管理職ゼロ人の組織運営 ~ソーシャルイノベーション事業部の場合~(2023年1月26日号)
こんにちは。本木裕子です。
昨年に続き今年も、有難いことにたくさんの団体の皆さまとお話する機会をいただいています。そこで最もよく聞く悩みは、人事と組織のことです。
ETIC.は、2021年6月に「スタッフ一人ひとりの起業家精神が発揮され、共創が生まれる組織づくり」を目指して組織体制の変更を行いました。まだまだ、いやきっと永遠に、悩みと変化の中にいますが、今回は1年半たった「その後」を、組織体制変更の特徴である「ピラミッド型から自律分散型への移行」に焦点を当ててお届けします。
※組織体制の変更についての詳細はこちらのリリースをご覧ください。
ピラミッド型の階層構造をなくし、一人ひとりの得意を活かして経営する
組織構造をピラミッド型から自立分散型に変更するとは、ピラミッド型の管理体制をなくし、多様なメンバーで組織をつくるということです。ピラミッド型組織にもメリットはありますが、ETIC.はそれを崩すことを選択しました。以前はディレクター、マネジャーという管理職がありましたが今はありません。
管理職がいないということは、それまでに管理職が担っていたマネジメント機能をどうするかがまず問題です。マネジメント機能を人事、会議の企画、予算・・・と分解して、管理職経験がない人も含めた適材適所でその機能を担うことでマネジメントしています。
ソーシャルイノベーション事業部の体験談:メンバーに感想を聞きました
ETIC.は事業部制を敷いていて、全社のマネジメントの仕組みもありますが、各事業部でそれぞれマネジメントを担っています。
そこで10人いるソーシャルイノベーション事業部のメンバーに、「組織構造をピラミッド型から自立分散型」への移行としてマネジメント機能の分担をしてみての感想を、良かったことも悪かったことも聞いてみました。
経営を担うことによって経営意識が高まるのは確かだし、また元管理職がマネジメントを手放すことによってプレイヤーとして活躍する余地が拡がっています。それによって新しいプロジェクトが生まれています。
一方で、まだまだ変化の中にいるというのが実感です。そして感染症の影響で在宅勤務になったことの影響は大きく、分散が進みやすいとも感じています。ピラミッド型組織の場合はトップダウンで方向性を定めることができますが、それをやめることによって、何を目指すかが見えにくかったり、それぞれの方向性にいきやすくなると考えています。ここに集う共通の目的の言語化や意識合わせをすることで、集う良さをより生かしていくことが必要だと思っています。
ここまで一気に変えるのは難しいという場合は、この一部を取り入れることも可能だと思います。全部のマネジメント機能を管理職が離す必要はなく、肩の荷に思っているマネジメント業務がある場合に、まずは1つ、他の得意な人に預けてみるのもよいかもしれません。
うちの事業部もETIC.も、まだまだ渦中。
皆さんの組織の工夫も聞きたいです。ぜひ教えてください。
※ETIC.組織体制変更については、過去のソーシャルイノベーションニュースでも取り上げています。
・自主経営組織における予算づくり(2022年6月配信)
・自主経営組織における意思決定プロセス(2022年11月配信)
Editor's Note - 編集後記 -
今回かなり赤裸々に課題も共有したのは、自律分散組織の実体験を共有して、いいとこ取りをしてもらえたらと思ってのことです。読者の皆さまのヒントになったら嬉しいです。
事業部でシステムコーチングを受けたり、お互いのフィードバックの機会を方法を変えつつ設けてみたりと、手を打っては進み、立ち止まり、時には逆行し、試行錯誤をする日々です。お互いの状況に想いを馳せることを大切にしたいと感じています。
(本木)
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