Monthly Report
10月が終わり、明日から11月となる。最近は音声入力にも慣れ、作業をしながらこのような文章を入力できるようになった。
かつて好きなアーティストのホームページにあった「マンスリーレポート」というコーナーを心待ちにしていた日々が懐かしく、その形式を借りて、本職の月末レポート作成の傍らで、音声入力を使って仕事以外の記録をオンラインに残すことにした。この文章も全て車中での入力によるもの。技術の進歩に感銘を受ける。
今年も残すところあと2ヶ月。タイに暮らす教訓として、12月は極めて多忙な月となる。なので11月は1年の振り返りと、未完了の課題に取り組む最後のチャンスとして過ごしていきたい。
今から10ヶ月前、2024年の元旦に立てた目標は「自己能力の開発」だった。44歳という年齢を考慮すると、仕事に活かせる能力の習得には限界があるものの、これまでに培ってきた基盤の上に、さらなる成長を目指そうと思った。特に注力したのは「AIの習得」である。
世界は大きく形を変えた。デジタルコミュニケーションが当たり前となり、元作家の政治家がSNSを通じて国政政党を立ち上げる時代。AIの存在は確かにその扱いに慎重さを要する面もあるが、重要なのは「ならばそれをどうするか」という建設的な議論だろう。国内ばかりで議論していても世界は日本を無視して独自の歩みを進めている。これは車の運転に例えることができる。我々がいくら安全運転を心がけ、ルールの議論をしていても、事故を起こすのはそれを無視する者たちだ。今こそ国内の異なる立場の人々が団結し、グローバルな課題に向き合うべき時期に来ている。
年初から次々と登場した生成AI系サービス(Claude 3.5やCHAT GPT, GoogleのGemini, Puplexity)のアップデートは、私の日常生活、仕事スタイル、制作活動を一変させた。AIは高齢化社会対策や外国人問題などの社会課題について、人間的な視点を保ちながら公正な対話の相手となり、具体的な解決策を提示してくれる。また、タイの現地ニュースも即座に翻訳し、SNS発信用の文章作成までサポートしてくれる。完璧ではなくとも、最終的な推敲は自分で行うことで、効率的な情報発信が可能になり、SNSとの関わり方にもゆとりが生まれた。
その実践の一つが、自身のYouTubeチャンネルの開設である。これまでは2、3ヶ月に1本程度の動画制作が限界だったが、AIによる制作の容易さに魅力を感じ、チャンネルを立ち上げた。現在、収益を目指しているわけでもなく、人生の出来事をアーカイブしている。多くの作品は未公開のままだが、来年に向けて、蓄積してきた映像素材にAIで制作した音楽を組み合わせた作品制作を計画している。
相当量の映像素材があり、内容も充実しているが、最近経験したハードディスクの破損でデータが永遠に失われた経験と、脳梗塞の前兆は私に大きな気づきをもたらした。デジタルデータの消失は悔やまれるものの、それ以上に「人生の一回性」について深く考えさせられたこと。心臓疾患も抱える身として、明日という時間さえも約束されていない。だからこそ、私が見てきた美しいもの、人々の心に響く可能性のあるものは、今このときに記録として残していくべきだと強く感じている。
自己表現が得意ではない私は、SNSでの投稿を頻繁に削除してしまう。時事問題や政治について強い思いを抱いても、自分の立場を晒してまで発言するメリットを考え直したり、論争に巻き込まれることの虚しさを感じたりして、書いては消すことを繰り返してきた。最近では多くを語らないことを選んでいる。
しかし、今という時代を目撃者として記録に残す意義を、徐々に強く感じるようになった。高校3年生から続けている日記——手書きのカレンダーやデジタルノートに綴ってきた日々の記録は、今も欠かさず続いている。2024年10月のページが本日完成し、その記録を見返しながら、より深い考察を残していきたいという思いが募った。
このブログは、そんな想いの受け皿として、静かに温めてきた自分だけのチャンネルだ。記事の販売機能も備わっており、適切な納税を行えばタイ在住者でも収益化が可能だ。しかし、それは二次的な目的に過ぎない。まずは10月から、選挙や様々な時事問題について、自分の心に正直な記録を残していこうと思う。このマンスリーレポート形式での発信が、今年最後の、そして最も意味のあるチャレンジになる。
それでは、この短い前説を経て、10月のレポートを始めることとする。
(今から書きます。)
Photos from the movie by https://wwalkspace.com/