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糖尿病専門医試験受験のススメ④
どーも、みなさん、えとえんです。
さてここから本題に入ります(長かった…)
一次審査である書類審査を突破したあとに待ち構えるのが、筆記・口頭試験から構成される二次審査となります。
筆記試験は論述・選択に分かれており、口頭試験も含めてそれぞれ各60%以上、全体を合わせて70%以上が合格基準となります。
ネット上の情報や合格者の声を統合すると、パーセンテージの計算はおそらく小数点切り上げの様子です。なので、各項目は60点以上、全体で208点以上取れれば合格☆
ちなみに、どれか一つでも60点を下回ると問答無用で不合格です。全体で何点取れていたとしても、不合格です。無情。
そのため、全体をバランスよく取る必要があります。とはいえ、選択と面接はよほどのことがなければ6割を切ることはないです。論述が全部悪いんです。
糖尿病学会のホームページによると、「糖尿病専門医研修ガイドブック」など糖尿病学会が編集している本を中心に出題、過去3年間程度に取り上げられた特集や委員会報告についても出題範囲、とされています。
ベロンッ!
この味は!……ウソをついている「味」だぜ……
いや、ウソではないんですが、糖尿病専門医研修ガイドブック、特集や委員会報告だけで戦いに挑み、破れていったつわものどもが多すぎました。
なぜそうなってしまったのか、どうして悲劇が起きてしまったのかについては、後ほど語ることとして、それぞれの詳細について記載していくことにしましょう。
本来であれば試験順、論述→選択→口頭の順番で解説するべきですが、論述について語りたいことが多すぎるので、まずは選択から開始とします。
ここで点数稼がにゃあかん、選択試験
選択試験は35問で構成されています。マルチプルチョイスもありますが、多くはシングルチョイスです。
過去問の類似問題と一般的知識問題が4割、特集と委員会報告から3割、臨床問題が3割となっています。
過去問はあまり役には立ちませんが、ほぼ同じ問題が出ているため、ひと目通しておくことをおすすめします。知識問題についてはガイドブックを読み込めば解ける問題ですね。
特集と委員会報告は結構細かいところまで出ます。基礎的なところよりも臨床に応用できるような範囲が出るため、基礎分野の報告はスルーしましょう。酵素の名前などは覚えなくていいです。特集や委員会報告は糖尿病学会のホームページからダウンロードできるので、要チェケラです。
臨床問題は年々増えてきています。臨床問題の内容についても特集や委員会報告を絡めて出してくるので、やはり特集と委員会報告はマストですね。
問題の難易度はそこまでではないです。ガイドブックと特集、委員会報告を2周すれば8割は硬いかなといったところです。6割取るのであれば21問正解すればよく、ここで合否が決まることはほとんどないです。むしろちゃんと勉強した人たちにとってはここは点数の稼ぎどころですので、しっかりと得点できるよう、マークミスなどがないか確認しましょう。
サマーキャンプや市民公開講座は経験しておこう、口頭試験
口頭試験は論述・選択試験が終わったあと、お昼休憩を挟んで行われます。試験時間は一人15分程度で、基本的に和やかな雰囲気です。圧迫されたりしたら通報できるシステムがあるので、何があっても安心です。
口頭試験では、しっかり糖尿病診療を行っているかどうかについてフォーカスされています。インスリン手技の指導やDKA・HHSの対応について、アドヒアランスの悪い患者さんについての対応など、通常行っているプロセスについて説明できれば合格点は貰えると思います。提出したレポートの中身についても聞かれますので、どんな症例だったかは覚えておくことをおすすめします。
あからさまだなぁ、と思ったこととして、「サマーキャンプ行った?」と質問があり、「コロナで行けてません」と答えたところ、面接官の手元のメモに思いっきりバツをつけれられたので、サマーキャンプや市民公開講座は関わっておいたほうが良さそうです。
コミュニケーション能力と点数はかなり相関があるようですので、コミュ力に自信がない人はサマーキャンプや市民公開講座などの実績を積み上げて点数を嵩増しできる体制を整えておくと良さそうです。コミュ力に自信がある人は普通にやれば7割後半は取れると思います。
THE・運ゲー、論述試験
糖尿病専門医試験が難関と言われる所以が、間違いなくこの論述試験でしょう。
論述試験は大問4つからなり、それぞれに穴埋め問題4−5つと、200文字の記述問題で構成されます。大問1つあたり25点と仮定すると、おそらく穴埋めは1つあたり1点、記述問題は20点と予想されます。
この、記述問題が曲者なんですよ。先にお伝えしたように、試験範囲が広大で、どこから出るかは全くわかりません。例年、三大合併症から1問は出ているため、その1問はある程度予想がつくのですが、残り3問は何が出るのか予想もつかない、全くの運ゲーです。
問題自体も一般的な問題からかなり細かいところまで突っ込まれますので、その場で見て解答を考えるのはほとんど不可能と言ってもいいでしょう。過去問や予想問題などもないため、自分で予想問題を作り出す必要があります。予想問題を作ったとしても、その解答を試験場で再現できるか否かが問題になります。
200文字の記述を4つって、結構時間が足りないんです。ちょっとでも「あれ…?」と思って筆が止まるとすぐに時間切れになるので、考えるよりも脊髄反射で書けるようにする必要があります。
脊髄反射で書けるようにするため、私はワードで予想問題を200問程度作成し、それを2回ほど手書きで再現しました。気が狂いそうに、いや、結構気が狂ってたかもしれないです。
そもそも、医者って自由記述で試験を受ける機会が少なく、大抵の試験は選択問題なんですよ。医師国家試験だって、問題数がどれだけ多くても、3日間にわたって開催されようとも、全部選択問題。
全然わからなければ鉛筆転がして運に任せるという抜け道もありました。しかし、記述問題ではそうは問屋が卸さない。全く勉強していない範囲が出たら、最悪白紙の可能性もあります。逆立ちしても得点には結びつきません。
仮にある程度わかっていたとしても、いざ文章を書こうとすると、漢字が出てこない、スペルがわからない、字が汚くて自分で読めないなど、記述問題はトラップが
多すぎて冷静な判断ができなくなります。
そんな精神的に追い詰められた状況で、今まで予想もしていなかった問題が、4問中2問、出てきたらどうなるでしょうか。
私は問題を見た瞬間、頭が真っ白になりました。
そして、真っ白な頭の奥の方で、誰かの声が聞こえてきた…
「もう一回遊べるドン!」…と。
その瞬間は本気で不合格を覚悟しましたね。
さて、いよいよ大詰め、次回は実際の試験までのタイムスケジュールと、試験中の実況中継に移りたいと思います。試験内容について詳細をかけないため、片手落ちな文章になってしまうかもしれませんが、雰囲気だけでも楽しんで貰えると嬉しいです。
ではでは、このへんで。