見出し画像

マイナーVTuberにコメントしている話

「すっかり世間に浸透した」という言葉すら周回遅れになったVTuberだが、必ずしも良い印象ばかりを持たれていないのではないかと思う。ガワを着た配信者をチヤホヤすると聞くとバカバカしいのは分かるし、ファン含め不快な言動を見て以来嫌いになったという人もいるようだ。

とりわけ、個人でやっていて同接が100人を超えないようなVTuberの界隈は、ネガティブな話が飛び交ったりしていて近寄りがたく見えるかもしれない。実際、私も考えなしに踏み込んだ結果病んでしまったことがあるので、一側面としては真実だろう。

しかしここ数年、私はそんなマイナーVTuber達にコメントし続けており、もはや日常生活の一部になっている。以前気持ち悪い記事を書きすぎたので躊躇する面もあるが、今ならまともな内容にできそうなので色々語ってみる事にした。


都合のいいコミュニケーション

配信にコメントをすることの何がいいかというと、質の高さと気軽さを兼ね備える都合の良さだ。家にいながらにして、ある程度のリアルタイム性がある会話を好きな相手とだけでき、離脱も自由である。一種の競争原理が働いているからか、話し上手を見つけるのにも苦労しない。

私は人と話す機会、それも言葉のキャッチボールが欲しい一方、一人でPCに向かいたい事も多く、誘ったり誘われたりは大の苦手だ。さらにコミュニティの探し方で、ちょっと入ってみて合わないなら理由をつけて抜けるのにも抵抗感があったりする。

ネット上の配信というと若者向けのイメージがあるが、話し相手の増やし方が分からない中年である私にとって、居場所ではなくとも常に行き先があるのはありがたいと思う。

なぜVTuberなのか

配信者の中でVTuberの所へ行く理由というと、私にとってハードルが低く感じられるから、になるだろう。それ以外を開拓するのが億劫だともいえる。

まず、顔出しの配信者は度胸がありすぎるというか、ネットにコミットしすぎていて気が合うとは思えない。顔も絵も無しで声だけでもありだが、今の時代そもそも数が少なかったりする。

それと、対戦ゲームなんかだとVTuber以外は腕自慢が多く、私のような素人が話しかけるのは難しい。大抵物言いはキツイ(私も「怖い」部類だとは思うが)し、腕前で上下関係ができる雰囲気があって進んで入る気はしない。

絵と声が噛み合ったときの魅力も否定はしないが、私はそれより「ゆるさ」を求めてVTuberにたどり着いているのだと思う。

どんなVTuberを選ぶか

タイトルの通りコメントするのは同接10~50人程度のマイナーな個人勢ばかりで、企業勢などの有名なVTuberは観てもROMっている。人が多いと当然自分に反応してくれる可能性は低いので、会話という感じではない。

それ以外にも好みや条件は色々あるものの、ここに書くべきは「平和なこと」だと思う。炎上などはもちろんの事、ネガティブな発言一つで気分が悪くなることはあるし、防御反応が強いと自分に矛先が向かないか心配になってしまう。

そのためには勿論、配信者本人の人間性が大事で、各論を述べるとキリがないが「分別がある人」を探すことになる。普段の配信は表の顔、Xのほうが差が出やすいのでチェックすることにしている。

もう一つ、意図的なのかはともかく、私が落ち着くVTuberは界隈の喧騒から距離を取っている事が多いようだ。人が集まれば軋轢が増えるのは必然で、正義感らしきものが支持されがちなのも常といえる。

人間関係について

配信者に対してリスナーは来るも去るも自由である一方、そこには少なからず人間関係のようなものが存在していると思う。ある程度フラットに接してくるのが普通とはいえ、何度も同じ配信者の元に通えば嫌でも名前を覚えられるだろうし、他のリスナーからも認知はされると考えたほうが自然だ。

私は、対人能力がゴールド免許だと思いきやその実ペーパードライバーだった、みたいなことがあり、だいぶ病んでしまった事がある。人との接し方が分かっていれば意識するまでもないのだろうが、ちゃんとした人付き合いをしてこなかった私にとって考えさせられることは多い。

とは言いつつ、あまり気にしすぎないほうが良いと思う部分もある。「人間扱い」を当然とするのは相手も人間であることを忘れているように見えるし、付き合って割に合うと思えない。ネットでの常識を最小限に抑えたい私は、変に気を遣わなくて済む場所を探すべきなのだろう。

趣味というより習い事?

ここまで書いて、たかが趣味なのに我ながらあれこれ考えているなと思う。もちろんゲームや動画視聴でも言語化できる事はあるのだけれど、特にVTuberは人の自我が出る世界なので、気分だけで行動するとすぐ壁にぶつかる感じがする。

しかし、リスナーという立場に本気というのも変な話で(入れ込むのとは違う)、程々のいわば習い事ぐらいの感覚と言うべきか。或いは私の趣味が偏っているのかもしれないが。

とにかく、憂さ晴らしでやっているとそれ以上にはなり得ないどころか、結局ストレスが発生するのは過去の経験やネット観察の結果からも明らかなので、少しくらいは自分を律していこうと思う。

いいなと思ったら応援しよう!