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『Peaky Blinders』 

観終わった。全部で6シーズンのドラマ。映画化も予定されている。

英国好きのワタシは個人的にとても楽しんだ。1900年代前半、イギリスのバーミンガムを拠点に活動するギャングの一家を描いたフィクション。主役のTommy Shelbyに関しては極端ではあったけれど、人間の誰もが持つ天使と悪魔の両サイドを上手く描いている。彼はそれに加えて、何をするにも他者に全てを語ることをしない、家族でビジネスをしているにも関わらず、性質は一匹狼である。そして戦争経験からのPTSDも絡んでいる。血みどろで、ヤクザでダークなストーリーが好きでないと最後まで観る気にはならないかも知れないけれど、人気を博したのは多くの人に何かしらの共感を与えたからだ。シーズンを追っていくごとに個々のキャラクターに愛着を感じてしまう。見どころは他にも、男女共に当時の超オシャレなヘアスタイルとファッション。家具や調度品。



途中、子供だった四男が2年しかたっていないのに急に青年に成長していたり、シーズンが変わると辻褄が合わなくなっていたりもしたけれど、それは置いておいて・・・。


Tommy Shelbyのまつ毛と声が好きだ(笑)。とても魅力的だけれど、女性を幸せにはしてくれないタイプのキャラクターである。

『Oppenheimer』で現在は注目されている、主役のCillian Murphyは10歳で作曲・歌を始め、演技を始めた最初の理由はパーティーに行ったり女性と知り合うためだったそうだ。このドラマでもいくつもの賞を受賞しているが、素晴らしい演技力である。自身の性格とは共通点のないこのギャングを完璧に演じた。この主役の筋肉質の身体を得るために、15年間のベジタリアン生活をやめたのだそう。その後、Oppenheimerの体型になるために、激ダイエットをしたとか。

そして兄のArthur Shelby役のPaul Anderson もすごかった。彼なしではこのドラマが成り立たなかったくらい強烈な印象を残していた。彼はジャンキーの声を持っているな、と思った。


大勢の素晴らしいキャストで構成されているので、キャラクターの説明をし始めると、長くなってしまう。私が一番好きだったキャラが、ユダヤ人ギャングのリーダーのAlfie Solomons。Tom Hardyが演じている。彼のアクセントやユーモアのセンスが最高。彼の格言集も色々なところで見かけるくらいだ。

Tom Hardyの妻である女優のCharlotte Relayも、Tommyの競走馬の調教師として同作に出演している。


Tommyの叔母、Polly役のHelen McCroryも圧巻。シナリオ上、超重要なポジションであったけれど、乳がんによりこの作品の撮影の終了を待たずに他界してしまった。RIP。


Kingsley Ben AdirはBen Younger役。


ジプシーのAberama Gold役はAidan Gillenで『King Arthur』では上記のKingsley Ben Adirとも共演している。この方も渋い。



ネタバレになるため、これから観る人にはオススメしない、私のお気に入りシーン↓ 


シーズン5の邦訳予告編↓




労働者階級のギャングから政治家に登りつめたTommyの人生の一部にからめ、英国の辿った歴史や、ジプシーを含め色々な人種が入り混じった背景を上手く利用したストーリーだった。しかし男性目線で描かれているのは否めない。



多くの罪を犯していて冷血な性格ではあるけれど、決して媚びない、そして動じないThomas Shelbyのコミュニケーション方法には見習うべき点もある気がする。見応えあり。デヴィッド・ボウイもこのドラマの大ファンだったとのことで、曲を提供している↓『Lazarus』。レトロな音とパンチの効いた曲が集まったサントラもとても良いよ。




男性のPeakyヘア、アジア人には似合わないかも知れないけれど、Peakyを意識している、いないに関係なくドイツのこの街でも似たようなカットの男性をあちこちで見かけることに気づいた。カッコいい。
https://www.thetrendspotter.net/peaky-blinders-haircut/


余談だけれど、Peaky・・・の出演者が3人、共演している作品、『In the Heart of Sea』白鯨との闘い も素晴らしい。
さて、その3人とは誰でしょう?


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