超厳戒態勢下の日立台で柏レイソルの試合を見てきた
7/4(土)からJ1も再開し、無観客試合を経て、超厳戒態勢とはいえ順次観客を動員しての試合も再開されました。
柏レイソルのホーム・三協フロンテア柏スタジアムでは昨日7/18(土)の湘南ベルマーレ戦から有観客試合がスタート。無事チケットを購入できたので観戦に行ってきました。今回はその時の様子をレポートします。
(なお今回、遠方で日立台に来られない方にも道中を楽しんでもらおうと前半部分を柏駅~日立台までの遠征記っぽくした結果、文字数6,600字超え、画像盛り盛りで「長えよ!」という声が聞こえてきそうな感じに仕上がっています。)
超厳戒態勢下での観戦ルール
とにかくさまざまな制限があります。主なものでも
・収容数上限は5,000人または会場収容人数の50%で少ない方
・ビジター席は販売しない。
・チケット販売は1試合づつ。1週間から販売開始。
・シーズンシート会員、ファンクラブ会員のみ販売(柏レイソルの場合)
といった具合。
柏レイソルの場合はソーシャルディスタンスに配慮した配席の関係でチケット販売枚数は3,000枚弱でした。
来場者へのお願いとしてマスク着用・声出し応援禁止など、これまでとは違った観戦ルールが設定されています。
柏レイソルサポーター 観戦ルール (柏レイソル公式HP)
普段の観戦スタイル
参考までに自分のサポーターとしての属性も晒しておきます。
【普段どこで見てる?】
→日立台では毎回違う席。2019年は柏熱地帯2階、AR、MR、SD、SF、ヨネックスシート、SSで試合観戦しました。アウェイはゴール裏が大半。
【スタジアムにはいつ到着?】
→ホームは基本的にキックオフとほぼ同時刻。早くて30分前くらい。キックオフ1時間位前まで駅前でフリーペーパー配布しているとどうしてもこれくらいになってしまう。逆にアウェイではキックオフ3時間前とかに現地入りしちゃう勢。マスコットに突撃したりスタグルを食べたりしています。
【好きなスタグル】
→ホームではこだわりなし。いつも到着直後に早く席に行きたい一心で待機列が短いところのスタグルを買ってます。アウェイでは現地ならではのものを食べたい派。
今回の座席
(画像引用元:柏レイソル公式HP)
今回はMLホーム指定席を購入しました。普段はビジター指定席としてビジターのみに販売されている席です。
選んだ理由なのですが、私が日立台に通うようになったのが2013年から、要するに2012年のホーム・アウェイ入れ替え以降に日立台へ通い始めた人間なので今のビジター側(今回のML席)には一度も行ったことがなかったからです。今回はせっかくの機会だからビジター側を見てみたいなと思ったのも理由です。
スタジアムまでの道中
柏駅中央改札から東口を出て柏サポならまず目に入るのがダブルデッキのレイソルの巨大日程ポスター。レイくんがモデルを務める最新バージョンに掛け替えられていました。
試合当日にこれを見ると毎回テンションが上がります。
なお今回は「柏でよりみち アディショナルタイムズ」の配布はありませんでした。ビジターサポーターを対象にしたフリーペーパーである以上ビジター席が設置されない以上は発行もしないという方針なので…(思いっきり編集部側の人間の発言)
それにしても配布がないとダブルデッキもいつもより静かなものですね(注:普段大きな声を出してるのは紛れもなく自分自身)。
柏駅前の大通り「ハウディモール」の街灯にはレイソルのエンブレム入りのタペストリーが飾られていました。これは開幕からずっと同じものが掲げられていた記憶。
スタジアムへ向かう道すがらのラーメン屋さんにはレイソルのフラッグが。こういうのを見ると「今日試合があるんだな」と気分も上がります。
レイソルロード。いつもより人は少なめですがユニフォームを着た柏サポーターがスタジアムに向かって歩いているのを見かけます。この時点ですでに胸熱。
レイソルロード沿いのテイクアウトできるお弁当屋「日本亭」。今回は湘南ベルマーレサポーターは来ないけれど、すっかりおなじみのエンブレム完コピ手書き黒板は健在でした。
ちなみに裏面はこちら。
ルパン三世の手書きイラスト、看板メニュー唐揚げの写真となぜか大分トリニータの手書きエンブレム。大分トリニータが日立台にやってくるのは8/12(水)のルヴァンカップと11/14(土)or11/15(日)のリーグ戦の予定ですが…。謎です。
レイソルロード沿いに新しくSHARKというバーができていました。なんと既にレイソルのフラッグが!店長さんわかってる!
黒板には「レイソル中継中!!」の張り紙が。レイソルを推す気満々なのが伝わってきます。
カリー屋リリーさんの店先にレイソルの新しい日程ポスターが張り出されていました。中を覗いてみたところ、柏サポーターの方が何名か食事をしていたみたいです。
園児によるレイソル熱烈応援弾幕が毎回張り出されていることでおなじみの若葉保育園。今回は弾幕こそありませんでしたが、新しい日程ポスターと旧ポスターの上半分が張り出されていました。相変わらずの熱気。
スタジアムまでの道中で驚いたのは、柏駅から日立台へ行く道すがらのほとんどのお店にレイくんがモデルを務める新しい日程ポスターが飾られていたことでした。少なくとも30店舗以上に貼られていた気がします。
今回はコロナ予防の観点からイエロー作戦(サポーター有志による、ポスターを街や職場などに張り出す活動)もなかったので、レイソルのスタッフさん、少ない人員かつコロナ対応でバッタバタの中本当に頑張ったんだろうなぁ…。
スタジアム付近
いよいよ日立台公園前に到着。緑ヶ丘交番前のレイくん像はいつもと変わらない姿でサポーターを迎えてくれました。
タオマフ新調された?
日立台公園の画像はこんな感じ。
感染予防対策の観点から、当日券もネット販売のみだったので当日券販売ブースがありません。(そもそも今回は試合当日に完売御礼のアナウンスが出ていました。)
看板の日程は新しくなっていました。
今回ML席を取ったこともあり、せっかくついでにビジターゲートから入場してみることにしました。なので北門前を通過してビジターゲートまで更に歩きます。
この時点で17:14。ここへきてサポーターを誰も見かけなくなりました。
ビジターゲート到着!
やっぱりサポーターがだれもいない!
ビジターゲートの待機列。
列整理用のロープが敷かれていました。
が、誰もいない…。
というかビジターサポーターさんは普段日よけも雨よけもないところで入場を待っているんですね…。初めて知りました…。
今回、入場の前に検温があります。
検温器は額にかざすタイプ。一瞬で終わります。
スタッフとの接触を避けるため、チケットを見せたあと、もぎって回収ボックスに入れるのは来場者の役割になります。
ビジターゲートから入ったため、私の入場時(17:19)はもぎられたチケットの半券は10枚くらいしかありませんでした。
こんな感じでようやく入場です!
MLホーム指定席ってどうよ?
今回の私の席は、ML席でもかなり隅の方でした。正面に座ると目の前に見えるのはカメラマンという席。もう少し外側にずれたら正面はビジターゴール裏のサポーターになるんですね。
センターサークルに首を向けるとこんな感じ。ピッチが広く見渡せます。
ML席入り口から撮ったビジター側広場。これはまちがいなく狭い…。
そして雨が降ったらトイレしか雨を避ける場所がないというビジターサポーターさん(というかフリペの編集長(ガンバサポ))の発言は間違いないんだなあ、と。
今回の日立台の大きな変更点はビジター側からメイン側に行けること。バリケード的なものは全くなく、メインスタンドコンコースの階段を登ればすぐにSS席の裏手に行けます。
スタジアムグルメ
今回はいつもと違って時間がたくさんあるので(なんせキックオフ1時間以上前に日立台入りしたのが恐らく4年8ヶ月ぶり)、そして出店数も少ないということでじっくり吟味して選びました。
選んだのは鳥よしさんのまかないカレーライス。初めて食べたけど家庭寄りの味で美味しい!辛すぎないのがいい。
スタジアム内の様子
スタグルの待機列をさばく人もおらず、誘導するロープも恐らくどの店舗にもなかったのですが、誰から言われるまでもなく来場者みんなが自主的にソーシャルディスタンスを守りながら並んでいる印象を受けました。もちろん全員マスク着用。せっかくの久しぶりの日立台。新しい観戦様式を意識していたのではないかと思います。
試合前練習でレイソルの選手がピッチに入ってくる時には拍手が。
あとはみなさん静かに無言で練習を眺めていました。というか見守る以外に何したらいいかわからなかったのが正直な感想です。
選手紹介のときには、レイソルの選手に対してはひとりひとりに力強い拍手。ベルマーレの元レイソル所属選手(茨田、中川、指宿選手)に対しても温かい拍手が。もしかしたらいつもどおりの応援のときよりも大きな拍手が出たた気がしなくもない。
試合中の様子
選手入場~キックオフ
静まり返った日立台に突然入場ソングが流れ、審判や選手が入場してきました。そのままソーシャルディスタンスを守った記念撮影をして、キックオフ。
いつもなら選手入場前にはレイくんがセンターサークルに現れ、ゴール裏のサポーターに向かって煽りを入れますが今回はそういうのもなし。もちろん試合前のチャントやコールもないのでいつ入場などのお決まりの流れがあるのかわからない印象です。
コールやチャントってキックオフに向けた儀式になっているんだなあ、とも思いました。
応援について
日立台ではリモート応援システムは導入されていません。なのでサポーターがピッチへ思いを伝える手段は拍手のみ。なので攻守問わずいいプレーが出たら惜しみなく拍手をしていました。いいプレーをした選手が交代でベンチに下がるときにも万雷の拍手。「頑張れ」も「ドンマイ、次、次」もみんな拍手。とにかく少しでもなにか起きればすぐに拍手で意思表示です。
これが意外と新鮮かつ快適で。だってヤジもブーイングも出てこない。試合中に文句ばっかり言ってる人の近くに座る羽目になって不快な思いをした経験はJサポあるあるだと思うのですが、それがないわけです。最初は私の席の辺りだけかと思っていたのですが、ツイッターを検索した限りだとどうやらそんなこともない模様。
もうね、ヤジがないって本当に快適です。あれを体験できたこと自体に観戦の価値があったとさえ言えます。
選手の声
これはねえ、もうとにかくよく聞こえます。キックオフ前の円陣の時に「流れ変えよう!」という声がレイソルの円陣から聞こえてきたのですが、MLだとピッチの反対側からだったんですよね。そういうかなり遠くからの声も普通に聞こえます。
もちろん試合中のコーチングや、ファウルがあったときに審判にアピールする声もはっきりと聞こえます。
中でも特筆すべきは中村航輔選手。前半は反対側のゴールを守っていたのにいちいち聞き取れる大音量。レイソルのDF陣の声は(恐らく)聞こえなかったのに。しかもなぜか終始怒っているかのようなテンション。文節を区切るたびに常に💢がついているイメージです(現地にいた人ならわかるはず)。
後半はエンドが入れ替わるのでかなり近くまで来たのですが、もちろん前半と同じテンション。絶え間なく大声で、しかも「もしかしてラインコントロールしてる?」といった内容の指示をDF陣に出している。ゴール前からセンターサークル近くにいる主審に「ファウルだ!」と主張していたときにはML席全体からおもわず笑いがこぼれていました。
得点時
さすがにここだけはみんな立ち上がるし、声も出てしまいます。
とはいえ叫ぶわけでもなく、抱き合うこともせず。ハイタッチも自分の見た限りでは誰もしていませんでした。それぞれが立ち上がって「うおおお!」と感嘆の声を上げて喜びを味わいつつすぐ座る。ルールを守りつつ最大限余韻を味わっている感じでした。
その他
地味に大きいと思ったのが両隣の席が空いていること。なんと地べたではなく座席に荷物が置けるんです!これは今回みたいに試合前に雨が降って地面が濡れているときには特に大きいのでは?必要な荷物もすぐに取り出せるし。スタグルも置けるし。めちゃくちゃ便利でした。
あとはトイレの待機列がないのも大きい。ハーフタイムに気楽でいられるし、トイレ待ちをしていたら後半キックオフに間に合わなかったという事態も起きないだろうな、と。
退場時の様子
無事勝利したあとの選手のスタジアム1周は新しい観戦様式でも健在です。MLにも来てくれたらいいなと思っていましたが、最初に来てくれました。いつもなら写真を撮りたい人や選手を間近で見たい人が最前列まで移動してくると思うのですが、今回は皆さん各自の席からねぎらいの拍手を送っていました。ここでも柏サポがソーシャルディスタンスを発揮。
試合後のスタジアムDJさんによるアナウンスも基本的にいつもどおりでした。これまでとの違いは、最後にブロックごとの退場の案内があったことでしょうか。が、それよりも前に席を立ってしまっていた人が恐らく大半…。
帰り道のレイソルロードももちろんいつもよりすっと人が少ない。見た限りみなさん左側通行を守っていました。かなり遠くからでもレイソルロード入り口の信号が見えたのが新鮮。普段だったらまず見えない。
まとめ①:正直、新しい観戦様式ってどうよ?
個人的には大アリだと思いました!タイムスケジュール的にも、荷物を席に置けるという点でも、これまでよりもゆったりと現地観戦を楽しめる。日立台はしばしばライブハウスに例えられるほどの臨場感と熱い応援が売りですが、これまでの応援という血が沸くようなものがなくても選手がピッチ上でバチバチやっているという別の臨場感はより強く感じられるのではないかと思います。
そしてツイッター上で他の人も言及していますが、ヤジや文句がないってこんなに快適なのか!という新発見。今の観戦ルールの中で我々サポーターが現地でできることといえば拍手しかないので、サポーターは拍手を通して応援しているという意思を伝えるために試合中選手のいいところ探しを自然としていたのでは。
あとは自然発生的にくすっとした笑い声が生まれたり。テレビだけではわからない世界があったと思います。
日立台は建物がイングランドのスタジアムみだいだという指摘を時々見かけますが、今回の雰囲気がイングランドのプレミアリーグのスタジアムみたいだと指摘している方もいらっしゃいました。温かくて心地よい日立台でした。
まとめ②:新しい観戦様式でのおすすめポイントは?
総じてサッカーという競技そのものをより味わえるのではないかと思います。なので試合をじっくり見たい人には特におすすめしたい。サッカーを戦術方面から見たい人、現役のプレーヤー、指導者にとっては選手や監督のコーチングの声までばっちり聞こえるので勉強になるのではないでしょうか。
新しい観戦ルールでの観戦を経験したことで、今までのコアサポーターさんが先導する応援が素晴らしいもので、あれが日立台ならではの雰囲気を作っていたのがよくわかりました。日立台でしか生まれない雰囲気でまさに最高だな!と。
とはいえ今回の観戦ルールを現地で体験することで「応援とは?」というのを考えたのもまた事実。今後しばらくはこれが続くでしょうし、今後新しい観戦ルールにのっとった観戦を通じて「自分ができる応援とは?」を考えるきっかけになるかもしれません。
あとは中村航輔ファンの人!勝ち試合を見られたおかげなのもありますが、他の選手への指示を90分間聞き続けるだけでもチケットを買った価値があると思います。それくらい指示の出しっぷりが強烈。あれは一見の価値あり!
さいごに
「日立台のサポーターの観戦リテラシーが高かった!」これだけは最後に記しておきたい。スタジアム内でマスクを脱ぐような人もいなかったし、自然発生の手拍子すら起きなかった。試合中はみんな自分の席から離れずにソーシャルディスタンスと観戦ルール守ってる。これってすごいことなのでは?
やっぱり日立台最高!と思えた一日でした。
Estrella(エストレヤ)(Twitter:@estestestrella)