病院
これも2か月も前に下書き保存していた記事。
もしも人生が一冊の本だったら
ふと気づいたときにアンダーラインを引いたり栞を挟む
私にとって自分の身体を考える、という文化自体が存在
しなかった。
数年ぶりの受診。その病院では初診。緊張をしていないといえば噓になる。
名前を呼ばれて小さな診察室に入ると母の担当医が笑顔で座っていた。
安心感に包まれる。
この先生は、医者嫌いの私が数十年ぶりに絶対的な信頼を置けた医師だ。
医師は技術だけじゃなく、人格が大切だと思う。
人間だから感情はあるけれど、この人はいつもフラットだ。
病状説明も、カンファレンスもいつでも落ち着いていて
こちらが心配で感情的になっても、そのボールをまっすぐ受け止めて
「安心」を投げ返す。
「病院は倒れてから行くところ」
「病院に行ってしまったら病気になる」
「行ったら負け」
と思って生きてきた。
しくしくと痛んでいたところ、彼が手を置いたところから
痛みが和らいでいく。
その手だけで細胞が新しくなる気がしてくる。
ホントウの「お医者様」とはこういうひとなのだろうな。
行ってみて良かった。
受診してよかった。
「安心」という一番の薬を貰って久しぶりによく眠れた。
このページに栞を挟んで、折に触れて開こうと思う。
「病院に行ってみよう」という栞。
新しいアトラクション(笑)として。