映画、ポトフ。道具が触れ合う音、素材の香り、湯気を感じながらずっと観ていたい。
映画「ポトフ」を観た。いきなり巨大な銅鍋を使っていくつもの料理を淡々と作る中年の女性が出てくる。なにやらブルジョワの匂いがするキッチン。と思っていたら田舎の小さなシャトーの台所。時は19世紀末。19世紀といえば、鉄道が発達したのが半ば。ブルジョワ家庭には、レシピ本やグルメ情報などがすでに伝えられていたのだろうか。シャトーの持ち主でグルメなドダンと地元の名士たちとの会話では、アントナン・カレームの生い立ちや、エスコフィエとリッツのエピソードなどを語るシーンがあるが、バルザックという名前の料理があることは私も知らなかったし、それが作家のバルザックではなくて、料理人の名前だという情報をこの映画から得た(笑)。
料理を作るのは、ドダンの同棲相手、後に結婚するが、完全にシャトーの料理人という立ち位置。しかし、キッチンにあるのは、全て大きな銅鍋(重い!磨かなきゃならない!)で、チュルボ専用の鍋まである。毎日、これで大量のフュメ・ド・ポワソンやカレ・ド・ヴォーなんて作っていたら身体壊しそう、と思って観ていたのだが、やっぱり彼女は倒れてしまいました。
この映画は、最初の料理の場面が圧倒的に素晴らしい。調理のリズム、道具が触れ合う音、湯気、そして香りも伝わってきそうな勢い。ドダンのポトフづくりも感動的だった(以前、dancyuの取材で、ルグドゥノムのポコシェフのポトフを取材した場面を思い出した)骨髄が出てきた。骨髄はポトフの真髄でもある。これをやさしく扱う彼の手がいい!フランスの調理場にもどりたくなった瞬間だ。どうせなら、2時間ずっと、フランスのこうした伝統料理を調理する映像を見ていたい。
Filtrer,degraisser,griller,sauter,passer,pocher,mijoter,arroserなどなど、あらゆる料理法を垣間見ることができる。これからフレンチ目指す人にぜひおすすめ!
気づき:この時代、シャンパンは平たいグラスで飲んでいたんですかね?ドダンが彼
女のために、1837年のシャンパンを開けるシーンがあるがそこで涙・・・。あ
と、正式のメイン用のスプーン、やっぱりフランス人が使っても大きいということが
わかりました。(笑)
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