大親友との再会。

6月半ばにジュネーブに戻り、退居の準備をし、最後の一週間は夫とジュネーブで過ごし、完全帰国をしました。
色々な気持ちになった私の2週間の記録。

夫が来るまでの一週間は、部屋の断捨離、街を楽しむ、やり残したことをやることが目的でしたが、気持ち的になかなかすっきりとした過ごし方はできませんでした。
ごくごく一部の友人にしかジュネーブにいることを連絡していなかったし、夫が来るまでは一人で過ごすつもりでいました。

段々と物がなくなっていく部屋は寂しくもあり、でも、荷物の処分と同時に帰国を実感したし、様々な「気持ち」も整理する時間となりました。

ジュネーブについて数日たったある日、Manorというデパートのフードコートで、一人ケーキを食べ、そろそろ家に帰ろうかと思って食器を片付け、振りむいたら、エスカレーターから友人が上がってきました。
Manorは学校から離れた場所なので、なかなか知り合いに会うことはないのですが、本当に偶然。
しかも、特に仲良しの友人二人でした。
彼は私を見て驚き、彼女は私を見て泣き、三人で抱き合って再会を喜びました。
少しタイミングが違えば会うことは出来なかったし、学校でも特に仲の良い友人だったので、私はなんとなく「縁」を感じました。

実はこの日の夕方、もう一人の大親友と会う約束をしていました。
もともと音楽や数学、英語などの先生をしたり、ジャズピアニストをしていた人で、音楽能力は抜群だし、人間的にも素晴らしい人です。
いつも私を気にかけてくれて、カフェに誘ってくれたり、励ましてくれたり、落ち込んだ時は抱きしめてくれたり、一緒に怒ってくれたり、本当に温かい人です。
一緒に即興の授業を受けていて、彼のおかげで私は即興が好きになったし、去年、即興賞をもらったのは彼のおかげだと思っています。

彼とは、この日の夕方に会う約束をしていました。
湖で待ち合わせをしていたので、私はビールとフルーツを買っていきました。
約二か月ぶりの再会。
4月末、私はちゃんとさよならも言わずに日本に帰国したので、泣いて再会をお互い喜びました。

彼とは冗談も話すし、家族の事も、未来の事も、自分の国の事も、本当に様々な事を話します。
この日も、お酒を飲みながら、煙草を吸いながら、笑ったり、泣いたりしながら、色々な話をしました。

彼は私に聞きました。

「日本に帰ることを決めた決定打はなに?」

私は彼に全て話しました。彼は本当に信頼できる人だから。
「それは、いじめと同じだ」と彼はいいました。
そして、まずはカウンセリングに行った方がいい、とも。
日本はネガティブな行動に思われがちだけど、僕も留学前に通っていた、世界が変わるから、絶対に行った方がいい、と。
これまでの私が感じたこと、今感じている事を聞き、私の気持ちに寄り添ってくれ、沢山の優しい言葉をくれました。

彼と話をすると、ピアノが弾きたくなるんです。
また一緒にピアノ弾きたいな、音楽やりたいな、一緒に遊びたいな、そう思わせてくれる。
じゃぁ、来年ジュネーブに戻るのか、と考えると、、、、まだそこまでのパワーが今の私にはない、という感じ。
でも、彼との出会いは消えてなくならないし、きっと、彼との友人関係は死ぬまで続く気がしています。
この歳になると、そういう勘というのかな?なんか、感じませんか?
それだけで十分かな、と思ったりもしています。

こういう親友に出会えただけで、私はジュネーブに来た意味があったのかも。

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