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ローリングラウド・パタヤ2023レポート~ヒップホップの過去、現在、未来が交差する記念すべき初のアジア開催~2日目 YOUNGOHM, MILLI, JESSI, DA BABY(第3回)

ローリングラウドの2日目は昼から会場入りした。前日はゆっくりと見られなかったフェス会場を隅々まで探索する。レジェンドサイアムの敷地内を歩くと、トラック式のピザ屋やバーなどの飲食店が軒を連ねていた。それらはステージへと続く道沿いに並んでいるため、多くの人々がここで待ち合わせをしたり、軽食を取ったりしている。この通りは意外にも賑わっていた。

公式グッズの売り場やSNSの写真映えするエントランスを抜けると、いよいよメインステージに到着だ。会場の外は灼熱の太陽が容赦なく照りつけ、人影もまばらだったが、それをいいことにステージ正面に席取りをした。夕日ではないが、オレンジ色に染まる空が美しく、パタヤのフェスの名物になりそうな光景だった。

ステージのトップバッターを飾ったのは、タイのラッパーYOUNGOHMだ。続いて登場した同じくタイの女性ラッパーMILLIもヒット曲を次々と披露した。ホームグラウンドであるタイのフェスで、最高のパフォーマンスを見せようとする意気込みが伝わってくる。観客もいつしか増え、会場はヒートアップしていった。

続く韓国の女性ラッパー、JESSIのステージが始まる頃には、自分も周りの観客たちと仲良くなっていた。もはやトイレにも行けないほどの混雑に埋もれながら、フェスの一体感を存分に味わった。

陽が落ち、辺りが暗くなり始めると、満を持して今夜のメインアーティストのステージがスタートした。トップバッターを飾ったのは、近年アメリカで大きな注目を集めているラッパーの一人、DA BABYだ。

ダベイビーのラップは、力強くスタッカートの効いたユニークなフロースタイルが特徴的だ。「Suge」などの楽曲では、ビートに乗る前から一気にラップを畳み掛けるようなパフォーマンスが印象的だ。2019年の「Suge」を筆頭に、「Bop」「Rockstar」など次々とヒット曲を生み出している。特に「Rockstar」は全米チャートで7週連続1位を獲得する大ヒットとなった。才能あるアーティストとのコラボレーションにも積極的で、多くの話題曲に客演で参加している。

2019年にメジャーデビューして以降、立て続けにリリースしたアルバムが全米1位を獲得し、グラミー賞にもノミネートされるなど、新人離れした勢いで音楽シーンに台風の目として現れた。一方で、強盗や暴行事件に関わるなどのトラブルや、ライブ中にファンに平手打ちをする騒動なども話題になっている。物議を醸すこともあるが、破天荒なパーソナリティも含めて全体的に注目度の高いアーティストと言える。

この日のステージでは、履いていたスニーカーをオーディエンスにプレゼントするというパフォーマンスを行い、会場はかなり盛り上がっていた。ダベイビーとはこの後また会う機会があったが、その数週間後に彼のニューシングルがアメリカでチャートインしたことを知り、親近感を覚えた。

夜が更けるにつれ、観客の数は増え続けている。夜の部には海外アーティストが多く登場するからか、客席にはタイ人だけでなく、外国人の姿も目立つようになってきた。DA BABYの圧巻のパフォーマンスで会場は大いに盛り上がったが、そんな中、次のアーティストとしてステージに登場したのはニューヨーク出身のベテランラッパーであるFAT JOEだった。

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