”多様性”と”病気や障がい”の違い
以前の記事で”LGBT”はもはや性的マイノリティを表す略称となり、”LGBTQQ,...”と増えている。と記述しました。
みんなの”性的指向、性同一性”を尊重しよう!
しかし
”性的嗜好”と聞くとどう思われますか?
”「嗜好」なんだから、ただの趣味でしょ”
”病気、または障がい”
”性犯罪者の予備軍”
...
今回は”性的嗜好”といった観点から”病気、障がい”とのボーダーラインについて記述していきます。
”PZN”
”PZN”の発祥や、意味については、下記の記事をご覧ください。
この記事が公開され、物議を醸しました。
ここでの”PZN”は、”性的嗜好や、またそれらに準ずる嗜好及び、それらに該当する方”と定義します。
”PZN”って、病気なの?
結論から言いますと、”PZN”であること自体は”病気”ではありません。
詳しく説明すると、
病理的な精神疾患(性的倒錯)と見なされるためには、ある診断のラインがあります。
①当人が自分の性的嗜好によって、心的な葛藤や苦痛を持ち、健康な生活を送ることが困難であること。
②当人の人生における困難に加えて、その周囲の人々、交際相手や、所属する地域社会などにおいて、他の人々の健全な生活に対し問題を引き起こし、社会的に受け入れがたい行動等を抑制できないこと。
これを満たすことで、”性的倒錯”という”診断名”がつきます。
つまり、”PZN”当事者であり、社会的に生活することが困難である状態が、”性的倒錯”なのです。
”性同一性障がい”と”トランスジェンダー”
”トランスジェンダー”
以前は”性同一性障害”という名前が一般的でした。
混同されてる方も多いと思いますが、
”トランジェンダー”とは、あくまで”体の性”と”心の性”に大きなずれを認識している方のことです。
実際に性適合治療を行わないと生活に支障が出る!という方
違和感はあるが性適合治療は望まないという方、
また、社会的性差のみに大きく違和感がある方
トランスジェンダーと一括りにしても、その中で様々な方々がいらっしゃるのです。
その中で、問診を数ヶ月間におよび、カウンセリング等を経て
当人が自身の性同一性によって、心的な葛藤や苦痛を持ち、社会的に生活することが困難である方が”性同一性障害”とみなされるのです。
何をもって”病気、障がい”と見なすのか
ここで、知的障がいを例にあげてみます。
”知的障がい”の定義は、”IQが70以下であり、社会的にも障がいのある方”と定義しています。
”IQが70以下”という定義は、実は1970年代に定義されたものです。
実は、1950年代においては、”IQが85以下”が定義とされていたのですが、これでは該当者数が多くなりすぎてしまい、支援現場簿実態に合わないとされIQの定義が引き下げられました。
現在、IQ70〜84は”境界知能”と言いますが、該当者の具体的な支援はありません。
IQの平均値は100であり、85〜115の間に約68%の人が収まります。
そして現在、IQが100はないと社会的生活を送るの困難と言われています。
なら、社会的生活を送るのに困難であるにも関わらず、病名も付かず、具体的支援を受けられない”境界知能”の方達はどのようにして過ごしているのでしょうか。
近年のニュースでは、”どうしてそんなことをしたのかわからない”事件や犯罪が多々あります。
加害者は、サイコパス的な何だろうか、と首を傾げたくなるような方もいます。
概ね、こういった犯罪を犯す方は、”境界知能”や軽度知的障がいを持つ方々”が多いのです。
”境界知能”や”軽度知的障がい”を持つ方々は、後先のことを考えて行動するのが苦手です。これをやればどうなるか、を考えずに、その場その場で判断してしまいがちなのです。
もし周りが気づいてくれたら...
もし周りの理解があれば...
名前がつかず、それによって配慮をしてもらえない
その生きにくさから
対人関係に問題が出たり、仕事が続かなかったり、引きこもったり、、、
最悪の場合、犯罪に結びついてしまうのです。
”多様性”の中に、”病気や障がい”が存在する
”話をPZN”に戻しますと
”PZN”はその人の持つアイデンティティの一つです。
上記の記事で”性的嗜好”は、”自らの意思やその行動によって得られた後天的な恋愛、性愛、性的魅力のパターンであり、ある物や人、行動に対して性的興奮を覚えるような好み、こだわりを持つこと”
と書きましたが、
何を持って”後天的”と言えるのでしょうか。
遺伝子で決まり、改名する方法があるのでしょうか。
”PZN”は現在その人の持つアイデンティティの一つです。
また、”病気、障がい”というのは”現在のコミュニティにおいて、社会的に大きな障壁となる特性”という解釈が大切です。
自身の持っているアイデンティティが”病気、障がい”なのではなく、ある一定のラインが存在することで、”病気、障がい”という名前がつくのです。
そして、大事なことは、”一人一人のアイデンティティ、特性を尊重し、認める”ことです。
周りの方や、社会が認知してあげることで、”PZN”当事者は一人で抱え込まなくて済みます。
周りの認知が、”PZN”当事者が加害者となってしまう可能性を抑制することにも繋がります。