百人一首・百人秀歌の考察4
百人一首・百人秀歌の歌人の選択の特徴のひとつに、親子のペアが多いということがある。百人一首の場合は、天智天皇-持統天皇という天皇の親子ペアで始まり、後鳥羽院-順徳院という同じく天皇の親子ペアで終わっている。優れた歌人や歌を選んでいたらたまたまそうなったのか、あるいは意図してそのような選び方をしたのか。表にまとめてみた。(名前の後の数字はそれぞれの歌番号)
百人秀歌の方には後鳥羽院と順徳院がいないので親子ペアがひとつ減るが、一条院皇后宮(中宮定子)がいることで儀同三司母との親子ペアが出来てひとつ増えるので百人一首・百人秀歌とも数は同じになる。親の歌番号順に並べた時に、儀同三司母-一条院皇后宮のペアは9番目、ちょうど真ん中になる。
親子のペアは17組33人。34人にならないのは一人が重複しているからである。表を見ていただくとわかるが、それは源俊頼である。俊頼は経信の子であり、また俊恵法師の親でもある。唯一親であり、子でもある俊頼はなんと、百人一首・百人秀歌それぞれに別の歌が採用されている!これを見ると撰者・藤原定家は親子ペアをかなり意識して選んでいると思われる。ペアに絡む人数が全体の3分の1になるようにしたのではなかろうか。
ここでちょっと、数に注目してみる。
親子ペアに絡む人の数(33人)×3=99
百人一首の歌人の数=100
百人秀歌の歌人の数=101
親子ペアに絡む人の歌の数(34首)×3=102
百人一首・百人秀歌の歌人の数=103
百人一首・百人秀歌の歌の数=104
こうして見るとなかなか興味深い。
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