専門調査員試験(4) 1次試験【専門論文】
皆さん、こんにちは。本ブログをお読みくださりありがとうございます。
まず、「在外公館専門調査員試験の2020年秋募集に間に合うように記事を執筆する」などと宣言しておきながら、「専門論文」の記事が1次試験に間に合わなかったことをお詫び致します。
とにかく書き終えるつもりはありますので、どうかお付き合いください。
今回は、1次試験のうち「専門論文」についてです。
外国語筆記については前記事をご参照ください。
最初にお断りしておきたいのは、出題内容を外部に公開することは禁じられているため、本記事はあくまで傾向と対策について執筆しているものであるということです。
実際のところ、インターネット上では出題内容を丸々掲載されている方も見受けられますが、私にはそのリスクを取ることはできませんのでご了承ください。
①試験形式
外国語筆記が終わると、全ての公館の論述問題が掲載された冊子と解答用紙が配布されます。
この冊子の中から自分が出願時に選択した公館の問題に解答しますが、2つ志望している場合はそのうちの1つを辞退することもできますので、当日に問題を見て解く・解かないを決めることが可能です。
問題の分量は数行程度で、解答はA4用紙1枚(表裏)に記述します。1題の制限時間は60分です。
公館を2つ志望している場合は2題の間に20分の休憩時間がありますが、この間にノートやスマートフォンを見ることは出来ません。
②出題傾向と対策
・歴史を深堀りするより直近の出来事を注視する
前述のように1つの問題冊子に全ての公館の問題が掲載されているため、そこから問題の傾向を窺うことができます。
「募集ポスト(担当事項)」には「○○国の政治経済」などというざっくりとした記載しかないため、対策に困る方も多いと思われますが、明らかに歴史上の出来事云々より直近の出来事に関して勉強すべきであると感じました。
ですから、具体的な対策としては
1) 最近の主な出来事について山を張って勉強し、A4用紙2枚程度のスクリプトを作成する、
2) 外務省のウェブサイトで自分が受験する国の情報(特に、「政治体制・内政」、「外交・国防」、「経済」、「経済協力」、「二国間関係」)を確認する、
3) 自分が受験する在外公館のウェブサイト上の「二国間関係」、「重要外交課題」、(職務内容によっては)「ODA」や「広報文化」の項目を確認する、
4) 公館によってはウェブサイト上で「○○国概況」などの資料を公開している場合があるため、あればそちらも参照する
等が挙げられると思います。
・筆者が取った対策と失敗点
私は自分が受験した国の政治経済上の最近の出来事について大学の卒業論文を執筆しており、直近の大きな動きといえばそれしかないと踏んだため、この卒業論文を元にタイムラインをまとめてスクリプトを作成しました。
ここで失敗したのは、スクリプトを作成する際に自分が受験する国が位置する地域のことだけ勉強していたことです。
外務省ウェブサイトに掲載されている当該国の「外交・国防」のページをしっかりチェックしていれば、どの地域との関係に注目して解答を作成すべきかは明確であったのに、それを怠ったがゆえに、当日になって問題を見た時に「どうしよう…」と焦る羽目になりました。
またこれも実際の問題を見た印象ですが、自分が受験する国と日本の関係について出題されるとは限らず、その国がどの地域との外交に力を入れているかを把握しておく必要があると感じました。
そういった意味でも、当該国と在外公館のページはしつこく確認すべきであると思われます。
次回は2次試験の「外国語面接」についてです。