生物G殲滅作戦「G計画」
息子「ニャー!!!!!!!」
昨夜、家中に息子の悲鳴が鳴り響いた。
くどいようだが、息子は霊長類ネコ科である。
家の中では「ニャーニャー」と言いながらゴロゴロしている。
しかも内弁慶気味で、外では決して「ニャーニャー」と言わない。
話を戻そう。
息子の悲鳴を聞いて、私は息子の元へと急いだ!
私「どうした!!!!????」
恐る恐るトイレの方を指さす息子・・・。
私はその方向に目を向けた・・・。
私「!?」
私は息子を監視役として現場に残し、妻の元へ向かった!!
私「報告します!!21:06(フタ・イチ・マル・ロク時)、トイレにてunknown(アンノゥン)を捕捉!迎撃許可のお願いに参りました!!」
妻「・・・何?」
私「迎撃許可が下り次第、G計画による殲滅作戦を実行に移したいと思います!そのお願いに参りました!!」
妻「・・・だから何?」
私「ト、トイレにて生物Gの存在を確認・・・。終わり!」
妻「とっとと始末!!」
私「は、はい!」
妻「・・・めんどくさい報告は要らないから結果だけ報告して!」
私「は、はい!」
私は急いでトイレへと向かった。
トイレでは息子がトイレのドアを閉めて浮かない顔をしていた。
私「どんな状況だ!?」
息子「トイレの中におる、出て来んようにドアを閉めたニャン・・・」
私「これからG計画による生物Gの殲滅作戦を実行する!!G計画の作戦内容はこうだ!これから対生物G殲滅用化学兵器、通称殺虫剤をトイレの中に30秒間噴射する!5分経過した後、換気扇を全開にして残留化学物質を30分間排気する!その後に生物Gを迅速に処理する!質問は!?」
息子「何で30秒も殺虫剤を噴射するニャン?」
私「トイレの広さを考えると、30秒程度殺虫剤を噴射すれば、隅々まで殺虫成分が十分に行き渡る!他に質問は!?」
息子「何で5分も待つニャン?」
私「殺虫成分により、生物Gを確実に殲滅するためだ!5分程度で確実に死に至るであろう!他に質問は!?」
息子「何で30分も換気するニャン?」
私「私の喘息発作対策だ!化学物質が残留していると喘息発作を起こす可能性がある!そのため、十分に換気し化学物質を徹底的に排除する必要がある!他に質問は!?」
息子「トイレに行きたいニャー・・・」
私「2階のトイレを使うと良い!!」
息子「はいニャー・・・」
息子は2階のトイレに向かった。
私はトイレのドアを少しだけそっと開け、その隙間から殺虫剤の噴射を開始した。
そして、カウントを開始した・・・。
私「1、2、3、4、5、・・・・・・・・・・・、29、30!殺虫剤、噴射停止!」
私は殺虫剤の噴射を止めた。
息子が2階のトイレから戻って来た。
息子「殺虫剤、噴射したニャン?」
私「うむ!これから5分間待つのだ!」
息子「じゃあ、僕はその間にお風呂はいるニャン」
私「うむ!可及的速やかに入浴せよ!」
息子「か、かきゅう・・・って何ニャ?」
私「出来るだけ急げってこと!As Soon As Possible!ASAP!OK!?」
息子「OKニャ!」
息子が風呂に入ってすぐに5分が経過した。
私「これより、トイレの換気扇を全開にする!」
私はトイレの換気扇のスイッチを付けた。
私「これより30分待機!!」
風呂の中から息子の声がした。
息子「OKニャ!」
息子が風呂から出て、少し経って30分が経過した。
私は恐る恐るトイレの扉を開けた。
私「!?」
そこには、1匹だけだと思われた生物Gが3匹も息絶えて転がっていた。
1匹見つけたら100匹は家の中にいると思え。
そのような言葉を思い出さずにはいられない光景だった。
私はマスクをして、ポリエチレン製の手袋をして、ティッシュを3枚重ねにして生物Gを掴み、ゴミ袋の中に入れた。
念のため、ゴミ袋の中に数秒間殺虫剤を噴射して、ゴミ袋を固く縛り、ゴミ箱へ投入した。
そして、残留化学物質を完全に除去するため、トイレの床や壁を丁寧に拭いた。
そして、トイレの床や壁を拭いた雑巾やマスクや手袋もゴミ袋に入れて、ゴミ箱へ投入した。
全てのミッションは完璧に遂行された。
私は妻へ結果報告に向かった。
私「報告します!!22:30(フタ・フタ・サン・マル時)を以て、生物G殲滅作戦・G計画が終了したことを報告しに参りました!」
妻「たかがゴキブリでえらく時間がかかったねぇ・・・」
私「!?」
妻「ゴキブリが怖いだなんて男として情けない・・・」
私「お言葉ですが、今回は一人で全ての工程を遂行したであります!!時間がかかったのは・・・」
妻「はいはい、ありがとう!」
妻はニッコリと微笑んだ。
妻は卑怯だ・・・。
笑顔でありがとうと言えば全て許されると思っている・・・。
いや、実際そうなんですがね・・・。
私は息子にも教えてやろうと思い、息子の部屋に向かった。
ところが、息子は既に「スースー」と気持ちよさそうに寝息を立てて寝ていた。
私は息子の耳元で囁いてあげた。
私「安心しな。ちちがゴキブリをやっつけたからね・・・。」
息子は一瞬嫌そうな顔をして、寝返りを打って、また気持ちよさそうに寝始めた・・・。
私の長い戦いは終わった・・・。
しかし、夏は様々な虫が現れる。
まだ戦いは始まったばかりである。
家族の幸せのため、私はこれからも戦い続けるのだ!!
と、その時、背後でカサカサと音がしたような気がした・・・。
ま、まさかね・・・。
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