東方の3博士と3つの献上物。その乳香、没薬とは?
ある日、東方の3博士と呼ばれていた3人の賢者が、空に赤い星を見て、どなたかお偉い方がお生まれになったということで、彼らがベツレヘムを目指し、キリストを見つけたので、この日を公現祭とし、ガレット・デ・ロワを食べるようになりました。公現祭とは公にキリストが現れたという意味。クリスマスには、馬小屋でひっそりと生まれていますが、誰もその事実は知らなかったわけですね。そこにこの3人が登場し、キリストの存在が公に。この3博士話は新約聖書に登場はしているが、名前はなかったのだそう。つけられたのは7世紀。バルタザール、メルキオール、ガスパール。このうちガスパールが黒人。ということで、私がエクサンプロヴァンスで買い求めたタイトル写真の3人のサントン人形*の中にも、下のクレッシユ*にも、肌の色が黒いガスパールさんが。そして、この3人は、それぞれキリストに献上物を持ってきたのです。メルキオールが神への愛を表す黄金を、ガスパールが受難の死を意味する没薬を、そしてバルタザールが神への供物としての乳香を。はて、没薬?乳香?聞きなれない言葉なので、実際このようなものが世の中にあるのか。あるのですね。ふたつとも、熱帯地方に生育するカンラン科の樹木からとれる樹脂で、空気にふれて固化したものを、使用するらしいです。没薬は、かつてミイラにするときに防腐剤としても使われたとか。殺菌作用があり、鎮静剤、鎮痛薬としても使用され、お香としても古くから焚かれていたそうな。
乳香は、固化したものが乳白色になるので、乳香と名付けられた。これも、教会などのミサに焚くものであるが、香以外にも、漢方薬としても用いられ、精油は香料として食品や飲料に添加される。また香水にも使用されるのだそうです。
*サントン人形。もともとは、Santonという南仏の古語。小さな聖人という意味らしい。発祥はマルセイユ。元々は、宗教弾圧されていた時期カトリックの隠れたお祈りのために作られたそう。私は、エクサン プロヴァンスで買いました。色々なお顔がありましたが、この聖人たちが、一番ハンサムでした。笑。
*クレッシユとは、キリスト誕生を再現した馬小屋風景。赤ちゃんのキリストをマリア様、牛、馬、羊が見守る。そして、東方から来た3人の博士も。フランスでは、クリスマスになると家庭でも、ツリーの下などに飾る。このクレッシユは、マルセイユのだいせいでゲット。ちなみに、フランスでは、保育園のことも、クレッシユと言います。