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10歳上の女性に学ぶ10年先の地図

今44歳の自分にとって、50歳や55歳の自分がどこで何をしているか、数年先は見通せていても、それより先のキャリアマップはまだ白紙です。そんな自分にとって、10歳年上の女性は、自分の10年後や50代になったときの見本やお手本になります。

ただ、実際に身近な職場や労働市場・転職市場には50代の女性はあまりいないというのが実態です。そのため、会ったことはなくても、業種業界は問わず、メディアやインタビューの記事などから色々な方の考え方や価値観を学ばせていただいています。

そのうちの一人が、「社外人材によるオンライン1on1サービス」を手掛けるYeLL(エール)株式会社の取締役を2020年からされている篠田真貴子さんです。noteでも多くの記事を書かれている篠田さんが今気になる理由と、篠田さんの多数あるキャリアインタビューの中から特に印象に残ったことや感じたことを、尊敬と敬意をもって記事にしたいと思います。


篠田さんのキャリアが気になる2つの理由

1つ目は、私自身が今月からYeLLのオンライン1on1サービスのサポーターとして、社外の方との1on1を通して「聴き合う組織」づくりに関わっているからです。

2つ目は、2児の母であるというプライベートの共通点と、篠田さんの経歴の中にマッキンゼーが含まれており、私もこの5年間、会社は違いますが外資系コンサルファームでコンサルタントとして働く者の一人として、キャリアの共通点がある点です。

中でも、過去のインタビュー記事でも触れられている、34歳のときのマッキンゼーで上司から言われた退職勧告の話は、その後45歳になるまで周囲に話すことができず、10年たってからようやく開示することができた、と書かれています。そのエピソードから、篠田さんの仕事の優秀さだけではない人間的な一面を見ることができ、人としての親近感や好感を感じました。

ちなみに、私はこの5年間コンサルファーム2社で働いていますが、マッキンゼーのくだりにあるようなUp or Outの厳しい環境ではないものの、今のところ「クビにはなっていない」ということで自分のコンサルタントとしての自己肯定感を保っています。(笑)

どの環境で自分の強みを発揮するかが重要だった

篠田さんのインタビューから得た気づきは多いのですが、特に印象に残っているのが、2019年のBUSINESS INSIDER JAPANの以下のフレーズです。

マッキンゼーで私は「いい人だけど能力が足りない」と言われていましたが、転職したノバルティスの上司には「優秀だけど人当たりがきつすぎる」と言われたんですね。

たった6カ月間で私自身が大きく変わるはずもありません。同じ人間に対して、周囲の見方が全く違ったんです。そのとき、自分に合った環境にいることの重要性を感じました。

それから、自分のバリューは真逆の所で生かされることも大切にしています。

(出典) BUSINESS INSDIER JAPAN

同じ人間であっても、職場や環境が変わることで周囲からの評価が180度変わることがある、という点が目からうろこでした。

例えば、データ分析力が強みの人は、自分以上にデータ分析力を得意とする人たちがいる組織にいるよりも、データ分析をやったことがない人達の組織にいる方が、思う存分得意なことを発揮する機会にも恵まれ、成長もする、ということです。さらに、自己肯定感や自己効力感も増して自信を持てる、というメンタル上のメリットもあるでしょう。

自分の持ち味を最大限に生かして幸せに働ける場所はどこなのかを考えるきっかけとなりました。

同じ自分であるのに、「いい人だけど能力が足りない」と言われる環境と、「優秀だけど人当たりがきつすぎる」と言われる環境、どちらが幸せなのでしょう。私は、人当たりのきつさは、使う言葉や人に対する姿勢を変えることで改善できるので、後者の環境に移って存分に優秀さを発揮する方が幸せだと思います。

「聴き合う組織」の実現に向けて

昔は「仕事(組織や役割)に自分(個人)を合わせる」のが当たり前だと考えられていて、私自身も、与えられた役割でやるべきことをする、GapがあるのであればそのGapを埋められるように努力、改善するタイプでしたが、今は「自分(個人)に仕事(組織や役割)を合わせる」時代にシフトしてきています。

コンサル業界では「聴く」よりも「前に出て話す」(自分の知識や判断をロジカルに伝える、知ったかぶりも含む)ができる人が価値を出せる人という組織の暗黙のルールがあるように思います。もちろん、クライアントに知見や価値のある情報を提供するためには、後者が重要なことは理解しますが、もっと個人の大事にしている価値観や想いを「聴く」ことにフォーカスすることで、組織の中で幸せに働く人は必ず増えるでしょう。

微力ながら、社内では自分の周囲やメンバーの想いは1on1で聴くようにしながら、自分もコーチ役の方に聴いてもらって相互に理解することを心がけています。また、社外の活動としても、YeLLの社外の1on1サービスの提供側として、「聴き合う」社会の実現に貢献しつながら、自分自身の10年後のキャリア、働く場所を考えていきたいと思います。

勇気をもらえる年上女性

最後に、私がインスピレーションや勇気をいただき、自分にない部分には憧れ、ロールモデル、ロールパーツとして取り入れたい部分は取り入れている国内外の女性は、直接お会いしたことはありませんが、多くいらっしゃいます。もちろん、素晴らしい価値観を持つビジネス界の男性から気づきを得ることも多いですが、同性である女性の話には自然と注目してしまいます。例えば、企業で初の女性CEOに就任された女性エグゼクティブであったり(私がCEOを目指しているわけではないですが)、女性活躍やInclusion & Diversityの象徴と言えるような、年代は私より10~20歳ほど上の方々です。

  • 国内

    • 小巻亜矢さん

    • 篠田真貴子さん

    • 勝間和代さん

  • 海外

    • シェリル・サンドバーグさん (メタ(Facebook)の元COO。『LEAN IN』の著者)

    • マリッサ・メイヤーさん (Yohoo!の元CEO、Googleの元副社長)

    • ジニー・ロメッティさん (IBM初の女性CEO)

    • ジュリー・スウィートさん (アクセンチュア初の女性CEO)

彼女たちは、私にとっては雲の上の存在ですが、20代30代女性の方々からすると、さらに雲を超えて宇宙のような存在かもしれません。

逆に、30代のこれから管理職になっていくような女性にとっては、40代の私くらいのレベルの人の方が、身近にいて自分の10年先の地図を描く上で参考となるでしょう。「人生を楽しむ女性、自由で自立した女性を増やす。自分もそのひとりでいる」という私の目指すビジョンに向け、自分と同年代女性とは励まし合いながら、年上女性からは自分の将来像と未来の描き方を学び、自分自身は年下女性のキャリアの参考、ロールモデルにもなれるような存在であることを願っています。


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