この無情な光が、私を創ったのだ。
冬の光
鬱陶しい冬の午後、
家の中は真っ暗だ。
物音もしない、
そして、人影もない。
こんなとき、
物思いが似合うと勘違いする。
木製の重い玄関戸を、
力を入れて引いてみる。
少しの透き間が開くや否や、
メリケン粉のような小雪が勢いよく舞い込んで来る。
それと同時に、
外の明かりに目が眩みそうになる。
信じられないコントラスト。
これが、北陸の冬なんだ。
重苦しい鉛色の空から、
一っ時真っ白い雪の粉を射るような陽光が顔を出す。
この光が、
今でも心から嬉しく思う。
この光があったればこそ、
ここまで来れたのだ。
この光が、
これからも我々を元気づけてくれるだろう。
そう思うことで、
この光を愛することができる。