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シャンパーニュ。スパークリングワインとの違い。メゾンて?ドンペリって?なぜミレジムがない?

よくスパークリングワインのことをシャンパーニュと呼ぶ人がいるが、シャンパーニュと呼べる発泡性ワインは、フランスのシャンパーニュ地方の生産区域で造られたものしかシャンパーニュと呼ぶことが出来ない。その他の土地、国で造られたものは、全てスパークリングワインと呼ぶ。

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シャンパーニュは、パリから北東150kmに位置するフランス最北のブドウ生産地である。この地では3世紀ごろからブドウ栽培が行われており、17世紀までは普通のワインを造っていた。1668年、この地方のオーヴィレールという村にあるベネディクト派の修道僧が、発酵しかけていたワインに当時使われ始めたコルク栓をして放置し
ておいたところ、瓶の中で再発酵し偶然発泡性ワインができたのである。それがシャンパーニュの始まりだ。これを発見したその僧こそが、ドン・ぺリニョンだった。その後ドン・ぺリニョンという名前は、最高峰のシャンパーニュの銘柄となる。

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シャンパーニュの繊細で複雑な味わいはどうやって生まれるのか?それには2つの条件がある。一つは、その白亜質の土壌と冷涼な気候。これらがミネラル感や酸味を生み出してくれることである。そしてもう一つが、アッサンブラージュや瓶内二次発酵などの独特の製法である。アッサンブラージュは、品種、畑、収穫年の異なる原酒が
ブレンドされることで、この作業により天候不順などによるリスクを回避できる。瓶内二次発酵は、オリと接触させながら熟成によってさらに複雑な風味を引き出すのである。

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おもな生産地区は大きく5つに分かれるが、この全てがA.O.C.である。

そのうち特に良質なぶどうを生産するのが、モンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・ブランである。そして、シャンパーニュが造られるブドウの品種は、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ。シャルドネはシャンパーニュに繊細さを、ピノ・ノワールは力強さを、そしてピノ・ムニエは柔らかさを
もたらしてくれる。

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(薔薇の花は害虫よけ)

ところで、シャンパーニュの生産者のことをよくメゾンと呼ぶが、メゾンは、モエ・シャンドンやテタンジェなど原料のブドウを栽培農家から買い入れて、それらのブレンドによって完成度の高いシャンパーニュを造る大手のワイン会社である。かたやぶどう栽培と醸造を兼ねる生産者はレコルタンと呼ばれ、村や畑ごとのぶどうを使用し
それぞれ個性的なシャンパーニュを生産している。

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最後にシャンパ―ニュを選ぶときに覚えておきたいことを二つ。シャンパーニュには、辛口と甘口がありラベルに記載がある。辛口はBrut, やや甘口はSec, 甘口はDemi-secである。またシャンパーニュにはワインと異なり、ミレジム(製造年)が記載されていないものがほとんど。前述のように、いくつかの年のブドウを混ぜて造るからである。が、ブドウの出来が良い年はその限りではなく、単年の原酒のみで仕込まれる。その場合はミレジムが瓶に記載される。

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