の栄養補給です。旅行よりも身軽で激安!(笑。児童書や絵本や図鑑もよろしくです!。
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