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買い物失敗して彼と別れた話
「別れようか」
そう一言だけでも切り出してくれていたなら、引き留められたのに。縋りつけたのに。何も言わず、予告もなしに私のもとを去った、諭吉。
――なんて手垢だらけの語り口を続ける気力もないほど、深く深く沈んでいる。理由はタイトル通りで、買い物に失敗したから。
「それくらいで?」と思うかもしれないが、私にとってはそれほどのレベル。特に、自分へのご褒美として我慢していたものをやっと購入した経緯もあって、余計にきつい。
控えめに言って泣きたい。
操作ミス
ありがたくない事に、最近は何かと多忙が続いている。自分なりに踏ん張って乗り切っていて、昨日ようやく少しだけ時間ができた。
緊張がほどけた解放感はすさまじく、全身を一瞬で駆け巡り、奥底に眠っていた欲をも刺激して目を覚まさせた。
気づけば、私の指は通販サイトアプリへ伸びていた。
タップ後は、小さなビール缶で箍(たが)が外れたカイジよろしく、何年も買おうか買うまいかと悩んでいた商品名を検索窓に入れ、リンクを開いて、あっさりカートへ投げ込んだ。悩んでいただけあって、私にしてはだいぶ高価な買い物だったはず。しかし、
頑張る自分へのご褒美
という大義名分の後押しもあり、勢いをつけて注文確定。この時の表情は、恐らく漫☆画太郎先生の「なつみ生きとったんかワレ」に似ていたと思う。
だが。
注文の詳細を見て、私は息をひゅっと吸い、直後に呼吸の仕方を忘れてしまった。選択したはずのものが、何かの拍子でズレていたらしく、誤って別の種類の品物になっていたのだ。
理解するのに、たっぷり1分は要しただろうか。現状を把握した私の顔は、デニムくらい青ざめた。
天啓だとしか思えない
間違えたなら訂正すればいいし、それが可能なら青ざめる事もなかった。なのに青ざめたのは、不可能だったから。つまり、
確定後のキャンセル不可
と明記されていたから。
事前にきちんと読んでいて、だからこそミスに絶望した。お店側に落ち度は一切ない。憎々しい感情もない。「良い商品」だと思っているからこそ、長年悩んで決断したくらいだから。
全て自分のせいであって、誰のせいにもできない。できないがゆえ、空に浮かんでいた気持ちがみるみるしぼんで海に落ち、一気に底まで沈んでいったというわけだ。
これはもう、
「お前に褒美は早い。我慢しろ」
そういう天啓だとしか考えられない。神様なるものを信じていない無神論者ではあるが、この時ばかりは信じかけた。
自分なりに必死に頑張っているつもりでも、もしかしたら目に見えない存在にとっては「まだまだ」なのかもしれない。自分以外の存在に頑張ったかどうかのジャッジを任せるのは癪だが、このケースに限っては早計だったと諦め、別れてしまった彼を引きずりながら執筆するしかない。
ご褒美は、一時保留。
まとめ
買い物に失敗した話を無駄に広げてきたが、この自分のnoteで思いきり愚痴りたかったから許してほしい。ただの買い物ではなく、ご褒美だったからこその大ダメージ。書かずにはいられなかった。
満身創痍で執筆している都合上、巧みなオチなどない。そもそも、買い物に失敗していろいろな意味で「落ちて」いるし。部屋の雰囲気を変えて、執筆環境を向上させるつもりだったのもあり、それが遠ざかった事でしばらくモチベーションが上がらない気がする。
とはいえ、それでも各所で発信を続けている私は相当にえらい。そんなふうに自分で自分を褒めていないと、やってられない。私はえらい。私はえらい。私はえらい。
最愛の彼と別れた今、これからどうするかは分からない。結構仲の良かった元カレのヒデを頼りたい気もするけど、まずは鳳凰堂まで傷心旅行しようかな。
あるかな、効果(硬貨)。
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