紅もみじ葉
「紅もみじ葉」〜手のひらに似てるよね〜
作 悦子
彼女は平手打ちをした
やりきれない青空に
知らん顔して企んだ水面に
通りすがりの風たちに
彼女はそれでも次の展開を信じている
この手のひらにつかもうとして
空振りしたのか
たしかに触れたのか
誰もが寡黙に何事もなかったように
振る舞ったとて
存在する煌めきは隠せない
葉が燃えるように
人は美しいと感じるのであれば

じゅうぶんに素晴らしい
この手のひらをひらひら見上げる
空は何色だ?
ああもうね そしてまたね
踵を返して冬が来る