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最後の期待、友だちと神さま、備忘録。

書き残さなくてはいけない気がして、キーボードを叩き始めた。
どうしようもなく不安定で、弱くて、情けないわたしを残すことを恥じていた。
でも、忘れちゃいけないんだと気づいた。
無かったことにしちゃいけない。
この部分もわたし。
いつか、わたしという人生の哲学を完成させるとして、その時に必要不可欠になる一欠片であるはずなんだ。
だから残す。忘れないように、今のわたしが言葉にしておく。

人と、会えなくなってしまった。
少し前から感じていた違和感はあったけれど、気づかないふりをしていた。
笑って過ごして、ちょっとずつ高校の時の自分に戻ってきたな、とうっすらした不安にも出会いながら、それさえも人と会うことで誤魔化してた。

そうしたら、急に、人と会えなくなってしまった。
ベッドの上で、好きな音楽を流しても、いつもよりわたしを急かしてくるみたいにスピードが早く聴こえた。大好きな歌詞も、言葉にならずに滑っていく。
好きな香水さえ、胃と脳を攻撃して吐き気が止まらなかった。
正気に戻りたくて自分を傷つけてみても、体温が下がっていくだけ。
ベッドの上で眺めた六畳一間はとんでもなく広く、揺れて見えていた。
現実か夢かわからず、眠れたと思うと体ががくんと動いて目覚めてしまう。
外が明るくても暗くても関係なくて、時計の針の音がやけにうるさくて混乱するくらいだった。

不思議な時間だった。

不安と怒り、名前をつけられない感情が体の中でぐるぐるしていた。
胸の辺りでつっかえて、息を止めていることに気づけないくらいにいっぱいだった。

そんな時に、SOSを出した。
久しぶりに、人に助けてって伝えた。
怖かった。
今までの失敗を全部思い出してた。
でも、信頼していた。
正直記憶は曖昧だけど、拙い言葉で伝えた叫びを、彼らは受け止めてくれた。
あの子みたいに器用じゃなくて、あの人みたいに甘すぎないんだけど、言葉と時間をかけてくれた、そのことにわたしはずっと感謝している。

その人たちのおかげで、少しずつ、現実に戻ってこられた。
少しずつしか、変われないんだって教えてくれた。
わたしは生き急いでいる。いつか誰かに言われた言葉を思い出した。
でも、神様は「一歩一歩を」備えてくれるのだ。

どうしてこんなに弱いのか、わからない。
弱いくせに、助けを求めるのも下手くそで、他人に期待するのも苦手、自分のことはもっと嫌い。
でも、こんなわたしの隣にいてくれる人がいる。
わたしの暗い部分を一緒にのぞいてくれる、そんな人たち。
この人たちに嫌われたら本当に他人ていうものを諦めよう、って思っている。
同時に、終わりを少し先延ばしにしてくれる存在。
イエスもそうなんだけど、わたしはもう、イエスに裏切られるならそれでいいんだ。イエスが嘘になった時、その時がわたしのおわり。でも、イエスが真であり続ける限り、わたしはそこを信じていたいし、そうしていないと続けられない命を抱えている。

わたしは赦されてしまっているらしい。
信じがたい。
こんなやつを赦してくれる神様、どうなってるのかわからない。愛を持って、腹が立ってくる。
だけど、その神様と、その神様が出会わせてくれた人たちとを大切にしたい。
大切だって言ってくれる人がいる。その言葉を、信頼する。
裏切られたら、また考える。
そんなふうに少しずつ、少しずつでも、生きていく。
こういう見方もあるんだって、だから明日を喜んで迎えようって、一緒に傷つく人に言えるようになりたい。
もちろん苦しい時は苦しくていいんだ、その自分に嘘をつく必要はない。でも、そこにも神様はいる、信じられないよな、わたしもそんなこと信じたくないし無理なんだけど、そうみたい。
苦しい時に苦しいですってちゃんと言いたい、その自分を認めてあげたいって、今のわたしは思う。その声を神様はちゃんと聴いてくれる。それをぶつけてもいい相手が神様だったりする。
そしてその神様を知っている人もまた、隣で叫びを聴いてくれる人だったりする。

弱くても、ヤバいやつでも、受け入れてくれる人が少なくともわたしには居るってこと、忘れたくない。すぐに忘れて、一人で暗闇に塞いでしまう自分を知っている。
彼らの言葉が嘘に見えちゃう時も本当はあるんだけど、それはわたしがわたしを愛せてないからなのかもしれない。わたしが甘えられる環境を認めたくないのかもしれない。自分に意地悪。
だけど、とりあえず信じてみる。愛してみる。どうせ終わる命なら、他人に期待して傷ついたって同じ。
最後に信じてみよう。期待してみよう。
この人たちに裏切られたら、本当に死のう。
逆に言えば、死ぬのはそれからでいい。

神様は多分明日も人生をくれる。
神様はわたしにまだ期待してる。諦めが悪い。
だから、わたしも期待しよう、この人たちと、向こう側に透けて現れてくる神様とを。


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