【LGBTQ】学校教育が事業主項目に、その理由とは。今の国会で成立の見通し。LGBT法「ジェンダーアイデンティティ」で4党合意。
2023年6月9日、LGBT理解増進法案をめぐり、与党と日本維新の会、国民民主党が合意した与党案の修正案が衆議院内閣委員会で可決された。修正案は、来週にも衆議院を通過する見通しだ。
修正案は、与党案の「性同一性」が維新・国民案の「ジェンダーアイデンティティ」の表現に改められ、「全ての国民が安心して生活することができるよう留意する」との条文が付け加えられるなど、維新・国民案と同じような修正内容となっている。
「ジェンダーアイデンティティ」に修正。
ジェンダーアイデンティティ(gender identity)は、日本語訳すると性同一性・性自認であり、国際的にもすでに使用されている言葉である。
「性同一性」については、性同一性障害に限定した解釈がされることで対象が狭められることが懸念されていた。また、議連案の「性自認」については、すでに公的機関などでもその表現が使用されていたものの、性自認と”自称”を混同するとの指摘がされていた。
ジェンダーアイデンティティ案を共同提出していた維新の会の遠藤国会対策委員長は、性同一性と性自認で意見が分かれ、国民の中に不安や不信が渦巻いていたと述べ、「それをより柔らかくソフトにするための最大の表現がジェンダーアイデンティティ」と説明している。
国民が受け入れやすい、性の多様性の理解増進に重きを置く表現を目指したものだ。
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学校教育は、事業主の項目。「家庭および地域住民その他の関係者の協力を得つつ行う」の文言を追加。
学校教育について、議連案では独立項目となっていたが、与党案では削除され、事業主の項目と一体化されていた。維新・国民案は与党案の項目を引き継ぎ、「保護者の理解と協力を得て行う心身の発達に応じた」教育など修正されていた。
4党合意案では、「家庭および地域住民その他の関係者の協力を得つつ行う」という修正内容になっている。
【私見】事業主の項目の理由。
学校教育について追加された修正内容を見る限り、特に違和感はなく、一般的に受け入れやすい内容だと認識する。
与党案で独立項目から削除され、事業主の項目になっている。主語は3案共通して「学校の設置者」である。具体的な教育内容・環境が多様化しているという認識から、現場教育を主体とするというような観点によるものだと解釈する。これについては、責任問題になった際、この主語が指すのは誰なのかなど、教育関係者や法律家などの認識や意見も確認する必要があるだろう。
現在、岸田政権では、「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け、官民一体の取り組みとして進められている。これがどこまで広がりを見せるかは現時点で判断できるものではないが、今後も様々な分野で営利・非営利問わず民間組織などを積極的に介入させていく方向で、日本社会の取り組みが考えられていくのではと感じている。
民間組織などと協力する形は今に始まったことではなく、一般化していると認識するが、今後それが強められていくことが予想される。
現場教育において、民間組織などと積極的な協力関係を築いていく際、学校(教育の主体)と事業主の線引きが難しくなることが想定される。事業主の項目にまとめた背景には、そうした政治的・社会的な事情があるのではと考えた。
責任問題などで法的な判断が必要となった際に、この法律の内容がどのように法的解釈されるのかは、専門家などの意見や実際に裁判などになった際の判例を確認する必要があるだろう。
以上を事業主の項目としてまとめた理由の個人的見解とする。
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まとめ。
今の国会でのLGBT法案成立が現実味を帯びてきた。
国民が主体的に協力し合い、相互理解を深めながら、社会問題などに取り組むことは大事なことだと考える。また、一人ひとりの価値観や生き方を尊重し、多様性を認める社会における取り組みやそのあり方は様々で多様性あるものだと認識する。
保守派などに配慮する形で今回の修正内容になったと認識する。これも多様性社会のあり方のひとつだと考えるが、LGBT権利保護などが同時に進められるかどうかにも今後注視する必要がある。
性の多様性の理解の中には、権利保護の理解が含まれることを伝えることも理解増進に必要なことだと考える。LGBTQなどの性的マイノリティの権利保護については、相互理解を深めながら、今後も適切な法整備をおこなっていく必要がある。
生まれつきの身体や境遇などで悩み、それを相談できず、不安な気持ちのまま日々を過ごす子どもたちもいるだろう。それは大人でも同じだ。
声を発さずともそうした悩みが解消に向くことが本来望ましいが、勇気を出して打ち明けた時、それを理解されることが大事であり、自然と悩みの解消に導いてくれるものと信じている。
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