社会起業塾のコーディネーターに聞く!「起業家の伴走支援を振り返ってどうでした?」(2023年5月11日号)
こんにちは、ETIC.の川上です。
みなさん、GWはいかがでしたか?私はGWの記憶が遠い昔のようで、すっかり仕事に子育てに慌ただしい日常生活に戻っています。
さて、本日は今年3月に修了した社会起業塾イニシアティブにおいて、2022年度コーディネーターを担ってくださったお二人に、社会起業塾のコーディネーターを初めて担当してみてどうだったかなど、お伺いしたインタビューの一部をお届けいたします。
<お話を伺ったお二人>
・柏原 育哉 さん / NPO法人カタリバ インキュベーション事業部 ユースセンター起業塾 コーディネーター
・乗越 貴子 さん / ETIC. 本部 DRIVEキャリア事務局/コーディネーター
「その挑戦を応援したい」という気持ちから伴走支援へ
―― ではさっそくですが、まずお二人が起業家の伴走支援に関心を持たれている理由をお伺いしてもいいですか?
柏原さん(以下、柏原):最初のキャリアの選択から一貫して、社会課題の解決に繋がるような、公共性のある仕事をしたいなと思っていました。ただ、自分で事業を起こすのは自身の性格的にも難しいなと感じていたところ、偶然見つけたのがカタリバの新規事業である中間支援プロジェクトのコーディネーターの求人でした。社会課題の解決に挑戦する人を応援する仕事があるんだ、ということを初めて知りました。これは自分の性格的にも向いていそうだし、こういうことが世の中にさらに広まっていったらいいなという思いで応募して、そこから関心がどんどん高まりました。
乗越さん(以下、乗越):個人の挑戦を応援したいというのが動機でETIC.に入社しているので、そこに関心はもともとありました。その原点は、自分の身近な友人たちです。起業した友人が数人いるのですが、最初は大変そうでも、あれよあれよという間に事業を大きくして、社会を変えている姿を目の当たりにしました。彼ら彼女らを見ていて「強い想いがあれば、社会を変えていけるんだ」ということを実感したんですよね。
挑戦したいという人たちの想いがつぶされずに、ちゃんと育っていくことはすごく尊いことなんだなと、、友人から学ばせてもらいました。
柏原:カタリバでは主に中高生の伴走をしているのですが、私が所属しているインキュベーション事業部では、起業家支援に取り組んでいます。社会起業塾への参画を通じて、伴走支援のノウハウを学びたいという気持ちがありました。
コーディネーターの経験から得られた気付きとは?
―― そんな想いを持って社会起業塾に関わってくださっていたんですね。
社会起業塾は、資金調達の仕方を学ぶような、すぐに結果が出る支援ばかりではないことが特徴ですが、実際に起業家の方の伴走支援をしてみてイメージとのギャップはありましたか?
乗越:そうですね。思っていたのと全然違ったんですよね。めちゃめちゃエモーショナルでした。事業の話をするので、もっとドライだと思っていたんですが、起業家のみなさんの素直な感情も大事に扱うんだなというのを感じました。
柏原:うん。そうですね、僕も思っていたのと全然違いましたね。
起業塾生が誰よりも熱量を持ってコミットしている事業やアクションに対して、メンタリングで「それで本当にいいの?」など、メンターからフィードバックを受けるところは、乗越さんが言う通りエモーショナルだと感じました。その起業家にとってはすごい壁を登る時間ですよね。
他にも、担当していた起業家の方が、一番最初にメンターからもらった問いと、一番最後のメンタリングでもらった問いがほぼ一緒だったことも印象的です。
もちろんプログラム期間の中でいろんな変化はありますが、その事業の本質に関する問いをメンターから問われ続けるって、しんどいけれどとても贅沢な時間だなとも思います。
―― 今回の経験を通して、新しい価値観やこの経験じゃないと得られなかった気付きはありますか?
柏原:二つあります。一つは社会起業塾の歴史の厚みを感じたことですね。12月の合宿で多くの卒塾生が参加している姿を見た時にエコシステムとしての強さや価値をとても感じました。
卒塾生が何の利害関係もなく、関わり続けている姿勢が一つのロールモデルにもなりますし、純粋な想いや熱量は、利害関係を超えて人を動かすということを感じました。
もう一つは、結構個人的に衝撃的だった、プログラムの選考過程で提供していた予科プログラムです。選考の中で、事業をブラッシュアップする機会があるというのは、ETIC.が大事にしている「アントレプレナーシップを持つ人を育成する」という理念としても伝わってきました。
すごくいいなと思います。
乗越:私は、想いの大切さと、問いの大切さと、二つですね。
想いの大切さでいうと、感情を大切に扱うというのは、見過ごしがちだけどとても大事だと実感しました。感情を大切にされると、相手に対してもっとコミットしようとか、力になりたいとか、そういう気持ちになるんだなっていうことを、私自身が様々な経験を通して教えてもらいました。起業家の皆さんの感情もやっぱり大切にしていきたいと改めて感じる時間だったなと思ってます。
問いの大切さでいうと、素晴らしいメンターの人と話せば良い教えを頂けるのかっていうと全然そうじゃなくて。こちら側がちゃんとした問いを出さないと、ちゃんとした答えをもらえないんですよね。答えがもらえなかったのはメンターが悪いんじゃなくて、その良い問いを出せなかった自分の責任だっていうのは、とてもいい気付きになったと思います。
最近たまに使うChatGPTでも全く一緒で、いい問いを入れないといい答えが出てこないんですよね(笑)
社会起業塾に向いている人・向いていない人
Editor's Note - 編集後記 -
ふたたび川上です。ここまで読んでくださってありがとうございます!
お二人の話を聞いていると、起業家のみなさんへの愛が溢れるエピソードがいっぱいありました。(すべてをお伝えできず残念です)
最後に、お二人にこの愛の根源は何なのかをお伺いした内容を紹介して締めたいと思います。
柏原:僕は自分にできないことをやっているやろうとしている方々への尊敬と、そういう人たちがやっぱ自分を必要としてくれるというか、っていうところに応えたいっていう気持ちの二段構えな気がします。
乗越:
うん。なんだろう。その人個人への愛というよりも、人を根本的に信じているというか。「その人がやりたいことを大切にすること」が大事っていう、信念みたいなものがあるから、それに従って動いてるという感じです。
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社会起業塾は本当に応援フルな場だなと再認識しました。
もうすぐ始まる社会起業塾のエントリー。
今年はどんな起業家の方とお会いできるのか、今からとても楽しみです!
よかったらお便りもお待ちしております!