モノとの出会いで人生は変わる「私の推し本シリーズ18」
筋トレで思い出した本があります。
(すみません、前回の本の紹介記事が筋トレの本でした)
【ひろいもの】山本甲士・著。小学館文庫。
この本との出会いのきっかけは、旧知の知人のSNSの投稿を、たまたま読んだことからでした。
そこには、北海道の本屋さんが潰れそうである。だから、その北海道の本屋をなんとか救いたい。協力してほしい、と言うものでした。
入会金10,000円を払う。とりあえずできることをやってみた。そしたら、その10,000円分の本を、毎月小分けにして1冊ずつ送ってくる、と言うシステムになっていた。
その送ってきた本の中にこの「ひろいもの」入っていた。
読んでみたらとても面白かった。
まさに、「ひろいもの」でした。
五つの短編集です。
すべての短編に共通のテーマがあります。
それは、
モノとの出会いで人生が変わっていく、というところ。
各物語の主人公は、人生がうまくいっていない人、つまずいている人たちでした。
出会うモノは、セカンドバッグ、サングラス、警察手帳、ハンドグリップ、腕時計。
その中に筋トレに目覚めていく青年の話が出てきます。
その主人公は、いじめが原因で3年間引きこもりをしている、元高校生でした。
近所のDV(ドメスティックバイオレンス)の現場を、たまたま見てしまう。旦那のほうに気づかれて追いかけられ、命辛々家の中に逃げきる。
即座に警察に通報。
その後、そのDV男は、パトカーで連行されることになる。
しかし、パトカーに押し込まれる時にも、DV男に恐怖の言葉を投げつけられる。元高校生は顔面蒼白になり家に逃げ帰る。
そのDV男の復讐が怖くて、さらに引きこもりとなる。昼間は外に出る勇気がなく、夜しか散歩できなくなる。
そんな夜の散歩の最中に
公園のゴミ箱に捨ててあったハンドグリップを拾う。
家に持ち帰り、遊び半分でハンドグリップを何度か握ってみる。しかし引きこもりの男の筋肉は弱く、すぐに腕が痛くなり放り出す。
しかし翌朝、そのハンドグリップを握った方の腕だけ、筋肉に変化を起こしていた。
んっ?
そこで、その元高校生は、ハンドグリップに興味を示す。
ここから物語が、大転換していくのです。
この物語を読んだ時は、私自身はまだ筋トレを始めていなかったので、筋トレの魅力とかは全く知りませんでした。
それでも、この物語がこの本の中で、1番面白く、しかも読後感も最高でした。
その後、自分で筋トレをやり、筋トレの魅力と面白さがわかってから、もう一度この短編を読んでみました。
さらに面白かった!
「一粒で2度美味しい」を味わってしまいました。
この本を初めて読んだ時私は、「人との出会い、本との出会いで、人生は変わる」と言うテーマで活動していたNPO法人に在籍しておりました。
この本を読んだときに、もう一つ人生を変えるものがあるんだなと実感しました。
もしかしたら、自分が気付かぬうちに、モノとの出会いで、人生が変わっていたかもしれない、
と考えてみたら、
なんと私は包丁との出会いで、人生が変わっていたことに気づいたのです。
話が長くなるので、この話は、またの機会にさせていただきます。
ありがとうございました。
この本との出会いも、私の人生を変え始めています。書く習慣。