小説「桐島、部活やめるってよ」朝井リョウ
読了。
第22回小説すばる新人賞受賞、かつデビュー作。
朝井リョウさんの有名な著書。
やっと初めて読了。
田舎の県立高校、バレー部の桐島が突然部活をやめる。
そこから周囲の生徒の思考や感情に
影響を及ぼし波紋が広がってゆく。
全く立場も違い、共通点もない5人の生徒たちの
揺れ動く感情。
胸がウッと苦しくなるような
苦くて酸味が効きすぎている青春描写が
妙に小気味よく、
社会のことを何ひとつ割り切れていない当時の感情が
思い出されて、これぞ青春小説だと。
教室の談笑が聞こえるかのような描写。
私の過去を描いているのか?とでも言いたくなるような
頭に思い描きやすい情景描写。
朝井リョウさんの作品は
喉に突っかからずに読める。
映画はなんともう10年も前だそうで
神木隆之介、東出昌大、橋本愛、松岡茉優…
今となってはビッグネームばかりで、
内容はやや変更されているそうだが
とても観てみたい。
この青春小説、大人だから刺さるのだろうか?
登場人物と同じ高校生が読むと、どんな感情を抱くのだろう。
このほろ苦さの正体はいったい何だろう。
とにかく何かに打ち込み、
学校内のカーストや上下の葛藤に苛まれながらも
何かに打ち込む、
その一心不乱に見入ってしまう小説だった。