『20年後、誰といるか』
昨日、2019年9月26日木曜日、18:00〜19:30にかけてある交流会を行いました。
その名も
『20年後、誰といるか』
今回は20代前後の大学生をターゲットに、40歳前後の自身の姿を想像してもらいました。
勿論理想です。実現のための宣言ではなく、”こうあれたらいいな”を、声に出してもらうだけです。
結婚してて、子供がいて、どんな車に乗ってて、どんな家に住んでて、どんな人が一緒にいて、どんなペットを買ってて...
猫がいてくれれば、質素な生活でいい、という方もおられれば、将来なりたいものが明確で、夢を持っている方もおられました。
「いろんな将来の価値観を聞けて良かった。」
「自身の将来像を具体化できるいい機会だった。」
いろんな感想をいただきました。
それぞれの持っている価値観を共有し、尊重できることになるのが目的です。
一見”LGBT”や”SOGI”とは関係ないこの話題ですが、この交流会では、
”自身の家族観、友人観、恋愛観を振り返って欲しい”
”「こうありたい」を侵害されない場所でありたい”
という2つの狙いがありました。
大学生にとって”結婚”とは
私は、8月末と9月の中頃に、就活で東京に訪れました。
ある企業のインターンの中で、6〜8人程のグループを作り、課題をこなしていくワークショップがあったのですが、最後に、
”自分の20年後を考えてみよう”
という課題を出されました。そして各グループで共有をしてほしいとのこと。
こんな家に住んでいる、とか、今の体重をキープしているとか...
そんな事かなぁ、と思いきや
旦那(妻)は幾つで、子供が何人いて、どんな犬がいて、家族とどんな生活をして...
メンバーのほとんどが、”結婚”や”その後の生活”について書いていました。
同じ日に、午前日程と午後日程があり、同一内容だったのですが、私はこの事実に興味を持ったので、午前に参加したのですが、午後日程にも参加しました。
人事の方からすれば、同じ内容を同日に2回も聴きにきて、変わった奴だなぁ、と思ったでしょう...
同じ課題をこなしつつ、20年後について考える時が来ました。
午前日程では、グループが8人いたのですが、私を除いた7人が”結婚”や”その後の生活”についてメインで書いていました。
午後日程では、グループが5人いたのですが、私を除いて3人が”結婚”や”その後の生活”についてメインで書いていました。
そして、ここでは性差と”結婚”は、話題の相関はなく、唯一、午後の日程で私以外で、”結婚”や”その後の生活”についてメインで書いていない大学生は、”女性”でした。
晩婚化や悟り世代と言われる中、今を生きる大学生にとって”結婚”とはやはり、”人生の大きなイベントの1つ”であると考えます。
しかし、決して、心が浮かれているというわけではないと私は考えます。
島根県内の方100人に、ウェブ上でSOGIに関するアンケートをとりました。
その中の1つに、「恋愛感情を持つことと、結婚することは別であると思いますか?」というアンケートに対し、
”はい”が81%
”いいえ”が19%
という結果が出ました。
100人のうち75人が学生であり、学生の殆どは、”はい”でした。
”いいえ”の学生がどういう思いなのかまでは把握できていませんが、”結婚”を、”恋愛の延長線上”ではなく、将来の経済面や、お互いの価値観を考慮して考えているのかもしれません。
大学生は、”結婚”に対して批判的に考えていると言えます。
ここでの批判的とは”Negative”ではなく
”Critical”です。
合理的に、論理的に、冷静に、公平に、
そして主体的に...
40歳前後において、「誰と一緒にいるか」を重視しているしている大学生が多い、という結果に対して、
これを議題に交流会をしてみれば盛り上がるのではないかと考え、今回は挑戦してみた次第です。
”こうありたい”と”こうあるべき”
私は以前、塾講師のアルバイトの経験があります。
勉強の苦手な中学生から、受験を控えて数Ⅲを勉強しにくる高校生まで、様々な生徒を教えてきました。
その教室は、半個室状態で、会話などはほぼまる聞こえ、他の生徒や先生の顔もある程度見えるような配置でした。
ある日、生徒を教えている途中、他の生徒と先生のやりとりでこんな会話が聞こえてしまいました。
「ネタでやってるゲイは面白いだけやけど、ガチのゲイって、ほっんま怖いから気を付けときよ」
今でもタイピングしていて虫酸が走ります。
怒りを通り越して、このご時世でそれ言っちゃう!?!?と呆れてしまいました。
しかしこれだけではない。
そのあとの生徒さんの反応。
「確かにそうですよね。ゲイってなんか怖いです。」
その日は金曜日で他の生徒さんも多く、自主学習スペースもほぼ満席。40人はいたのではないでしょうか。
”LGBT”と呼ばれる方の割合は、今や約11人に1人と言われています。私自身も当事者ですので、少なくとも後2〜3人は当事者がいらっしゃる可能性があります。
もしあの時、自分が教えている生徒がLGBT当事者だったら...
もし、塾に入りたてのが今日たまたま自習できていて、それを耳にしたら...
あの場でどうすることの出来なかった自身が、今でも悔しいです。
知識がなかったとしても”何を言えば相手が傷つくか”を考えることは出来るはずです。
冗談のつもりだった言動が、“見えない当事者”を傷つけているのです。
なんとなくの先入観や無知が、“見えない当事者”を傷つけているのです。
そんな中で
”こうありたいな”が満足に表現できるでしょうか。
一度、”こうありたいな”を潰された方に、”こうありたいな”が満足に表現できるでしょうか。
発言や思想、表現の自由は存在します。
しかし、その自由によって、誰かの尊厳が傷つけられる事は、許されません。
この交流会では、そのような場でありたくないですし、今後の交流会においてもそのような場作りをしていきます。
多様性はよく分からなくて当たり前。よく知らなくて当たり前。大事なのは認めることです。
この体験談は極端かもしれませんが、残念ながらこういう組織やコミュニティは多く存在します。これで、社会が”こうあれたらいいな”を言い易い環境と言えるでしょうか。
LGBTに限りません。女性の権利、障がい者、個人の意見や、ビジネスの事業立案...
現在では、どちらかというと”こうあるべき”という風潮が強いのが現状です。
”こうありたい”と、”こうあるべき”
あなたの組織は、どの風潮が強いですか?
”ポリアモリー”
今回の交流会において、あるワードが出ました。
”ポリアモリー”
「なぜ”LGBT”ではなく”SOGI”なのか?」でも軽く述べました。
次回はこちらについて、記事を書いていきたいと思います。