#120 -旅をすることは自分の国をしること
大昔には鏡がなかった。よって自分の「顔」を見る機会というのも滅多になかったはず。だからAさんに「あんたの鼻っておっきいね」と言われれば、Bさんは鼻の頭を触りながら 「そう?」と言い返すくらいしかなかった。
仮に Bさんが「いや、でも君の鼻の方が大きいと思うけどなー」と言い返したら、Aさんも「え?そうかな?」となり自分たちでは判断できなかった。
「じゃあCさんを連れてきて聞いてみよう!」とかなっていたハズだ。
そうして訳も分からないままに連れてこられたCさんは、二人に、
「さぁ、ボクたちどちらの鼻がより大きいか言ってくれ!」
と、言われ、
「え?そんなのBさんに決まってんじゃん!」
と即答する。
するとAさんは、
「ほらねー言ったでしょー。」とBさんに得意げに言う。
そして続けてこう言った。
「あれ?でもCさんの方がBさんより大きな鼻だね」
Cさんは、「うそー!!私の鼻ってそんなにおっきかったのー??」と、自分の鼻がAさんのソレよりはるかに大きいBさんよりも大きいことを知り、ビックリする。
鏡や鏡の代わりになるものが発明されるまで、きっとこんなやりとりを先祖の人たちはやってきたのかもしれない。(多分)
・・・・・・・
自分がどんな風に立って、どんな風に歩いているか?というのは意外にみんな知りません。ビデオの中で見て初めて、「え?こんな風に立ってたの?」とビックリすることもあります。
同じように自分の国の顔を見ることは難しく、国の外に出て初めて気づくこと・わかることがたくさんです。
旅をすることは旅をしている国の文化や歴史・人のことを学ぶことでもあるのですが、それは同時に日本がどういう国か?ということを知る機会でもあります。
特に日本は周りを海に囲まれた島国で、移民も驚くほど少なく、長い長い歴史を持ちながらも、同種の中だけで種の繁栄を続けてきた単一民族国家でもあります。どこかの総務大臣のような発言ですが、それはいい方にも悪い方にも捉えることができます。
それに加え、世界でもトップに入るほどの経済力を持ってしまえば、日々の経済も国内で片付いてしまうため、より外からの介入も少なくなってきます。
そうして外にでる機会が少ないと余計に、自分たちの顔、自分たちの国がどんな形をしてどんな風に動いているか?に気付きにくいのです。
だからボクは、
「日本のことを知りたければ海外へ行くべき」
と思っています。
特にこれからの時代で海外に移住したい、海外から来た人と関わる仕事をしたい。移民の人たちを助け、日本に定住しやすくするようなインフラを作りたい。などのような仕事を考えている人であれば尚のことです。
英語を喋れるだけでは本当の意味でのコミュニケーションをとることはできません。外の文化を知り、異国の地で知らない言語に囲まれた中で生活するこを経験したことない人は、わからないことがたくさんあるからです。
日本は大きなバブルで囲まれている。
経済でよく使われるバブルとは少し違う文化・生活面でみたバブルです。
それの中にいる以上、気づけないことがたくさんあり、
そのバブルの中から出て初めて新しい目線からこれまでの自分たちを見ることができるようになります。
そんなことを可能にしてくれるのが旅だったりします。
1か所に留まることでも旅の一つですし、色んな個所を転々とすることも旅の一つです。
色んなところを回ってふりだしに戻ってもいいんです。
帰ってきた時に、幾ばくかの「違和感」を感じることができただけでもそれは収穫だと思います。
今の世界情勢では外に出ることも気ままに旅をすることも難しいですが、これがいずれ落ち着いたら、日本に興味がある人、日本がどんな顔をしているか知りたい人は是非、旅に出てみてください。
そして旅をして世界を見る時は、できる限り色眼鏡を外し、
アシタカ彦のように、「 曇りなき眼で見定める」ことを忘れずに!
きっと新たな発見、今まで知らなかった日本の一面を知ることができるハズです。
書くことを仕事にするための励みになります。