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学校の"面白い"を歩いてみた②〜「学び」の本質に向き合った時、「教育」も「学校」という概念もシフトする。〜


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古いレールから乗り越えよう。時代は新しいレールへ。

学校の面白いを歩いてみた。
私立学校も、私塾も、地域もチャレンジしている。
公立学校だって、どんどん変わっていく。

「学校」は、今、変わろうとしている。

「学び」の本質に向き合った時、
「教育」「学校」という概念もシフトせざるを得なくなってくる。

明治維新前後、「社会」「個人」「近代」「美」「恋愛」「広告」「新聞」など、これまでは日本にはなかった様々な外国語の概念が日本に輸入された。
ある意味、「権利」や「存在」や「社会」や「個人」という概念さえも、明治以前には日本にはなかったのだ。

「学問のすすめ」という当時の大ベストセラーを出した福沢諭吉も、「自由」「家庭」「西洋」などの多くの外国語の概念を日本に紹介した。

「Education」が「教育」という言葉にされた時には、福沢諭吉は大いに違を唱えていたという。福沢諭吉と森有礼の間で「Education」という概念を、日本語にどう翻訳するかという論争があったらしい。

「学校は人に物を教うる所にあらず,ただその天資の発達を妨げずしてよくこれを発育するための具なり。教育の文字ははなはだ穏当ならず,よろしくこれを発育と称すべきなり。かくの如く学校の本旨はいわゆる教育にあらずして,能力の発育にあり……。我が国教育の仕組はまったくこの旨に違えりといわざるをえず。」「文明教育論」(福沢諭吉)

福沢諭吉は、「Education」の本質を、教え育てる=「教育」というコンセプトではなく、本来の力を発達させる、引き出していく=「発育」というコンセプトにするべきと考えていたようです。

Withコロナの時代、明治維新のような新たな時代の転換点で、
私塾、コミュニテイスクール、STEAM教育など、
学びに関してのコンセプト転換のチャレンジは始まっている。


「能力開発から、興味開発へ」というコンセプト。
参加者全員が熱中する「魔法の授業」。「驚きと感動の種をまく」「受験も勉強も教えない教室」探求学舎のチャレンジ。



学校を開いたら、町が人が風向きが変わった!
「コミュニティスクール」というコンセプト。人と学校をつなぐ町おこし先生のチャレンジ。「学校」は、町おこしの切り札になる!


『利他の心』や『互助の心』とSTEAM教育の掛け算というコンセプト。
“正解”が重要でないAI時代に、私たちはどのような力をつけなくてはならないのか。グローバルで活躍する3姉妹のチャレンジ。



公立学校だって、どんどん面白くなっている!

教員と話をしていると、こんなに酷い職場だという話をよく聞かされる。

酷い、良くないことが分かっているのなら、「それを変えてみたらどうですか」と質問すると、「誰かが改善の声をあげたら同意しますよ」という返事がかなりの確率で返ってくる。

明るくて前向きな情報は、学校現場を自分たちの力で変えていく実践をしている人たちの話である。そういう話から、自分たちが行動するためのヒントが得られるかもしれない。

保護者にしても、明るい前向きな情報が我が子の教育、学校を考えなおしてみるきっかけになるかもしれない。そんな前提から、明るくて前向きな情報を求めての取材を始めた。

そして、教育を真剣に考えて実践しているたくさんの人たちがいることを知ることができた。取材してみると、

そういう人たち、そういう人たちの周りから聞こえてくるのが、「面白い」だった。
――「学校の面白いを歩いてみた。」前屋毅著「はじめに」より抜粋


「学校の面白いを歩いてみた。公立だってどんどん変わる」前屋毅著

地域ぐるみで校庭に「里山」を作っちゃった学校、
いち早く企業と連携してICTを積極的に取り入れている学校、
「美術館」という異分子に協力を仰いで朝時間を有効活用している学校

などなど、「学び」の質や職員室を変えようと奮闘している各地の学校を訪ね歩いたルポルタージュ。

■目次
●「勉強は面白い」といえる子――モンテッソーリで学んだ女の子
●広島県福山市が挑戦する「分かる授業」
●普通ではない「役立つ」英語の授業をする教員(千葉県柏市)
●変わる教員たち――反発から率先へ(埼玉県所沢市)
●変わる教員たち――対話型鑑賞を教員に広げる試み(愛媛県)
●生徒・児童中心の考えが学校を変える――校則のない学校(世田谷区)
●学校に里山をつくる(横浜市)
●「大事なのは遊び」という世田谷区長
●学校はカラフルでいい(横浜市)
●ファーストペンギンをめざして(埼玉県戸田市)
●変わりはじめた文科省
●教員が授業を決める

――「学校の面白いを歩いてみた。公立だってどんどん変わる」前屋毅著
「第6章」です〜

生徒・児童中心の考えが学校を変える
――校則のない学校

学校から校則がなくなった!?

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