レイラック滋賀2023シーズンMVPを勝手に選んでみたってよ
いつまでもくよくよしていられないし、今季はあそこまで悔しい思いをするほど飛躍した年。と、いうことで久しぶりに選手振り返り&私的MVP選定に臨みたい。
GK 伊東選手 開幕からスタメンを掴み、好セーブ連発でチームを支え続けた。抜群の反射で長身を伸ばしての枠いっぱいでセーブするプレーは華があり、チームを盛り立てた。キックの精度も試合を経るごとに向上し、絶対的な守護神となった。あのセーブがなければチームがノっていく事はなかったはずだ。
DF
平井選手 3バックの右が定位置。186センチの長身を生かし、空中戦で攻守にわたって活躍、年間通じてスタメンの座を掴んだ。足元もよく、攻撃参加も冴えている。若いけれども、間合いの開け方、詰め方、身体の入れ方など守備でのプレー選択ミスをみた記憶はほぼない。セットプレーを中心に5得点も圧巻、さらには時折前線に上がっていくプレーはスケール感溢れていた。バーに弾かれたが、DFラインから大きいワンツーからゴール前でヘッドを放ったホーム三重戦は心底驚いた。来季も残ってほしいが、21歳でこの戦績を考えると、Jクラブからオファーがあってもおかしくないだろう。
井出選手 3バックの左、ごくたまに真ん中。強靱な身体と闘志を武器に、シーズンを通じて相手のスピアヘッドへの第一防御をこなし続けた。シュートブロックも上手く、守備の安定に貢献。こちらもセットプレーを中心に3ゴール。左足の精度も高く、ロングボールで局面を変える場面も多かった。チームとしてそういう場面が多くはなかったが、ビルドアップで中央に刺すパスなどもあり、攻撃的なプレーの引き出しも多いとみた。平井選手とともに初めて見で「こんなすごい選手がきたんか」とびっくりしたし、井出選手もJクラブから誘いがあっても驚かない。もちろん残って欲しいが。
平尾選手 サイドや中盤もやっていたのでDFでの選出が適切かどうかだが、3バックの中央が今季では一番持ち味が生きたのでは、とみる。セットプレーの精度、攻撃センスはいうまでもなく、守備面でも広範囲を的確にカバー、さらに強烈なキャプテンシーでゲームを司り天皇杯沼津戦では決勝点をあげるなど、レイラック躍進の象徴的存在だろう。とにかくサッカーセンスと闘志の塊、という印象。CBやったのは今季序盤が初のようだが、全く違和感なく務めていた。その上でアシストも2ケタ近くついたはずで、リーグベスト11に入らなかったのが不思議でしょうがない。
個人的に痛快だったのは、アウエー鈴鹿戦で、三宅選手からタックルでボール奪取したシーン。記憶が正しければ前期ホームで三宅選手へのタックルからPKを取られてしまっていたので、綺麗にやり返したな、と感心した。かなりの負けず嫌いなのではと察するが、そのベクトルが正しくサッカーに反映されていたのではないか。こういう選手がいると本当に心強い。
宮城選手 平尾選手が中盤やサイドをやっていた時期にCBの真ん中を務めた。落ちついたDFとボールさばきが印象に残っている。
MF
海口選手 中盤の要としてほぼフル出場。目立たないけれども的確なポジショニングと運動量でチームのバランスをとり続けた。本当に良い意味で目立たない選手だと思う。でもいつもボールに絡んでいるよね、という。攻撃センスもかなりのものだとみるが、海口選手の外連のなさがチームを上手く回していたのは間違いないだろう。
角田選手 昨年までのCBから一転、原点回帰の中盤起用。序盤はサブやメンバー外もあったが、終盤は完全にスタメンを掴み、中盤の強度を保ち続けた。CB経験を生かした球際の強さとともに、元々の攻撃センスも生かしミドルシュートなどでの得点は素晴らしかった。苦しい時期もあったと思うが、MIO時代を知る選手だけにこの躍動は嬉しかった。
早矢仕選手 CB起用の試合もあったが今季は主に左右のWB。運動量、強度、スピードに加え、今季はドリブル突破などの上手さが相当向上していたとみた。ホーム三重戦だったと思うが、左サイドで高い位置を取り、裏に抜けるプレーは可能性を感じたし、天皇杯県予選決勝では、延長後半のスーパーミドルのおかげで本選に進むことが出来た。本当に好きな選手なだけに、退団はとにかく悲しい。
五十嵐選手 夏の補強で加入した右WB。運動量、強度、馬力あるドリブルで終盤の巻き返しの立役者の一人となった。加入当初は周囲とまだ合わないかな、とみたが試合を経るごとに右サイドの攻撃は、チームの大きな武器になった。特にスピードと強さで大外をまくるドリブルは相当なもので、あのプレーを起点にしたゴールが4、5あったと思う。守備でも、相手のサイドに食らいついて自由にさせないプレーでチームを助けた。
面矢選手 夏加入の左WB。CB系統の選手ということもあるのだろうが、サイドでの競り合い、強度は抜群。加えて左足の精度も素晴らしく、FKで得点もあげた。ロングスローも装備しており、チームに一人はほしい、というタイプだろう。また、前に位置する榎本選手を上手く生かしていたともみた。終盤のレイラックは相手がサイドに入れてきた所を強度で潰す、という狙いがハマっていたが、五十嵐選手と共にその戦術遂行に欠かせなかった。
俣野選手 序盤に左WB。得点も挙げるなどハマってきた感があっただけに、出番がなくなったのはけがなのか。
FW
榎本選手 言わずもがな、左サイドからの鋭いドリブルを武器にしたレイラックの切り込み隊長。カットイン、タテ抜きと変幻自在のボール扱いでチーム最多7得点。ドリブル自体は昨年から武器だったが、チームの状態もあってか単発に終わっていた。しかし今季は得点に直結する最大最強変貌を遂げた、というか本来のポテンシャルが十分に発揮された、という感じなのだろう。コンタクトプレーでも力強さが増し、簡単には倒れない、奪われない突破はリーグ屈指。榎本選手自体が低い位置から攻撃のスイッチになるシーンもかなりあった。
さらに特にシーズン中盤以降は、前線からの追い込みが冴えに冴えていた。猛然と追う、スピードで詰める、という訳ではないのだが、寄せるタイミングが抜群に良い。加えて深い位置まで戻る守備、その運動量を90分続けるスタミナと献身性は卓越しており、このプレースタイルで7得点はかなりのもの。楽しさ満載の自由奔放なドリブルと、チームのためにタスクをこなす2面性に魅了されたシーズンで、こちらもリーグベスト11になぜ入らないのか首を傾げるほどの出来映えだった。
大垣選手 夏加入で、CFとして6得点。嗅覚溢れるストライカー、といった印象で、動き出しやボールの受け方がゴールに直結していたように思う。シーズンフルだったら2ケタは余裕、という具合だろう。さらに榎本選手らと連動しての追い込みはかなり貢献度が高い。
田部井選手 夏加入で右FW。得点こそ1だったと思うが、五十嵐選手と連動した崩しやサイドに蓋をかける守備は見事だった。シーズン最後の方は割と中央寄りに位置して好機を生み出していたので、そのあたりの位置が本領かもしれない。
菊島選手 ベテランらしい動き、ボールの収め方が光った。振り向きざまのスーパーゴールは美しかった。
川森選手 途中投入が多かったが、確実にボールを収めてくれるので攻撃にためを作ってくれた。
服部選手 シーズン前半はスタメン。後半以降はけがの模様。惜しみない運動量とゴール前に出て行く動きが良かった。
安羅選手 シーズン前半はスタメンなど出番が多かった。背負って裏を取る、競りかけて抜け出すなど面白いプレーが多く個人的にはとても好きな選手。決定機にもかなり絡んでいた印象で、能力はかなり高いのではないか。来季残ってくれたらさらに飛躍してくれそうだ。
中野、文、松原、斎藤、嘉茂、坂本、国領、池平、松本、秋山、五月田選手は短時間しか見られなかった。
という訳で私的MVP選定だが、出場時間を考慮すると夏加入組はやむを得ず対象外(働きはみなさんMVPクラスだが)とし、GK・DFは伊東、平井、井出、平尾選手があがり、MFは海口選手、FWは榎本選手としたい。GK・DF組を一人に絞ると選びがたいながらも、平尾選手となる。平尾、海口、榎本選手の3人としてここからが更に難しい。あえて一人、ということになると、この手の選考では得点関与を勘案する場合が多いので平尾、榎本選手に絞る。そしてここからが一層難しい。どっちもなんだよなあ。あー決めらんない。最後にキャプテンシー的なところを加味して、やはり平尾選手としたい。天皇杯の決勝ゴール後の写真が今季レイラックの象徴でもあったし。ということで2023年シーズンレイラック滋賀MVPは平尾選手に!
もちろん異論反論多数だろうが、私的、というところでご勘弁頂きたいし、レイラックに所属する、したすべての選手に心から感謝を捧げたい。そして選手ではないが、J3ライセンスを勝ち取ったクラブを番外MVPとするのは衆目の一致するところだろう。