男性の育休取得をすすめる3つの理由
「イマドキ子育て世代の産前産後のキャリア戦略」というタイトルの、ファザーリング・ジャパンの外部講師を招いての社内セミナーに、本日オンラインで参加しました。
ふと思い出したのは、2010年、今から13年ほど前にも、当時働いていたIT企業で、ワーキングマザーの先輩による、育児と仕事の両立の乗り越え体験や、産科医による産前産後のホルモンバランスや体調の変化、年齢ごとの妊娠率の話に関する社内セミナーがありましたが、そのときの参加者は、全員女性でした。
そして令和になり、「仕事と育児の両立」に関するセミナーに参加していたプレパパ、プレママ世代の男女比は、ほぼ半々。パートナーと一緒に育児を経験したい、育休を取りたい、と希望するのは、男性社員であっても当たり前になりつつあります。社内で育休を取得した男性が第一号、と珍しがられていた10年前の時代から、子育て世代全体の価値観が令和にアップデートされていることを、今の40代の管理職世代も理解しないといけません。
仕事の大変さを、長時間労働の残業の気合でなんとかすることが当たり前、特にマネージャー以上になると、そういう社員が重宝されの社会では、時間制約のある社員が価値を発揮しづらいか、周りの空気を読んで無理する結果になってしまいます。そんな社会に息苦しさを感じるのは、育児や介護の担い手になっていた女性社員だけでなく、現代では男性も同様です。残業しない働き方で成果を出している人が認められる、そんな人たちが主役の企業がもっと増えると良いなと思います。私がキャリアについての学びを深めた書籍「LEAN IN」の中のフレーズも引用したいと思います。
生後数か月の夫の態度が20年後に影響する
私の家庭においては、夫は育休は取得しておらず、長女と長男の出産後は、私だけが約1年ほど育休を取得しました。幸い、うちの場合は産後クライシスを乗り越え、今では安定的に家族仲良くやっていますが、一生にそう何回も来ない新生児を迎えるタイミング、できるなら、今年4月の育児休業法の法改正の波にのり、男性も育休取得をされることをお勧めします。
産後1か月、もしくはさらに長期の育休を取得して、新生児や赤ちゃんを育てる大変さと尊さを夫婦で分かち合うことは、夫婦の絆を深めるだけではありません。そのときの経験や感情は、女性側の心にずっと残っていて、育児に協力的だった夫に対する愛情は、出産後は一時的に下がったとしても徐々に回復し、10年後20年後の夫婦関係にも影響します。
産後のイライラのケア
また、男性側に心づもりをしておいてほしいのは、女性は出産直後にホルモンが急激に下がる影響で、家族である夫に対しても、自分と生まれた子供にとっての敵のように感じてしまい、何も悪いことをしていないのにイライラされたり、あたられたりすると思います。でも、それはパートナーの性格が変わってしまったのではなく、「ホルモン」が原因です。どの夫婦も同じです。心配せず、妻や子供へのケアをしていれば、3年もたてば出産前のように戻るので、気長に待ちましょう。
私も、長女が生まれた後は、会社から帰宅した夫がソファに座っているだけで、イライライライラしていました。(日常の生活が一変した自分と、何も変わらず過ごしている夫との違いや、自分は日中そこに座って休む時間は1回もなかったんやけど、という怒りもありまた笑)
キャリアは長いけど乳飲み子の育児は人生のほんの一瞬
先月、小池都知事が「育休」だと休むイメージがある「育業」に改名すると発表されましたが、実際にやってみると、仕事よりも、論理が通じない乳飲み子の育児の方がはるかに大変だと思うはずです。(3時間サイクルで授乳→ゲップ→泣く→寝る→出すを繰り返すので、親側は、まとまって取れる自分時間は1時間もなく、睡眠も細切れでしか寝れません。でも、それも誰もが通る道。明けない夜はありません。)
育休を取得された男性も、それを実体験として経験できたことが、育休を取って一番良かったこととおっしゃる方が多いです。長いキャリアのスパンで考えれば、半年や1年程度のブランクは気にしなくてよいでしょう。ぜひ人生の1ページとして、小さな命に向き合う豊かな育休経験をされてみてください。