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麻雀の「喰い替え」ルールについてちょっとだけ考えてみました

私がお昼から、第18期飯田正人杯最高位戦Classicの決勝1日目を見ていた時のこと。たまたまスクショが撮れたので下に貼っておきますと、

678ソーでチー
画像はYouTubeの生配信より拝借(アーカイブはメン限)

浅井堂岐プロが、手の内に789ソーと持っていたところから6ソーをチーしました。切ったのは東。これはルール上問題ありません。ところが、

これはクラシックルールですから9ソーを打つこともできたわけですね

と、実況を務めていた小宮悠プロからのアナウンスが。見ていた私は、少し驚きました。「えっ?喰い替えアリなの?」と。

念のため、「喰い替え」という麻雀のルールについておさらいすることにしました。キンマwebさんにわかりやすい記事があったので、ここは遠慮なく拝借します。

喰い替えとは完成メンツのうち2枚を使って他家の捨て牌を鳴き直後に残りの1枚を捨てること

多くのルールで禁止されている。鳴いた牌と同じ牌だけでなく、スジの牌も喰い替えになるので要注意。

ただし鳴いてから次の巡目以降であれば認められている。つまり、他に不要牌がある場合などに出来メンツから鳴き、鳴いたときにはその不要牌を切るという形であれば問題ない。 

出典:https://kinmaweb.jp/mahjong-rule/kuikae
例①
例②

つまり、「喰い替えなしルール」だと、浅井プロは678ソーでチーして9ソーを切るのはアウトだったんです。

では、肝心の最高位戦Classicのルールはどうなのか?少し前の記事ですが、坂本大志プロがインタビューに答えたものが良さげでした。

-----リーチ者は流局時に手牌を公開しなくて良いとのことですが、ノーテンリーチをかける人はいますか?

「私はしたことはありませんが、何回か見たことはあります。使ったことが良い局面もあるとは思いますが、ただ1000点を捨てることになるので・・・使用される頻度としては多くないですね」

「あと、現物食い替えもできるのですが、こちらは使うことはほとんど無いですね。オーラスの親にもう1回アガってもらいたい時にツモ番を回す時などでしょうか。 『打牌に関する制限がない』というところから、現物の食い替えができるということになります。『食い替えできますよ』ということよりは『制限がない』という方が正しいですね」

出典:https://mj-news.net/mjpro/2015082017302

(※読みやすくするため、ちょっとだけ修正を加えてあります)

ルールとしては「打牌に関する制限がない」という表現になるのですね。それで、「喰い替えもアリ」って解釈できるということみたいです。


実は、「喰い替え」というワードに私が敏感だったのには理由があります。たまたま1ヶ月ほど前に、プロの公式戦で「喰い替えによるチョンボ」を見たからです。

それは、第41期鳳凰戦A1リーグでのこと。1回戦だったので、今でも無料公開のアーカイブになっています(2回戦以降がメン限)。この際なので、存分に使わせてください。

白鳥翔プロが123ピンでチーした後、

一二二三四六萬を持っていて上家から一萬が出ました

河に一萬が出て、一二三萬でチー。手牌には、一二四六萬が残りました。おそらく純チャン三色狙いなので、四萬と六萬が不要になります。ところが、

手には四萬

四萬から切ってしまった!六萬から切れば問題ありませんでしたが、一萬をチーして四萬を切れば喰い替えになります。

この試合の実況は、日吉辰哉プロでした。白鳥プロが四萬をつまんで河に置こうとした瞬間、即座に「あっこれ喰い替えじゃない?」と、慌てて発しています。解説を務めていたHIRO柴田プロも、「あっ…」と声を発した後、しばらく絶句していました。

その後、「いつからでしたかね?2年ほど前ですかね?(中略)プロ連盟のルールで喰い替えが…昔は出来たんですよね?」と、日吉プロからフォローが入ります。

念のためルールを確認してみると、

日本プロ麻雀連盟公式ルール

■基本ルール
1、喰いタン、後づけあり
2、喰い替えなし
3、一発、裏ドラ、槓ドラなし
4、ノーテンは場に3000点
5、王牌は14枚残し
6、アガリは上家優先
7、サイコロはすべて一度振り
8、アガリやめなし

出典:https://www.ma-jan.or.jp/guide/game_rule.html

確かに「喰い替えなし」と明記してありました。

この記事が見やすかったですね。2023年度からルールが改定されたとのことなので、「2年前から」というのはあながち間違ってはいないってことになります。

その結果、

  • 当該局はなかったものとしてやり直し

  • 試合終了後に白鳥翔プロはマイナス20ポイント

となりました。合っていますよね?

その後、白鳥プロは、

このようにポストしていました。やはり、「チョンボによるマイナスが響く」というよりも、「チョンボで試合が中断して対局者に申し訳ない」というような気持ちが勝るものなんですね。

そうなってしまった原因は、単なる観る雀の私には知る由もありません。ただ言えることは、「プロでもこのようなミスは起こりうる」ということです。あのようなことで批判の対象にはならないでしょう。


ここまで喰い替えについて、私なりにまとめてみました。僭越ながら、私から言いたいことは2点あります。

1つは、「やっぱ麻雀ってルールが簡単ではないよなあ」ということ。ライト層の方々からは、「どうして喰い替えができたりできなかったりするの?」「そもそも喰い替えって知らなかった」といった意見が出そうです。

私も少しは麻雀のルールを知っていたつもりでしたが、前述した2つの事例については、完全に把握できていませんでした。このnoteを書くにあたり、いろいろと喰い替えについて調べることとなり、とても勉強になりました。でも、面白かったですよ。

もう1つは本筋から外れますが、「チャット欄の民度が相変わらず良くない」ということです。連盟チャンネルのYouTube配信って、チャット欄が荒れている確率が高くないですか?

ここはいっそのこと、

連盟さんもこれくらいやってもいいんじゃない?「何を言っても自由」を、履き違えている輩がいつもいるんですけど。

チャット欄を閉じて見ればいいだけかもしれないけど、やっぱり誹謗中傷は良くないでしょ。「〇んでくださーい」とポストした方がどうなったか、それを知るだけでもやっちゃダメなことはわかるでしょうに。


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