【寄り添い型(伴走型)】の支援   ソーシャルワーカーのための「面接技術」Plus Ultra 7

 それでは、【寄り添い型(伴走型)】の場合、どのような対応ができるだろうか。
 会話形式でみていきたい。改めて、お客さんの「背景」にある「事情」を思い出しながら読んでほしい。

お客さん 「すみません、牛肉を買いたいんですけど…」
八百屋 「いらっしゃいませ!牛肉ですか!いいですね。今夜はお祝い事か何かですか?」
お客さん 「いや、実は夫が夏バテで…何か夏バテに効く食べ物はないかなと思って…」
八百屋 「夏バテ…何かあったんですか?」
お客さん 「…最近、この近くに家を買って引っ越してきたんですけど、家探しや引っ越し、仕事が重なって疲れが出ちゃっているみたいで。」
八百屋 「お、最近引っ越されてきたんですね。ようこそこの街へ!でも旦那さんも夏バテということですし、お客さんも慣れない土地で色々と大変だったり、不安だったりするんじゃないですか?」
お客さん 「そうなんです…実は、私は今妊娠中で。赤ちゃんができたらからっていうことで急遽、思い切って家を買うことを決意したんですけど。私も体調がいい時と悪い時もあって。」
八百屋 「そうなんですね。それじゃあ、なかなか頼れる人もまだあんまりいないんじゃないですか?」
お客さん 「そうなんです!実家も遠くなっちゃって。隣町に友達もいるんですが、向こうも子育てで忙しいみたいでなかなか会えないし…」
八百屋 「そうかぁ…そんな不安な中、お声がけいただきありがとうございます。」
お客さん 「いえいえ。なんだか色々と話してしまってすみません。」
八百屋 「全然です!まず、牛肉なんですが、ここから30mほど歩いたところに赤い屋根の加藤ミートさんというお店があります。そこの店主とは私も長い付き合いなので、私の名前を出してもらえば割引してもらえるかもです。ですし、良ければ牛肉をいくつか持ってきてもらうこともできますよ。」
お客さん 「そんなこともお願いできるのですか?」
八百屋 「また加藤ミートさんの手前には、薬屋さんがありますよ。あそこは、つわりのお薬も置いてありますし、何より子どもを4人育てた店主なので色々と頼れるかもです!」
お客さん 「ありがとうございます。」
八百屋 「他にも、面倒見が良くて子どもが大好きなおばあちゃんがいたり、先輩ママさんとかもたくさんここのお店に買いに来てくれているので、いつでもご紹介できますからね!」
お客さん 「すごい、頼りになりますね!」
八百屋 「いつでも頼ってください!また夏バテだったら、夏野菜カレーなんてのもいいかもしれません!ちょうどナスやカボチャもあるんで、良ければみていってくださいね!加藤ミートさんのお肉と一緒に、うちの娘がお宅まで一緒に持って行くこともできますからね!」
お客さん 「じゃあ、色々とお願いしてもいいですか?」
八百屋 「もちろんです!」


               、、、つづく

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