Zwetschgenkuchen:西洋スモモのケーキ
今日は久しぶりに気温が30度に達する予報。夏日が戻ってきた北ドイツ。冷房なしの職場では23度以上になると辛いので(医療関係のため、マスク、グローブなど必須なのだ)オフの土曜日で良かった〜。私は眩しいのも暑いのも苦手なタイプだな、とつくづく思う。
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今、モモ系のフルーツが旬で、スーパーには色々な種類が溢れている。Zwetschgenkuchen:西洋スモモのケーキ(写真)は思い出のケーキ。近所のベーカリーでは小さい店舗の裏の自社工場で、パンやケーキを焼いていて、前からそこで買ってみたかったので旬のZwetschgenkuchenを購入した。
思い出について記録したい。
1993年、私はオーストラリアにいた。バックパックを背負って数ヶ月旅行をしたのだけれど、アデレードのユースホステルで知り合ったSonja(ソニア)というドイツ人の女性がいて、同様に仲良くなったカナダ人の兄妹と4人でしばらくの間、一緒に旅行していた。カナダ人妹の方は、美容師さんだったので、旅行中に髪を切ってもらったりもして、楽しい思い出ができた。
その後、行く手はそれぞれ分かれたのだけれど、Sonjaとはしばらくの間、絵葉書を送りあったりしていた。
が、時とともにいつの間にか互いに連絡が途絶えそのままになっていた。
1997年、私は以前にも書いたが、その時付き合っていたドイツ人の彼の家から一番近い語学学校がBremenにあったため、Bremen に住んでいた。
ある時、いつものように路面電車に乗ってふと窓の外を見ると、通り過ぎたカフェのテラスにSonjaが座っているではないか!!「え?!まさかね・・・」と思いながらも、次の駅で降りてそのカフェまで戻り、テラスの前の植木を両手でそっと広げて顔を出し「Sonja??」と呼んだのだった(笑)。なんとも大胆不敵な怪しい行動で、彼女は相当びっくりしただろう。
やはり彼女だった。
もちろんドイツ人なのだから彼女がドイツの街にいても全然おかしくないのだけれど、お互いに再会を喜び、世界の狭さに驚いた。(私がBremen にいたのが想像外だったろう)
その後、日を変えて、彼女は住んでいた郊外のシェアハウスに招待してくれた。まだドイツ語があまりできなかった私に買ってきてくれたケーキの名を教えてくれた。
私:「これ、何ていうケーキ?」
Sonja:「Zwetschgenkuchenっていうの。Zwetschgen(ツヴェチゲン)はスモモね。」
以来「Zwetschgen」という単語はSonjaを連想させるものとなった。
当時Sonja はまだ学生だったし、住んでいたシェアハウスもとても古くて彼女の靴下には穴が開いていた。美人なのに、全然飾らなくて、その自然体なところがとんでもなく魅力的に映った。オーストラリア旅行中には、ユースホステルのシャワーブースが隣り合わせになったりすると、「こっちでお湯使ってるけどそっちもちゃんと温かいのが出てる?」と聞いてくれる優しさがあった。
その後、またいつの間にか連絡を取らなくなってしまい、友人関係が自然消滅してしまったのだけれど、彼女は今どこで何をしているのだろうか。そう遠くないところにいたりして。
名字が変わっている可能性もあるし、ストーキングするのも嫌なので、再会できる運命なのであればまた宇宙の采配があるだろうと、そのままにしている。
20代に地球のあちこちで出会った同世代の友達は、自分も含めてもういい中年のおじさんおばさんになっている。彼らとまたどこかで再会できたらどんなに嬉しいだろう。でも、できなければきっと来生でまた会えるだろうと信じている。
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Zwetschgenkuchen、スモモの甘味と酸味がきちんと残っていて美味しかった。素朴な旬の味がした。下はスポンジケーキとパンの中間のような生地だった。満足。
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【余談】昔日本でバイトしていたカフェの店長からもらった一枚のお皿が実家にあり、それがとても気に入っていたのだが、英国ブランドChurchillのものだった。↓
そしてZwetschgenkuchenを乗せたトップの写真のお皿。今住んでいるドイツの家に備えてある大家さんの所持品であるが、たまたま一式同じくChurchillのものであった。どちらも自分で買ったものではないけれど、毎日使うことになるという、品物との出会いにもご縁を感じる。