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ブルー・ブラック・アンド ホワイト
道を歩いている時に、家々に掲げられたエストニアの国旗を見て、「あれ?今日は何の日だったけ?」となることが多々あります。エストニアでは祝日・学校などの学期の始まりに自分の家 (アパートだったら建物ごと) に国旗を掲げる習慣があるんです。
ただこの日は特別。2月24日はエストニアの独立記念日。今年で最初の独立から102年目。国旗が掲げられている率もいつもより高い気がする。。(ちなみにソ連からの独立は8月20日。こちらは独立回復記念日として扱われています)
青・黒・白とシンプルな3色の国旗で、よくエストニアを訪れる人たちは「結構地味ですねー」と言うけれど、ボクは結構好きだなー。それぞれの色には色んな意味が込められているらしいけど、要はエストニアの人たちが見慣れていて、馴染みのある、この田舎で見る景色なんですよね。
透き通るような蒼い空
遠くからみると黒いエバーグリーンの森
足跡ひとつない雪に覆われた大地
ひと昔前までは大抵の人が農家だったエストニア人(エストニア人だけではないか・・・)には、この景色は誰もが理解でき、愛着のあるものだと思うのです。また他国からの支配が長く続いたエストニア人にとってはその愛する景色・土地・国土を取り戻した。と言う誇りも加わってのこの国旗なんじゃないかなーと思ってます。
しかしながら田舎風景を国旗にしてしまうエストニア人。ナイスです。
そんな誇らしい独立記念日ではあるのですが、特に国をあげて盛大なイベントをやる。という訳ではなく、首都の自由広場から始まるパレード、大統領のスピーチ。ちょっとしたコンサート程度で終わりです。
実際に戦争を経験したり、ソ連の支配下での生活を経験したエストニアの人にとっての「自由」という言葉にはボクたちが思う「自由」とは違った想いがあるんだと思います。また妻の世代のようなソ連の崩壊と同じ時代に生まれ、まだ発展が始まる前の環境で育った人たちの想う自由。もの心ついた頃にはスマホが溢れていて、スタートアップや電子国家として成長していく中でソ連のソの字も感じたことのない今のティーンたちが想う自由。そして日本人の父親をもちながらも、ほぼエストニア人として育っていくであろう娘たちはどんな自由を想うのだろう?
5年に一度開催される、歌の祭典Laulpidu。
このイベントではまさにその世代ごとの自由・希望に対する想いが感じられ、見ているだけで感情的になってきます。
下のYoutubeの動画は、2004年に行われた歌の祭典の一部です。
「Ilus maa」という題名で、直訳すれば、「美しい土地」なのですが、なんか伝わりきれてない気がする・・・意訳をするとしたら「美しき我が大地」みたいな感じかな?
maa = 土地・国・土・田舎・・etc と多くの意味を持つ言葉 maa
Isamaa/ Emamaa = 祖国 Kodumaa = 故郷 Eestimaa = エストニア
やはり「土」はエストニアの人にとって意味のある深い言葉なのでしょう。
指揮者はHirvo Surva氏。ボクがこの曲を好きになったのもSurva氏が指揮をしていたから。という部分が大きい。もちろん歌詞・メロディー・構成も素敵なのだが、Surva氏はこの曲をさらに素晴らしくしている。
本当は2014年バージョンの方が画質も良いので、埋め込みリンクしたかったのですが、なにか問題があるようで普通のリンクにしかできなかった。↓からチェックしてみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=bm4EC01u0-4
この曲はもう他の指揮者じゃあ嫌だ!というくらいSurva氏のイメージが強い。
また↓の歌は同じく2014年のもの。エストニア人でなくてもエストニアへの愛国心が高まってしまう曲のひとつ。
Koit = 夜明け
この曲はエストニア音楽界の大御所Tõnis Mägi氏の持ち曲で元々合唱用という訳ではなかったんだけど、独立へ向けての「歌う革命」の時期に有名になったこともあり、歌の祭典でも定番になったらしい。
Mägi氏が登場するのはアンコールから。この歌が歌われるときは必ずと言っていいほど2回歌う。エストニア人、アンコールが好きみたい。
幼稚園でも独立記念日に合わせて国旗の作成。旗好きの娘たちは無邪気に喜んで振りまくってました。いつかこの子たちが自分たちの想いを込め、この国旗を掲げる日も意外とすぐきてしまうんだろうなーとしみじみ思った日でした。
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