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麻雀の「喰い替え」ルールについてちょっとだけ考えてみました
私がお昼から、第18期飯田正人杯最高位戦Classicの決勝1日目を見ていた時のこと。たまたまスクショが撮れたので下に貼っておきますと、
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浅井堂岐プロが、手の内に789ソーと持っていたところから6ソーをチーしました。切ったのは東。これはルール上問題ありません。ところが、
「これはクラシックルールですから9ソーを打つこともできたわけですね」
と、実況を務めていた小宮悠プロからのアナウンスが。見ていた私は、少し驚きました。「えっ?喰い替えアリなの?」と。
念のため、「喰い替え」という麻雀のルールについておさらいすることにしました。キンマwebさんにわかりやすい記事があったので、ここは遠慮なく拝借します。
喰い替えとは、完成メンツのうち2枚を使って他家の捨て牌を鳴き、直後に残りの1枚を捨てること。
多くのルールで禁止されている。鳴いた牌と同じ牌だけでなく、スジの牌も喰い替えになるので要注意。
ただし鳴いてから次の巡目以降であれば認められている。つまり、他に不要牌がある場合などに出来メンツから鳴き、鳴いたときにはその不要牌を切るという形であれば問題ない。
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つまり、「喰い替えなしルール」だと、浅井プロは678ソーでチーして9ソーを切るのはアウトだったんです。
では、肝心の最高位戦Classicのルールはどうなのか?少し前の記事ですが、坂本大志プロがインタビューに答えたものが良さげでした。
-----リーチ者は流局時に手牌を公開しなくて良いとのことですが、ノーテンリーチをかける人はいますか?
「私はしたことはありませんが、何回か見たことはあります。使ったことが良い局面もあるとは思いますが、ただ1000点を捨てることになるので・・・使用される頻度としては多くないですね」
「あと、現物食い替えもできるのですが、こちらは使うことはほとんど無いですね。オーラスの親にもう1回アガってもらいたい時にツモ番を回す時などでしょうか。 『打牌に関する制限がない』というところから、現物の食い替えができるということになります。『食い替えできますよ』ということよりは『制限がない』という方が正しいですね」
(※読みやすくするため、ちょっとだけ修正を加えてあります)
ルールとしては「打牌に関する制限がない」という表現になるのですね。それで、「喰い替えもアリ」って解釈できるということみたいです。
実は、「喰い替え」というワードに私が敏感だったのには理由があります。たまたま1ヶ月ほど前に、プロの公式戦で「喰い替えによるチョンボ」を見たからです。
それは、第41期鳳凰戦A1リーグでのこと。1回戦だったので、今でも無料公開のアーカイブになっています(2回戦以降がメン限)。この際なので、存分に使わせてください。
白鳥翔プロが123ピンでチーした後、
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河に一萬が出て、一二三萬でチー。手牌には、一二四六萬が残りました。おそらく純チャン三色狙いなので、四萬と六萬が不要になります。ところが、
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四萬から切ってしまった!六萬から切れば問題ありませんでしたが、一萬をチーして四萬を切れば喰い替えになります。
この試合の実況は、日吉辰哉プロでした。白鳥プロが四萬をつまんで河に置こうとした瞬間、即座に「あっ、これ喰い替えじゃない?」と、慌てて発しています。解説を務めていたHIRO柴田プロも、「あっ…」と声を発した後、しばらく絶句していました。
その後、「いつからでしたかね?2年ほど前ですかね?(中略)プロ連盟のルールで喰い替えが…昔は出来たんですよね?」と、日吉プロからフォローが入ります。
念のためルールを確認してみると、
日本プロ麻雀連盟公式ルール
■基本ルール
1、喰いタン、後づけあり
2、喰い替えなし
3、一発、裏ドラ、槓ドラなし
4、ノーテンは場に3000点
5、王牌は14枚残し
6、アガリは上家優先
7、サイコロはすべて一度振り
8、アガリやめなし
確かに「喰い替えなし」と明記してありました。
この記事が見やすかったですね。2023年度からルールが改定されたとのことなので、「2年前から」というのはあながち間違ってはいないってことになります。
その結果、
当該局はなかったものとしてやり直し
試合終了後に白鳥翔プロはマイナス20ポイント
となりました。合っていますよね?
その後、白鳥プロは、
1232▲19.6。
— 白鳥 翔 (@s_Shochan0827) July 3, 2024
喰いかえのチョンボ分沈みました。いつか何かやると思ってたからその後は平常心だったけど対局者に申し訳なかった。起こってしまったことは仕方ないので次頑張ります!
このようにポストしていました。やはり、「チョンボによるマイナスが響く」というよりも、「チョンボで試合が中断して対局者に申し訳ない」というような気持ちが勝るものなんですね。
そうなってしまった原因は、単なる観る雀の私には知る由もありません。ただ言えることは、「プロでもこのようなミスは起こりうる」ということです。あのようなことで批判の対象にはならないでしょう。
ここまで喰い替えについて、私なりにまとめてみました。僭越ながら、私から言いたいことは2点あります。
1つは、「やっぱ麻雀ってルールが簡単ではないよなあ」ということ。ライト層の方々からは、「どうして喰い替えができたりできなかったりするの?」「そもそも喰い替えって知らなかった」といった意見が出そうです。
私も少しは麻雀のルールを知っていたつもりでしたが、前述した2つの事例については、完全に把握できていませんでした。このnoteを書くにあたり、いろいろと喰い替えについて調べることとなり、とても勉強になりました。でも、面白かったですよ。
もう1つは本筋から外れますが、「チャット欄の民度が相変わらず良くない」ということです。連盟チャンネルのYouTube配信って、チャット欄が荒れている確率が高くないですか?
ここはいっそのこと、
連盟さんもこれくらいやってもいいんじゃない?「何を言っても自由」を、履き違えている輩がいつもいるんですけど。
チャット欄を閉じて見ればいいだけかもしれないけど、やっぱり誹謗中傷は良くないでしょ。「〇んでくださーい」とポストした方がどうなったか、それを知るだけでもやっちゃダメなことはわかるでしょうに。