TOKYO お金めぐり
私はお金が好き。どこかにお金とふれあえる場所はないかと探してみると、健全にお金とふれあいながら、楽しく学べる場所を見つけた。どちらも無料なのでぜひ行ってほしい。
🪙東京証券取引所(東京Arrows)
お金とふれあえる場所、ひとつめは東京証券取引所。日本橋駅から歩いて10分ほどのところにある。
看板の左端にご注目。「余裕を持って、余裕を増やす」と書かれている。本当にその通りだと思う。資産運用をしている人はきっとみんな頷いてくれるだろう。
資産運用をはじめたときは余裕なんてないのだけど、なんとかひねり出した余裕が次の余裕を生み続ける。すごいことだ。
そのすごいことの舞台が、この東京証券取引所だ。その名の通り、有価証券(株式)を取引する。ニュース番組でたまに映る、株価がぐるぐる回っているところだ。
見学時間内 であれば誰でも見学できる。じっくりみたい人はガイド付き見学を予約しよう。
直前につかみ取った平日休みのため、今回は自由見学。受付で手荷物検査を済ませたら、とうしくんにご挨拶。
とうしく~ん、推し株が高くて買えないよ~。とうしくんの力でちょっと下げて~。お願いしてきた。
まずは2階の見学回廊から。マーケットセンターを見下ろすと、予想以上にチッカーが大きい!それにかっこいい!!チッカーは1周約50メートル。株価が回っているだけとはいえ、迫力がある。
続いてエスカレーターを降りて中2階へ。ガラス張りのマーケットセンターは特撮の司令室みたいでかっこいい!!ときどきチラッとお仕事をしている人の姿も見える。
同じく中2階のオープンプラットフォーム。大納会や大発会の現場が目の前に!感動。
チッカーに表示されるのは、売買が成立した株価だそう。その場で注文して約定すれば、自分の取引も表示されるかもしれない。それはやってみよう!とiSPEEDをチェックしたけれど、この日は上げ相場で買える株がなかった。またの機会のお楽しみ♪
資産運用をはじめたい人におすすめなのが、「株式投資体験」(事前予約制)だ。
資産運用で一番気になるのは「値動き」ではないだろうか?はじめる前にどんな時に株価が上がったり下がったりするか体験しておけば、暴落したときのイメージもつかめるだろう。やってみた方がお得だ。ちなみに事前予約はホームページから簡単にできる。
すでに株取引やってるよ!株は大好物だよ!という人におすすめしたいのが、1階受付横の「証券資料ホール」。実際に使われていた「場電」や「株券」など貴重な資料を見ることができる。さりげなく「山一證券」の株券(見本)が並んでいてドキッとした。
個人的には、推しのヤマハ発動機の株券に会えて嬉しかった。あなたの推し株にも会えるかもしれない。
🪙 貨幣博物館
東京証券取引所から歩くこと約10分。日本橋三越の裏手、右手に日本銀行本店を見ながらまっすぐ進むと貨幣博物館の看板が見えてくる。
貨幣博物館は予約不要。開館時間であれば誰でも無料で見学できる。ちなみに、お向かいの日本銀行本店の見学は事前予約制だ。
入り口からお金感満載でテンションがあがる。さすが貨幣博物館。右手ののぼりには推しの「永楽通宝」が!その下の重石は「和同開珎」。ご担当者様のこだわりを感じる。
ここでも手荷物検査がある。やはりお金が絡むから厳重なのだろうか。検査後、棚から各種パンフレットをもらった。子ども向けの黄色いパンフレットがおすすめ。展示室内は解説少なめかつ写真撮影不可なので、このパンフレットがあった方が見学を楽しめる。
階段で2階に上がると…
ドーン!
ヤップ島の石貨が出迎えてくれた。ヤップ島は、ミクロネシア連邦にある島だ。直径約1メートル、厚さ5センチくらいだろうか。中央に穴が開いているのは、運ぶときに棒やロープを通すため。近くの島で切り出した石を、いかだや船で運んだ…と『貨幣という謎 金(きん)と日銀券とビットコイン』という本で知った。とても面白い本だった。
決済手段確保のために身体を張っているところが好き。現地までいかないと会えないと思っていたけど、まさか日本橋で会えるなんて!嬉しいサプライズだ。ちなみにこの子は、いまでも使うことができるらしい。
石貨の向かいにはお土産屋さん、来館記念スタンプコーナー、1億円の重さ体験コーナーがある。永楽通宝のスタンプがあったので、いそいそと押した。ちょっとずれたけど立体感がでたかな?せっかくなので、1億円を持ってみた。なかなか重かった。
それではいよいよ展示室へ。展示室内は撮影禁止。ここには円形方孔銭(丸い形の中央に四角い穴の開いた貨幣)から先日発行された新紙幣まで、ありとあらゆるお金が大集合している。無料なのが信じられないくらい、見ごたえがある。
お金の歴史に目覚めたきっかけは円形方孔銭なので、じっくり見る。富本銭は凝ったデザインだ。きっと作るの大変だっただろう。銭文(表面に刻まれた文字)の由来は「民や国を富ませる本(もと)」だったのね。デザインもコンセプトもばっちりじゃん。
おお!いたいた、半両銭(はんりょうせん)!噂通り大きいね。きっと持ち歩くのは大変だっただろう。表面はすっかり錆びてボコボコざらざらしているけど、「半両」の文字のぷっくり感が可愛い。
半両銭の後継者、五銖銭(ごしゅせん)は4枚並んでいる。左から右に向かって少しずつサイズが小さく、銭文がくっきりはっきりする。五銖銭の「五」の文字が砂時計みたいで可愛い。こんなに小さいのに700年も活躍したなんてねぇ。すごい子だ。
「和漢古今泉貨鑑」と「和漢古今宝銭図鑑」は江戸時代に作られたすごすぎる貨幣カタログ。研究者とマニア、どちらに向けて作られたのだろう?こんな資料を江戸時代に作れたなんて。とくに「和漢古今宝銭図鑑」は貨幣博物館のホームページで全ページ見られるので、ぜひ見てほしい。しかも出版元は蔦屋重三郎(早稲田大学のホームページ参照)。蔦屋さんは2025年の大河ドラマの主人公のモデルだ。貴重な資料を残してくれてありがとうございます!
ほかにも棒手振(ぼてふり)の生活費とか、お蕎麦屋さんのメニュー表とかおもしろいものがいっぱいあった。やはりお金はおもしろい。痩金体の銭貨の名前をど忘れして見られなかったり、パネルの貨幣の作り方を理解できなかったり。勉強してまた行こう。
🪙【ランチ】うなぎ 喜代川
今回のお金巡り、実は最初に腹ごしらえをしていた。場所は、小網町のうなぎ「喜代川」さん。東京証券取引所との距離は歩いて10分ほど。
兜町(かぶとちょう)の証券マンに憧れて、いつか兜町でうなぎを食べようと思っていた。兜町最後の鰻店「松よし」さんは残念ながら閉店。代わりに隣町の「喜代川」さんで、身の丈を超えるスペシャルな時間を過ごすことができた。
看板に従って右に曲がると、おっとここだけ雰囲気が違うぞ。風に揺れる柳。時代劇に登場するようなただずまい。勇気を出して暖簾をくぐると、にぎやかな声が聞こえた。混んでいたらしく、お店の人の案内で一度外に出てもうひとつの扉から奥座敷に通してもらった。もうひとつの扉を開けると、小さなお庭。こういうの、旅館以外ではじめて見た。
奥座敷には誰もいない。一人でうなぎを待っている間、「喜代川」さんのことを調べてみた。創業明治7年。中央区のホームページによると、この建物は昭和2年に建てられたもので、国の登録有形文化財だった。外観からあふれでる風情に納得。常連には谷崎潤一郎がいる。
鰻が運ばれてきた。うな重は、並・菊・松・竹の4種類がある。このお店では竹が1番上だ。ちょっと難儀な仕事を片付けたお祝いに「菊」と赤だしにした。赤だし大好き。
うな重も赤だしもお漬物もすべておいしかった。たれは創業時から継ぎ足している。自分が生まれるずっと前に生きていた人たちと同じ体験をしているのかもしれないと思うと、おもしろい。ちょっと背伸びしたけど、お腹も心も満たされるすばらしい時間だった。ときどきあるこういう時間のために生きているんだな。明日もほどほどに頑張ろう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
当日は、うなぎ「喜代川」→東京証券取引所→貨幣博物館の順番でいきました。
日本橋は面白いですね。
次回は「レストラン東洋」に行ってみたいです。
予習におすすめの本はこちらです。
↑「貨幣なければ市場なし」という言葉にしびれました。
↑なぜか画像が暗く、帯の位置が変ですが、実際には綺麗な本が届くので安心してください。
↑興味深い話がたくさん載ってました。想像力がかきたてられました。
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