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異世界へ召喚された女子高生の話-00-

▼序章

美咲みさきは、いつも通りの学校帰りにふと立ち寄った公園で、不思議な光に包まれる。次の瞬間、目を開けるとそこは見知らぬ世界。古めかしい街並みと、西洋風の建物が並ぶ広場に彼女は立っていた。

「ここはどこ……?」

戸惑う美咲みさきに近づいてきたのは、一人の魔法使いだった。彼の名はロウェン・アルディン。彼は美咲に向かって一言、「勇者よ、君がこの世界を救うために召喚しょうかんされた」と告げる。

美咲みさきは驚きと不安で心を満たされるが、ロウェンは彼女の言葉に耳を貸さず、強引につるぎを渡し、街の外へと送り出す。彼女は初めて手にするつるぎの重みと、目の前に広がる不気味な景色に圧倒される。
しかし、街に戻ろうとすると、兵士に槍を突き出される。逃げることは許されず、進むしかなかった。

やがて、美咲みさきはグリゴール率いる小鬼ーゴブリンたちに遭遇する。最初はその威圧的な姿に怯えながらも、戦うことに躊躇ちゅうちょしていると、ゴブリンたちが次々と彼女におそいいかかる。必死につるぎを振り回すが、彼女の攻撃は本気ではなく、ゴブリンたちは容赦ようしゃなく迫ってくる。

「誰か助けて……!」と叫びながら、彼女はついにつるぎを振り下ろす。奇跡的に、彼女のつるぎがグリゴールに深く刺さり、リーダーを失ったゴブリンたちは次々と退散していく。

傷だらけで、疲れ切った美咲は力尽き、気を失う。そして再び目を開けると、彼女は現代の日本に戻っていた。
夜の公園の茂みの中、気を失って倒れている美咲みさきを発見したのは、ジョギングをしていた山田 つよしという中年男性だった。

「大丈夫か?しっかりして!」と声をかけ、彼は美咲みさきを助け起こす。美咲みさきはぼんやりと彼の顔を見つめながら、先ほどの出来事が現実か夢か分からず混乱する。

しかし、その手にはまだ、異世界で渡されたつるぎつかがしっかりと握られていた。

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