フラジャイル22巻(ネタバレ満載感想) 前半
夜分遅くに失礼します。ハーさんです。
勢いに任せて書いてしまった21巻から待望の22巻本当に良かったので整理のため書きなぐらせていただきます。
まだ読んでない人は本屋さんへGoだ!
表紙
…ついに並び立つ岸先生と宮崎先生!!
中身はヒーロー参上編の完結話、宮崎先生の病理専門医試験、過去の清算と未来の医療へという大大大ボリュームな巻でしたので進化と未来を象徴する二人の病理医がそろうのはぴったりですね!
宮崎先生が表紙に写ってたのって2巻とか3巻とか10巻とかあったんだけど色ついていなかったり隅にいたり全身見えてることってなかったんですよね、ここまで満面の笑みで22巻の表紙が書かれているのは感慨深い….それにしても表紙ではずっと同じ服着てんな宮崎先生
88話 僕(私)の仕事
ヒーロー参上編これにて完結
伴先生、稲垣先生と対極なキャラで描かれすぎていてなんで仲が良いのだろうと疑問に思っていたのだが伴先生も日々に悩みすぎていて消耗していたんだな、患者を診すぎて共感が爆発してしまう朝加先生とシステムを重要としすぎて共感できなくなる状態になっていた伴先生。両極端な二人だしお互いが普通だと思っていたから干渉せずに暴走してしまったんだな、
似ていたはずなのに前を走って行ってしまう稲垣先生と止まってしまった伴先生、影の中につぶやいたセリフがとても哀愁。
医療は患者と担当医が二人で向き合うものじゃない、ましてや患者が一人で戦うものじゃない。嫌なことがあってもそれを支えるために頑張ってくれいている病院スタッフや研究者が姿見えなくても一緒に病気と対峙している。ここ数巻で出続けているテーマ、とても良いですね….
乗り越えたひなたちゃんと笑顔で再開できお互い成長できた(生まれ変わった)ことを確かめるシーン、21巻でも感想書いたけどここでもひなたちゃんと朝加先生はシンクロしている、朝加先生はひなたちゃんに「ずっといい子だったじゃん」といったけど、朝加先生もやりすぎだっただけでずっといい医者だったんだよな…
この会話のシーンは主語をコロコロ変えられて全部話し手に帰ってくるのでとても感動的なシーン
朝加先生はいい医者になると思うんだ。岸先生が伴先生にあんたは今医者じゃないといったように患者のことを考えないと医療者ではないのだから。
朝加先生が緩和ケア医になると宣言したところで完結。各々が価値を感じた科のお医者さんになるのはとても良いことだと思うな…
余談:コマの使い方
P39の全員治療することを信条としていた朝加先生が患者が助かることを受け入れなくてはいけないシーン、普通は結論の「大切な時間を~」のところに面積割くイメージだけども朝加先生が自分の信条をあきらめる象徴的なセリフ「治らなくても」で1ページ使うの”この話の主人公は朝加先生”という作者恵先生意思がみられる印象的なシーンでした。
89話 壮望会第一総合病院病理診断科〈前編〉
待望の宮崎先生病理専門医試験回
病理診断3年で5000件もやるの…?このハイパーなんでも病院でそれだけやっていればそりゃ無敵だろうよ笑 それでもぎりぎりまで仕事はする。宮崎先生、ブレなくて素敵よ…
ぎりぎりでわからない症例を診断することになり答えを出すことにこだわる宮崎先生。それでも思考の先にある「わからない」は意味のあるものだし言ってよいことと教える岸先生。最初と最後の教えがこれで納得いくのは岸先生だからだろうな
「手段を目的にしないこと」
経験や知識がつくとともにいつの間にか結果は必ずつけるものという意識がついてしまうになってしまったけどわからないもの捻じ曲げる必要もない。何より治療は患者が健康に過ごすことが第一目標。
病理専門医試験だって試験に受かることは肩書が手に入ることであって目的じゃない。臨床医の信頼関係は肩書ではなく過去の実績によるもの。肩書はあとからついてくるよ、宮崎先生。
90話 壮望会第一総合病院病理診断科〈後編〉
かっこいい中熊先生からスタート
「勤勉たれ」というフレーズは何か聞いたことがあるので調べてみるとベンジャミン・フランクリンの「勤勉たれ。時間を空費するなかれ。常に何か益あることに従うべし」だった。
意図して言葉を選んだかは別にして診断に向き合うことは何か益がないか探すことと同類ではあるとなるほど納得してしまった。
この過去の診断と経験がフラッシュバックしていく演出最高じゃないですか….花房先生とも和解している….
診断力が人並みについた14巻から岸先生はずっと認めてくれていた、人あたりや仕事は宮崎先生のほうがずっと円滑に進められる。もっと自分の目指す病理医像を固める段階にきているのだと。一人の病理医としてスタイルを確立してよい証明もまた病理専門医試験合格によってはじめて認められるんだろうな、いい教科書はいくらでもいるがどう自分色を見せるか楽しみだ….あれ、もしかして宮崎先生が慶楼に行くルートもある???
試験終了後くらい帰れよ宮崎….
このまま書き続けたところですがもうすでに2000文字書いていることが判明しました。
前後編分けます。
(後編へ続く)