映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』
1.エンドロール、濁る想い。
“鬱映画の代表”とも云われる本作。ミュージカルを愛してやまない主人公。視力を徐々に失っていきながらも、女手ひとつで息子を育てながら工場で働いている。対照的に描かれるポップなミュージカルシーン。だがあくまで、うまくいっているのは全て彼女の妄想の中。
彼女を襲う悲劇はあたりにも冷たい。
作中で彼女は言った。“最後から2番目の唄が始まると 映画館を出るの そうすれば永遠に 映画は終わらない”
決して待ってはくれない107歩。
映画終盤、執行の瞬間。彼